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第2章・若い魔女の恋〈終章〉
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しおりを挟む1年ほどたっころ。
シアンはサントの家に同居していた。あの日サントはシアンをもっと知りたかったと言う事と…シアンの同行は突然決まった事で住む場所がなかったため、今は使われていない、サントの祖母が使っていた部屋を片付けシアンに提供した。
1年たち現在サントは17歳を迎えさらに綺麗に育っていた。シアンは子供だからとサントへの恋を隠していたが、村に住む者達にはバレバレで…気づいていないのは本人達だけだった。
この日薬の調合の依頼も落ちつき長期の休みを取り故郷である辺境の地の領地アジアスへ、家族に会いに来たのだった。
*
アジアス領地に入る頃、軍をまとめるサントの兄フリスが兵士を従え出迎えた。シアンは初めて会うサントの兄に動揺したが、なんとか顔に出さないようにしながら馬車に意識を向けながら馬を走らせた。
アジアス領地の本拠地は一つの街の中心の岩を積み上げてできた丘の上にある。
街は高い塀に囲まれフリスの案内で馬車は塀の門をくぐり街を抜け、丘に続く坂道を上がり、ようやく屋敷前へと到着した。
戦いに出ることが多いアジアスの兵士達は見なれないサントと一緒にやってきた衛兵とシアンに警戒して睨みつけ、シアンもまた睨み返しながら馬から降り、馬を兵士に預けて馬車の前へと駆け寄った。
馬車の扉を開けたサントは黒豹ルルを従え、シアンの差し出した手を取り馬車から降りた。
「サント嬢、長時間の馬車で歩くのは大変でしょう。このまま手を引く事をお許しください。」
「ありがとう、シアンさん」
二人は恥じらうように手を取り合ったままフリスのあとに続き、屋敷へと足を踏み入れた。
「サントこれからひとまず客間に案内する。両親がくるまで少し休んでいてくれたらいいよ。」
「はい!お兄様ありがとう。」
フリスはサントとシアンを客間に通すと侍女に接待をするよう声をかけて部屋をでた。ソファーに座るサントと、護衛のためその背後に立つシアンは室内に二人きりとなり、互いを意識しあってほんのり顔を赤くした。
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