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誇りと傷痕 1
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「服は妹の使って…あとは気に入らないかもしれないけど。」
「ありがとう。」
私は健太くんとすれ違い、浴室に入った。
私は他所様のお風呂に入り、しっかり温まると新しい服に着替えて浴室を出てサトちゃんたちのまつリビングに向かうと途中通路で健太くんが待っていた。
「坂梨さん…妹の我儘に突き合わせたせいで…こんな形で家に来てもらうことになって、昔迷惑かけたのにまた……ごめん。」
「ううん。大丈夫です。」
「坂梨さん…妹わ悪気はないんだ。」
「はい、わかってます。」
私は笑顔で返すと、健太くんがうつむいて…拳をつくったその手は震えていた。
「健太くん?」
「坂梨さん…妹は僕の恋の応援しているつもりのようで、今日の水族館も、妹が気を利かせての事で…」
「ん?恋?」
「その…僕と付きあってくれないかな?」
「えっ?」
「だから、好きです!付き合ってください!」
私は思わず口を両手で覆った。
なぜなら心臓がバクバクで、嬉しくて泣きそうになっていて…声が震えてうまく言葉が出せないから、私は「はい」の代わりに縦に強く頷いた。
でも、直後私の頭は冴えてきた。
何故なら私の背中には、両親が悲しんだほどに、長く伸びる傷痕が今もしっかりのこっているのだ。
「健太くん、1つ大切な事があるの。」
「うん。」
私は頭が冴えた分、途端にスムーズに言葉が出てきた。
「付き合えば…いつか私の背中を見る事があると思うの。」
「はっ?何いってんの?」
健太くんは途端に赤面。だけど私は真剣だから話を続けた。
「もしも気持ち悪いと思うなら、その時は私を振ってくれていいから。理由はなんとでもつくってくれたらいいし。」
私はついに言ってしまった。
付き合う前に破局か?
だって同情で無理して付き合わせるわけにはいかないもの。
私が付き合えるなんて奇跡だと思うし。
私にとってこの傷痕は誇りだから、それも含めて受け入れてくれる人なんて…期待してない。
「坂梨さん…僕は君の背おってるものをまだ何もわかってないけど、やっぱり坂梨さんは凄いな。言いにくいことちゃんと話してくれるんだもんな。びっくりしたよ何言い出すかと思って恥ずかしくなっちゃった。でも、そんな事気にしなくていいんじゃないかな?それ含めての坂梨さんでしょ?」
「いいの?」
「うん。」
私はびっくりしてしまうと、健太くんは手を差し出して笑顔を私に向けた。
「よろしく」
「うん、よろしくね。」
私はその手を取り握手を交わした。
その背後にはサトちゃん母とサトちゃんがいるとも知らずに…。
その後サトちゃんに喜ばれ、歓迎を受けた私は夕飯をいただく事となったのだった。
「ありがとう。」
私は健太くんとすれ違い、浴室に入った。
私は他所様のお風呂に入り、しっかり温まると新しい服に着替えて浴室を出てサトちゃんたちのまつリビングに向かうと途中通路で健太くんが待っていた。
「坂梨さん…妹の我儘に突き合わせたせいで…こんな形で家に来てもらうことになって、昔迷惑かけたのにまた……ごめん。」
「ううん。大丈夫です。」
「坂梨さん…妹わ悪気はないんだ。」
「はい、わかってます。」
私は笑顔で返すと、健太くんがうつむいて…拳をつくったその手は震えていた。
「健太くん?」
「坂梨さん…妹は僕の恋の応援しているつもりのようで、今日の水族館も、妹が気を利かせての事で…」
「ん?恋?」
「その…僕と付きあってくれないかな?」
「えっ?」
「だから、好きです!付き合ってください!」
私は思わず口を両手で覆った。
なぜなら心臓がバクバクで、嬉しくて泣きそうになっていて…声が震えてうまく言葉が出せないから、私は「はい」の代わりに縦に強く頷いた。
でも、直後私の頭は冴えてきた。
何故なら私の背中には、両親が悲しんだほどに、長く伸びる傷痕が今もしっかりのこっているのだ。
「健太くん、1つ大切な事があるの。」
「うん。」
私は頭が冴えた分、途端にスムーズに言葉が出てきた。
「付き合えば…いつか私の背中を見る事があると思うの。」
「はっ?何いってんの?」
健太くんは途端に赤面。だけど私は真剣だから話を続けた。
「もしも気持ち悪いと思うなら、その時は私を振ってくれていいから。理由はなんとでもつくってくれたらいいし。」
私はついに言ってしまった。
付き合う前に破局か?
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その背後にはサトちゃん母とサトちゃんがいるとも知らずに…。
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