赤羽根の白魔導士

Remi‘s World

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✼••┈第10話┈••✼ 後半(蘇生)

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「ナオ様! アレイラ帝国軍が進軍を開始しました」 

 防壁の見張りを行っていた兵士からそう報告を受けた私は、その兵士に指示を送った。

「魔法兵は攻撃魔法を、弓兵はバリスタを使って破壊槌の破壊を試みなさい。交戦出来る距離に近づいたら、近接戦で対処すること」
「はっ」

 兵士は兵士長と宮廷警護団の団員へ私の指示を伝えるために走った。

「今日、来たか……」

 こちらの都合が悪い時を狙ったかのような攻撃、間諜がいるのではないかと思うほどの手際の良さだ。考察はこの程度に納めておこう。今は、アレイラ帝国軍の攻撃を乗り越えることに集中しなければ。

✼••┈┈••✼••┈┈••✼

 アレイラ帝国兵の進軍が伝えられてから、二時間、施術室に負傷者が運び込まれるようになった。
 私は負傷者の状態を診る。
 弓兵の腕が引きちぎれそうな状態になっている。バリスタの矢に腕がかすってしまったのかもしれない。

「魔法陣内に横たわらせてください」

 指示通りなったことを確認した後、私は蘇生魔法を唱えた。
 私の詠唱に合わせて魔法陣が青白く眩い光を放つ。

「い、痛みがない!」
「怪我が、一瞬にして治った! お前、戦えるか?」
「はい! 戦えます」

 光が治まると弓兵の腕は完治し、直ぐに前線へと戻っていった。
 魔法陣は正常に機能している。複数人同時の治療も上手くいっている。
 しかし、 治療が終わっても、次、また次の――、と負傷者が施術室へ運び込まれてくる。アレイラ帝国軍との戦闘の激しさを物語る。 

「あの、戦況はどうなっていますか?」

 私は治療した兵士に訊く。

「ナオ様のおかげで、兵力を賄えています。いくつかの破壊槌の破壊にも成功していますし、一日持ちこたえることが出来るのではないでしょうか」
「そうですか。よか――」

 兵士に外の現状を聞いている時だった。
 外から強い魔力を感じる。
 私は外へ出て、空を見上げた。戦地の方に爆炎があがっている。

「何が起こっているの!?」
「見てきます!」

 私は壁外の様子を見るよう兵士に命じた。
 彼は、様子を見ると、直ぐに戻って来た。

「敵が合体魔法を無差別に放ったようです。双方に負傷者が出ています」
「えっ!アレイラ帝国軍は!?」
「自軍に負傷者が出ても動じていません。捨て身の作戦だと思われます」
「なんですって!歩けない負傷者をここへ運ぶよう補給兵と村人たちに伝えなさい!」
「はっ!」

 合体魔法が放たれてから負傷者は一気に膨れ上がった。
 施設内では収まらず、敷地から溢れ、行列が出来るほどに。
 この様子だと、私たちは劣勢に追いやられしまうだろう。

(急いで立て直さなきゃ)

 負傷した兵士を回復魔法で癒す作業が絶えず繰り返された。
 この様子では、アレイラ帝国軍にトナナ村へ突入されてしまう。早く負傷者を癒さなければ。

「あれを、使う時か……」

 私は治療を止め、研究室に入り、“いにしえの薬を一錠飲み込んだ。自分の中にある聖属性の魔力がみなぎって来る。
 怪我人を回復し続け、疲弊していた私の魔力が回復してゆくのが感じられる。

(いにしえの薬を実戦で使うのは、これが初めてだ)

 効果はどれくらい続くのだろうか。短い時間だと困るため、私は薬を革のポーチに入れ、研究室を出た。
 施術室に行き、先ほどと同じ様に白魔法を唱えた。

「傷が塞がった!」
「効力があるのは魔法陣の上にいる者と聞いていたのだが」
「治ったんだったらどうでもいいだろ。外にある武器を貰って、戦いに戻るぞ」

 いにしえの薬を服用すると、白魔法の効果がはね上がり効果が施術室全体まで広がるようだ。室内で順番を待っていた兵士たちの怪我も完治している。
 彼らは外にある武器を拾い、戦いへと戻ってゆく。
 外にある武器は、負傷した者たちの身体に突き刺さっていたものだ。ご自由に使って下さい、と言わんばかりに放置されている。皆、それを拾って戦いに戻っているようだ。

「負傷兵たちを、この部屋に詰めて下さい!」

 私は補給兵に指示をし、負傷兵を施術室に詰めた。
 回復魔法を唱えると、施術室内に白い光が溢れ、兵士たちの怪我が癒えてゆく。
 これが、いにしえの薬の力。私は二度目で薬の効力を体感した。

(これなら、巻き返せる)

 いにしえの薬のおかげで怪我人を前線へ復帰させるペースが明らかに早くなった。
 あっという間に合体魔法を受けた者たちの治療は終わり、殺傷などの怪我人が運ばれるようになった。
 次第に、怪我人が運ばれてくる間隔も長くなってゆき、戦いが拮抗してきたのだと私は感じた。
 緊張の糸が切れたせいなのか、私の意識が一瞬途切れた。同時に自分の内にある聖魔力が弱まった感覚があった。

(薬が、切れたのか……)

 いにしえの薬の効果が切れた。飲んでから三時間ほど経過している。

(思ったよりも効果時間は短い)

 私はポーチから薬を取り出し、飲み込んだ。
 効果を切らさないためには、三時間ずつ服用してゆけばいいというわけか。この状態であれば、魔力回復薬を服用しなくてもいいようだ。後は、効果が切れたあとの反動だけれど、それは戦いが終わった後で経験するだろう。

「ナオ様!」
「……な、なんでしょう」
「敵軍が破壊槌を使用し、防壁の突破を試みております」
「そうですか」

 不意に私を呼ぶ声が聞こえた。
 私を呼んでいたのは連絡兵で、戦況が悪くなったと伝えに来てくれたのだ。ただ、私が反応した時にほっとしたのが気にかかる。もしかして、一瞬だと思っていたけれど、数分意識が飛んでいたのだろうか。

「……宮廷警護団と兵長はどのような指示を送っていますか」
「『破壊槌』の破壊とその付近のアレイラ帝国兵を集中して攻撃せよと命じています。ですが、向こうも死守しており、苦戦しております」

 私は研究施設の外へ出た。
 離れたところから、がこん、という衝突音が聞こえてくる。きっと、破壊槌が門を破壊しようとしている音だ。
 宮廷警護団員と兵士長はそれを止めようと、必死に抵抗してくれている。
 けど、連絡兵を私に寄こすほどだ。怪我人を運ぶ補給兵まで戦闘に回さなければならないほど、ひっ迫していることが予想される。

「私がそちらへ向かいます」

 私は、運ばれて来た複数の負傷した兵の様子を見た。
 皆、すぐに死に至るものではない。
 そう判断した私は、兵士たちに待機するよう命じ、研究施設に行き、癒しの杖と復活の杖を手に取ると連絡兵の案内のもと、音の聞こえる防壁へと向かっていった。

✼••┈┈••✼••┈┈••✼

 防壁には兵士たちが集まっており、宮廷警護団員と兵士長が彼らに指示を送っている。

「ナオ副団長!」
「ナオ様、来てくださいましたか」

 皆が私の方を一斉に見た。彼らには疲労の顔が見える。
 戦況は悪い方向へ向かっているようだ。

「ここで療してゆきます。施設まで運んでいた補給兵も戦線へ回ってください」
「はっ」
「よし、夜まで持ちこたえたんだ。あいつらが撤退するまでやってやるぜ!」

 私が皆の前に駆けつけたことで、士気が高まった気がする。

「まずは、負傷した兵士たちを癒します!ここにはいますか?」

    まず、私は兵力の回復を行うことにした。
 利き腕を斬られた兵士や、片足を骨折し支えなしで歩けなくなった兵士などが私の前に現れた。
 私は回復魔法を詠唱し、彼らを瞬時に癒した。

「怪我人はここに運べばいいか?」
「いいえ、私は防壁の上に登りますので、戦いに注力してください」
「ナオ様、ですが……」
「防壁を突破されては、すべてが終わりです」
「分かりました。ナオ様の指示に従います」
「俺たちも副団長についてくぜ」

 兵士長と宮廷警護団の説得を終えたところで、私は防壁の上へ登った。

(死体の山だ……)

 私は真下を見下ろした。
 防壁の前は敵味方の死体で埋め尽くされている。死体が味方であるかは軍服で見分けることができるが、間違って敵兵を蘇生させないよう気を付けなくては。
 私は、”復活の杖”を掲げ、蘇生魔法の詠唱に入った。
 この杖はギルドにいる頃に使っていた杖だ。いつも使っている”癒しの杖”とは違う範囲回復の特性を持っている。その特性がこの状況には都合がよいため持ち替えた。

(まずは――)

私は杖を死体の山へ向けた。
復活の杖の特性で味方と判別した者のみが蘇生してゆく。
いにしえの薬で効果を上げているせいなのか、怪我の状態を確かめなくても味方が次々と生き返っていった。

「ナオ様!」

 弓兵が私に近づく。
 蘇生魔法を中断し、私は彼へ意識を向けた。

「仲間を蘇生してくださり、ありがとうございます。ですが――」
「……それだけでは、この場を切り抜けるのは難しいですか」

 私の発言に弓兵は頷いた。

「バリスタでの破壊を試みたのですが、弾かれてしまうのです」
「弾かれる……」
「魔法兵の話ですと”防御魔法”というものがかけられているとか」
「”防御魔法”……」

 バリスタの矢を弾く程の強度を持った防御魔法が付いている?
 私は弓兵の発言に疑問を持った。
 防御魔法で物体の強度を上げるには幾重もの魔法の”重ね掛け”が必要だ。そして、あの魔法は”土”の適性を持った者が得意な魔法だったはず。
 戦争では主に攻撃魔法が扱える火や風の魔導士が前線に配置されることが多く、次に火の魔法を弱体化させることのできる水の魔導士が配置される。他は軍師の作戦による、といったところだ。
 土の魔導士は地形を操作する程度にしか使われないため、作戦前に利用されることが多い。前線に配置されることは滅多にないのだ。まあ、聖魔法一極である私も本来なら後衛にまわる魔導士だが。

「朝方はバリスタで破壊することが出来ていましたよね」
「はい。なので、同じ手法を使った次第です」
「そうですか」

 朝方はバリスタを使い、いくつかの破壊槌を無力化させることが出来ていた。
 それが出来なくなっているということは、どこかのタイミングで防御魔法を重ね掛けしたのだ。
 どこで――、いや、推測はここまでにしておこう。
 今は、トナナ村の門を突破しようとしているアレイラ帝国軍の破壊槌をどうにかしなきゃ。

「魔法攻撃は試してみましたか?」
「はい。ですが、あの通りです」

 バリスタよりも強力な魔法兵を使っても、壊すことが出来なかった。
 エレナ団長や黒魔法を扱う宮廷警護団だったら、防御魔法を突破出来たかもしれない。要するにここにいる魔術兵では火力が足りないのだ。

「まずは私の魔法で戦力を戻します。安定してきてから対策を練りましょう」
「はっ」
「あなたたちは、後ろに控えているアレイラ帝国兵を撃ちなさい」

 弓兵に指示を送った私は、味方兵の蘇生を再開する。
 蘇生に意識を向けつつ、頭の片隅で破壊槌を無力化させる方法を探していた。

(破壊は今の戦力では不可能、だから宮廷警護団員や兵士長は、破壊槌の近くにいるアレイラ帝国兵を集中して攻撃する方法に移した)

 正しい判断だと思う。私も同じ指示を兵士にしていただろう。
 けれど、圧倒的な兵数の前ではいずれ崩される。
 弓兵の言う通り、別の作戦が必要になってくる。

「……終わった」

 外の兵士は一通り癒した。破壊槌の猛攻を押しとどめるほどには回復したと思う。
 私が城外の兵士を癒したおかげで戦況が良くなったのか、命令が飛び交っている。

「ナオ副団長!」

 私が降りてきたことに気付いた宮廷警護団の一人が声をかけてきた。

「戦況は良くなった?」
「前よりは……、ってとこだな。でも時間稼ぎしか出来ないと思うぞ」

 宮廷警護団員の発言からして、アレイラ帝国軍を撤退させるには別の作戦を立てるしかなさそうだ。

「別の作戦を立てていたりするのですか?」
「それがな……、考えてる余裕がない」
「兵士を蘇生しながら考えていたことがあるのですが……」

 前線で戦っている者たちはアレイラ帝国軍の猛攻を防ぐことで精いっぱい。
 策を練る余裕すらないみたいだ。だから、弓兵が蘇生魔法を遮ってまで私に相談したのだろうけど。
 作戦が無いのであれば……。私は、考えの全容をその団員に話した。

「なるほどなあ」
「すぐに実行に移したいと思うのですが、この作戦をすぐに周知させることはできますか?」
「内容を聞く限り、撤退させるタイミングを計ればいいんだろ? それは俺がやる。ナオ副団長はそれが出来る魔導兵を集めてくれ」
「分かりました。魔法兵が揃い次第、実行します」

 あの団員に伝えておけば、全容は分からずともこちら側の被害を抑えてくれるだろう。

「すぐ行動に移さなきゃ」

 私は考えた作戦を決行するため、魔法兵を集めに駆けた。

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