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序 章
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しおりを挟む藍色のサラサラな短い髪に白い肌の細身の青年は騎士の身なりをし、腰には剣を携えていた。
夜も更けた森の中。
仲間は居ない…ランタンの明かりを頼りにゆっくりと、一人、歩いていた。
森はつい最近までパマロフィ国の領土、今は隣国ジラードフ国の領土となり、騎士はそのジラードフの者。夜の巡回に森を歩く。
騎士はランタンの明かりに照らされ現れた白い物体を前に歩みを止めた。
「毛玉?」
騎士は歩み寄りかがみ物体の正体をしる。
「仔猫?」
白い毛が血と泥で汚れ弱った仔猫に、表情の変わらない騎士は手をさしのべた。
❖
時は数日戻り、パマロフィ国の隣国との境の領地、領主の屋敷、シュウナ邸。
ジラードフ国からの侵攻に対抗していたが…敗北は目の前。
領主は早くに妻を亡くしていたが…一人幼い娘がいた。
封じられた古代の魔女から継がれた魔力を持つクリーム色の髪の8歳の娘。領主は安全な王都へ娘を逃がそうと娘の護衛を用意した。
「リア様、王都へゆきましょう」
「父様!」
護衛は娘を連れ隠し通路を使い屋敷を抜け出した。
途中森の中…護衛の前に数人の兵が現れた。
「遅かったな。」
「どうしたの?」
兵は護衛と親しく話をし、領主の娘リアは不安が増した。何故なら兵の鎧に刻まれた黒い蜘蛛の紋はジラートフ国を示すもの。
リアは騙されたと知り隠していた短剣を振り回し、護衛が手を離した隙に茂みに隠れた。彼らはどれだけ探してもリアをみつけられず…
リアはその後、彼らの前から姿を消した。
❖
白い仔猫を抱えた藍色の髪の青年騎士の腕には黒い腕章。
黒い腕章に白く描かれた蜘蛛は国紋、その紋に重なるようにクロスした2本の剣の金糸の模様は高位の騎士を意味する。腕章の色もまた…彼の能力を意味していた。
「捨て猫か、帰って妹にみてもらうか…」
仔猫は腕の中で震えながらやがて疲れて眠り始めた。
荒れ果てた、かつてのパマロフィ国の領主の屋敷は今はジラートフ国の領地となり、ジラートフ国の兵が警戒し、陣を張る。
兵士の休憩する仮設テントに一旦より、猫を預け、中の者と言葉を交わし現れた藍色の髪の青年騎士。
彼は巡回の報告へと警備の兵が構える、屋敷へと入っていった。
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翌日、役目を終えた彼は仔猫を連れ隣の領地へと帰還。妹と暮らす一軒家に帰り数日後、仔猫は少し元気になると声を発した。
「ここはどこ?」
すると仔猫は額に現れた星紋を光らせ変身した。今はまだ汚れたクリーム色の長い髪の8歳の人間の女の子へ。
青年とその妹は目の前で起きた仔猫の変身に驚くのだった。
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