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しおりを挟むバリージャ国の王都。
その頃ルイは宮殿の自分の部屋で、猫の獣人の教師を雇いディスカの歴史を学んでいた。
スレンダーな黒いロングドレスの猫の獣人は人間の姿を装おっており、長い黒髪、黒い猫耳を生やした成人した美女。
「今日はここまでにしましょう。明日からは、ディスカでの女性の日常の動作を学びましょう。」
「はい。先生、ありがとうございました。」
ルイは部屋を退出した教師の獣人の背中を見送り、部屋に戻った。
ルイは部屋に戻ると一瞬固まり、次の瞬間、満面の笑みになり目の前のなにかに体当たりした。
「ひゃああ~アイス王じ~!」
アイスが転移した先はルイの部屋。許可を得ているため、条件付きでの転移を許されていた。
「ルイ王女、素敵なプレゼントをありがとう、お陰で怪我もなく、無事に終わらせることができた。」
ルイの目の前には長身の頭が兎の黒い軍服姿の獣人王子アイスが眼光鋭い、つり目の大きな瞳を細めその表情は笑顔にも見える優しい表情だった。
「アイス王子が身に付けていると言うことは、やはり父様は危険にさらされたのですか?」
「大丈夫、宴で薬を盛られ眠らされただけ、私の役目はバリージャ王の目覚めるまでの時間稼ぎをしただけ。目を覚ました父王の勇姿は素晴らしかった、流石最強の軍を束ねるお方だ。ユイフ王は敗けを認めたよ、今帰還途中だろう…父王が戻ったら直接きくといいよ。」
「はい!アイスさまぁ!」
ルイは思わず親しげに『王子』を抜いてアイスを呼び、アイスは細めたその目を大きく見開かせ、その大きな瞳にルイの姿を写し出す。
「ルイ。会いたかった。」
アイスはルイをお姫様抱っこした。ルイはアイスの顔を覆う白い毛をわさわさと撫で、大きな瞳を覗き込みながら笑顔を向ければ、アイスはたまらずその頬をルイの頬へ擦り寄せた。
「アイス様。」
「ルイ。」
「アイス様!」
「ルイ!」
その微笑ましいいちゃいちゃな光景に、忍者兎のトゥクルは部屋の片隅で小さな前足で自分の目を覆い、時間も迫っていたため、意を決してアイスを呼んだ。
「アイス王子しゃま!タイムリミット迫ってるっしゅ!」
頬擦りを止めたアイスは目を細め、いつもの鋭い眼差しをトゥクルに向けた。
「仕方ないっしゅよ!」
「わかってる。」
アイスはトゥクルから目をそらし、気持ちを切り替えるように深呼吸した。
ルイにまた笑顔を向け、ゆっくりとルイを下ろした。アイスは小さなルイに視野を合わせるように前屈みになると、寂しげにアイスを見守るルイの額に優しいキスをした。
「チュッ。」
「ひゃっ。」
ルイの反応にアイスはまた笑い、背筋を伸ばすと一礼した。
「未来の花嫁様、また会いに来ます。」
そう言い残して、忍者兎と共に部屋から消えた。
「アイスさまからキスを!はわわぁ~!ひゃ~!いやぁ~」
残されたルイは頬を赤くし、しきりに額をきにしていたのだった。
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