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薬草図鑑と四葉模様 1/3
しおりを挟む黒い武装服の男は成人男性を思わせ、その容姿は強面で屈強な戦いを好みそうにみえる。
年齢不詳な、美しい成人女性のリゼの母は何やら揉めているよう。
「ここに連れてきてくださり感謝しています…が、貴方は人間ではないですよね?娘の薬草採取で現れた狼と同じ気配を感じます。なぜかしら?」
「…くっ。俺は娘を護る力に命じられたまで…」
「どういう事でしょう。」
「…これを見ればあんたに伝わるだろ?」
武装服の男は両手首をリゼの母に見せつけた。
緑色の蔦の模様が両手首に巻き付くように伸び…それは拘束具の鎖にも思える模様だった。
「ほう?でなぜ今も消えないのかしら?」
「知らない。」
そうこうしているとリゼはムクリと起き上がり、不思議そうにその様子を見ていた。
「んっ~、お母さん?」
「リゼ、目が覚めたのね、その額の模様は?」
「え?」
リゼの母はリゼの前髪をかきわけ、そこに現れたわずかに光を帯びた四葉模様に興味を抱いた。
「何かあるの?私、報酬にもらった薬草図鑑を家に帰る前に待ちきれずに開けたの。本の最初のページに緑の加護とか祝福の種の事が書かれて…結局私その先を見る前に寝てしまったのかな?覚えてなくて…」
「そう。ロコットさん、あなたをちゃんと評価してくださったのね、その本は高価な物。魔導書店から取り寄せたのかしら…この図鑑、緑の加護の力に反応するように監修した魔導士が魔力を注いだのね。」
「えっ?」
「ふふふ。緑の加護を持つ者の力の覚醒を促す魔法がこめてあるのよ。植物を愛する人に使って欲しかったのね。」
「そろそろ俺を解放してほしいのだが。」
そこへ武装服の男はボソリと呟き、リゼは立ち上がると男を前に『解析』が発動。【緑の加護】【蔦の模様】【声】【容姿】【魔力】=森の番人と判明した。
「森の番人様がどうしてここに?解放…どうすればよいのかな?森に帰るんですよね?帰れないのかな?」
リゼの言葉に武装服の男とリゼの母は少し驚いたようだった。
更にリゼの前に可愛い妖精二人が現れた。
「「ご主人様どうしましたか?」」
リゼの母は嬉しそうに笑顔で見守る中、男は戸惑っていた。
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