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第2章・若い魔女の恋〈終章〉
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しおりを挟むこうしてサントは、帰る当日を迎え…お城を出る魔女の馬車は盛大に整列する兵士達と国王夫妻に見送られ走り出した。
馬車内にはサントと、もとのサイズに戻った黒豹ルルが乗り、外には村から同行している衛兵達と指揮を取りながら馬車と並走する騎士シアンがいた。
王都を抜け、広大な畑が果てしなく続く地域を抜けるとサントの家のある山へとさしかかり、行き同様襲撃に逢った。
シアンは指揮を取り、衛兵の援護をしながら敵を弱らせていった。
そこではサントの出番はなく、馬車の窓越しにシアンの活躍を見守った。
「ルル、シアンさん強いね…カッコイイ。」
「ガウ」
ルルは退屈そうにサントの膝を枕に、大きな欠伸をしていた。
「シアンさん…こんな所まで一緒に来てくれているけれど…よいのかしら?家族やきっといる恋人と離れて暮らすのは……私が独占してるみたいで、申し訳ない気がするの…」
サントはルルの鼻先を撫でながら、目を細め喉を鳴らすルルに聞くことができない返事を求めた。
馬車の外、チラリと窓から覗けば…サントはシアンの姿を目で追い…剣を振る姿、馬を走らせる姿、敵に罵声を浴びせる姿のシアンから目を離せずにいた。
サントの胸の鼓動は弾むように早くなり、熱を持ち始めた瞳を潤ませる。
サントはそんな自分の体におきている異変に戸惑うのだった。
「私、どうしたのかしら、これじゃあまるで…シアンさんに恋しているみたい…どうしましょう…もしかして、これが恋なの?」
ルルは動揺するサントの膝に顔をのせたまま身動きせず、返事を求めるサントに喉を鳴らして甘えていた。
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