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2話<春樹のお客現る>
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しおりを挟む数日後、再び来店した春樹さんの上司はこの喫茶店には浮いたような、きらびやかな夜の蝶を思わせる紫色のパーティードレスを身に着けていました。
「天使ちゃん、今日は迎えに来ただけなの。すぐ帰るからごめんなさいね。」
「いえ、良ければ奥の席で待たれたらどうですか?」
こんな綺麗な方を外で待たせるのも良くないかと思い、店内も空いていたので中に案内しました。
なんで私を天使ちゃんなんて呼ぶんでしょうか。聞けるわけもなくて、春樹さんがスーツ姿で2階から現れました。
「美奈ちゃんおはよう。行ってくるね。」
「はい。会社の方、中で待ってもらってます。」
「あの人は外で待たせればいいんだよ?」
「いえ。パーティードレス着ている方を待たせてるんですから中にいてもらったほうが外を通る人の目にさらされなくていいと思って…春樹さん、怒ってます?」
私は彼を怒らせてしまったのか心配で背の高い彼を見上げると、何故だが春樹さんは目を逸らしてしまいました。
「ごめんなさい。」
私がしょんぼりうつむくと、彼のおっきな手が私の頭をクシャリと撫でられました。
「美奈ちゃん謝らないで。悪いのはあの人だから、何時も急に頼んでくるんだよ。あの人にはいつも振り回されてるんだ。」
「そうなんですか?」
「うん、今日もホステスに扮して依頼人の護衛をするから運転しろってさ。自分が運転して店に行くわけにはいかないと、当日いきなり連絡きたりしてるんだよ。」
「春樹さん大変ですね。」
「なれてるから大丈夫だよ。心配かけてごめんね。じゃあ、いってきます。」
「はい。」
こうして春樹さんはお仕事に向かわれたのでした。
春樹さんのお仕事はなんだか特殊みたいです。人を守るなんて大変な仕事。私は出てゆく彼に手を振ると彼もほんのり顔を紅くしながら小さく振り返してお店を出てゆかれました。
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