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しおりを挟む2年後、バリージャ国のお城。
ルイはこの2年で背も伸び、体つきも成人女性の体型へと変わりはじめていた。白いドレスのルイ王女と正装服である黒の軍服に左側心臓に近い場所に白い大輪の花を付け兎の獣人王子アイスとの結婚式(旅立ちの儀式)がバリージャ王家が代々守ってきた神殿で執行われた。式を終え、ディスカに向かう馬車にアイスとルイは乗り込んだ。お祭りのように城下町は賑わい、二人の乗った馬車が来るのを今か今かと待ち構えていた。
この日日も真上に登った頃、賑わいは更に騒がしくなり、見張り塔では、馬車の出発を知らせる鐘がなる。ルイをのせた馬車と、あとに続く婚礼品をのせた荷馬車。護衛の騎士たちに先導され道を走り抜ける最中道沿いに集まる観衆に祝福され、ルイはディスカの地へと嫁いでいったのでした。
*
ディスカの国境を越えればアイスと同行する獣人達は本来の姿へと変わる。
ディスカに着けば…1か月後にはディスカで2度目の結婚式(迎えの儀式)をする予定。それまでに、服の採寸、装飾品、ルイの身の回りのものを揃えるのだと言う。
***
馬車はディスカに到着した。お城から離れた場所には王家の居住区である宮殿があり、ルイはアイスと共に宮殿に入れば、同行してきた騎士達、宮殿から現れた侍女や従者も加わり、荷馬車から荷物が次々に持ち込まれた。
宮殿の中には大きな部屋がいくつかあり、 ディスカ国王夫妻、王太子夫妻の部屋がある。
宮殿と、通路で繋がれた離宮があり、かつての王は王族の男子のみが許された一夫多妻制のために離宮に女たちを住まわせていた。
現在その制度は廃止され、一夫一妻制となり、女達の生活の痕跡が残る離宮は建て替えられた。今では離宮は王と、王太子以外の血縁の近い男子が所帯を持った時の何年間か生活する空間となっていた。その為、ルイの荷物はそこへ運ばれる事に。
「ルイ、おいで。」
アイスはルイの手を握りグイッと引き寄せる。ルイは大人へと体は発育したが背はまだ小さい、歩幅も狭いため歩く速度はアイスよりも遥かに遅い。アイスはルイをお姫様抱っこし、王家の揃う共有する部屋へと向かった。
「アイス様、歩けます。」
「私が早く行きたいんだ、家族は先にバリージャから戻っているはず、部屋にいるから挨拶しよう。」
「早いですね?あ、兎さんの転移を使われたのですか?」
「そうだ。」
アイスはそう答えながら通路を軽やかにスキップすればぴょんぴょんとあっという間に部屋へと着いた。
「アイスです。ただいま戻りました。」
「入りたまえ。」
アイスはルイを床へとおろせば、室内から執事が扉を開き、二人は手を繋いで部屋の中へと入っていった。
挨拶のあとは部屋の説明や離宮の歴史を集まった王家の皆から聞かされたルイは、目を丸くして急にそわそわし、絞り出すような小さな声で呟いた。
「今は一夫一妻なんですね…でも…」
「ルイ?」
アイスはルイを見下ろせば、ルイは目に涙をためて見上げた。
「昔、一夫多妻制があったことは学びました。でも、今でもその名残で妾を持つ人もいると…アイス様はそう言うかたは…何人見えるのですか?」
ルイはうるうるしながら問えば、席についていた年老いた兎の頭をした獣人、ディスカ国王は声高く笑い、ルイは思わずそちらへと振り返った。
「はっはっはっ!いやあ~可愛らしい姫だ。アイスはあなたに会うまでは女性を寄せ付けない、歩く戦闘兵器。あなたに会って、アイスは変わった。」
「そうなんですか?」
ルイは再び目の前のアイスを見上げて泣いていると、アイスはルイの頭をくしゃりと撫で、頬を伝う涙を指でぬぐった。
「そうです。」
アイスはニカッ!と広角をあげ、目を細めて笑えば、部屋に集まる王とその家族はどよめき、奥に座る兎の頭をしたアイスと同じ若く、体はアイスよりも小柄で華奢な獣人王太子ユハンが声を発した。
「アイスが笑っている…始めてみた。」
アイスは通常モードに表情を戻すと直立したまま、横目でユハンを睨んでいた。
「いけませんか?」
「は、はは。感動しただけだよ、そんな目で兄を睨むな。」
ユハンは冷や汗をかき、アイスを見上げていたルイはアイスの服をクイクイと引っ張り、自分の方へと目を向けさせると、真面目な顔でアイスに告げる。
「アイス様の笑顔、素敵です。怒らないで?」
ルイは首をかしげ、上目使いにアイスを見上げた。
「荷物が片付いてる頃だ!私たちは部屋に一旦戻ります!また後程!」
アイスは顔を赤くし、ルイを抱き上げ部屋をあとにしたのだった。
ルイはお姫様抱っこの状態。自分の顔がアイスの胸から鳴る鼓動に驚き、心配そうに腕を伸ばして毛でふかふかの頬を抱き締めるように撫でると、アイスは更に体温をあげ鼓動は更に高鳴った。
(あー!可愛すぎる!早く、二人の部屋へ!早く二人になりたい!)
アイスは急ぐように跳ねて離宮の二人の部屋へと急いだ。
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