強面営業マンに恋してます。

yu-kie

文字の大きさ
上 下
21 / 96
〔3章〕変化

一人暮らし。

しおりを挟む

ある日のこと、私は両親と実家暮らしだが…親戚がワンルームマンションをたてたらしくて、私に住まないかと話が来た。

家賃は安くしてくれるみたいだし、家事と洗濯はいつも母がしてくれている。

自立したいと思うこの頃。

両親も近くだから、お試しで一年借りることが決まった。

彼は最近営業所内の移動もあり、私の勤めるデパートから担当が外れた。

新幹線で二時間ほどの距離にある都会に配属され、今はその近くにアパートを借りているらしい。

遠距離恋愛だ。

近くにいすぎて、側に居るのが当たり前だったから~デートで食べあるきしたり、彼の家で一緒にケーキ造りしたりしたのが懐かしい。

だから一日に一回、夜に電話での会話をするのが日課で、大事な時間。

私は一人暮らしが決まったその日の夜、彼に電話で報告した。

「圭樹さん、一人暮らし始めることにしたよ。」

「えっ大丈夫?一人なんて何で?危なくない?」

彼はとても心配性だ。

  ◇  ◆  ◇

それは私とのあの出来事に、終止符をつけた…次の日から始った。
最初はメールの返事を必ず送る。
私からの着信あれば、折り返しでも掛ける。


ーー最初は大変だったと思う。自分を変える改革でもある作業なのだからーー

〔意識するようになったことで、返事を必ず返す。意思表示を他者にはっきり告げる。その事が大事であることを圭樹は実感し…今では、深雪をとても気にかけて、それが自然にできるようになってきていた。〕

  ◇  ◆  ◇

「荷物運ぶの手伝うから、引っ越しのひを教えて!仕事の日なら有休取るから。」

「助かるけど、いいの?」

「重たい荷物とか運んだりするでしょ?荷物持ちは多い方がいい。それに部屋見てみたいし。」

「ふふ。そうだね、ありがとう。」

こうして私は引っ越しの当日を迎えたのでした。
しおりを挟む

処理中です...