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しおりを挟む離宮の入り口をぴょんぴょんと飛び込んだアイスは、室内が片付き、侍女たちもいなくなっていることを確かめ、部屋にはいると、邪魔者が入らないように部屋の鍵をかけ、ルイをベッドに座らせるようにおろした。
次の瞬間、アイスは人間の姿に変え、美しい青年アイスになり、ルイの隣に座り、ルイの手を絡ませるように繋げば、ルイは特別なことが始まる予感に顔を赤くしてうつむいた。
「アイス様はどうして姿を変えたのですか?」
「ルイ、少しだけでいい。君に触れたい。獣人の姿だと、ルイに怪我をさせてしまう。今ならこうして手も繋げる。」
「はい。」
ルイの絞り出す声を聞き、アイスはルイを抱き寄せて、額、鼻、唇にキスをしていった。
「くすぐったい。」
「大丈夫、なれて気持ちよくなるから。」
二人はベッドに横たわり、じゃれ会うように互いにキスを競い始め、やがて、室内に色っぽい声が響きはじめた。
◆
夕食の時間。ルイは猫の獣人侍女に身だしなみを整えてもらい水色のワンピースに着替えて、アイスはまた兎の頭に戻り軍服から私服の白いシャツとグレーのズボンに着替えていた。宮殿に移動した二人は王の家族も揃う食卓で賑やかな食事が始まった。
王妃は王太子同様小柄で華奢。花が縁取られたドレスを身に付け、その顔は目尻の少し下がった、笑顔の絶えない兎の頭をした獣人の女性だった。
王妃にはそばに使える女性がおり、アイスと歳の変わらない若い兎の獣人。しかし、その目はルイを査定するような、冷ややかな眼差しを向けていた。
食事を終え、ルイとアイスは退席した。その際も王妃につく、兎の獣人の視線はルイが見えなくなるまでむけられた。
部屋の外にはスレンダーに長身の猫の獣人が立っていた。ルイの歴史の教師として派遣されていた猫の獣人。
「あ、先生。」
「この度はご結婚おめでとうございます。私は役目を終え、お城での古書の管理人に復帰いたしました。なので、本日はご挨拶にそれと…」
スレンダー美人猫の獣人はしゃがみこむとルイの耳元に囁いた。
「人種の違うあなたを妬む方々もみえます。一人になるときは十分ご注意ください。」
ルイは特に動揺もなく満面の笑みを猫の獣人に向け、しゃがみこみ、同じ目線の猫の獣人にぎゅっと抱き締めた。
「先生大好き!ありがとうございます。」
「ルイ、行くよ。」
アイスがルイを猫の獣人から剥がすように後ろからてを伸ばし、ルイを引寄せお姫様様抱っこすると、猫の獣人は直立し、二人に一礼をして見送った。
猫の獣人は、いきなりのハグにドキドキが止まらず、ルイを改めて『可愛い人』そう認識した。
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