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幕開けのツリーハウス
この熱、不可抗力につき※
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僕は、順調なツリーハウス生活を楽しんでいた。
ジルさんの美味しい料理を食べて、授業を受けて、リハビリを重ねてもだんだん息が上がることもなくなった。
掴まり立ちの練習も増やした。
最後にはその腕に着地してしまうが、逞しい腕なので大丈夫だろうと思い切り倒れ込む。
ジルさんが根気強く付き合ってくれたおかげで、何かにつかまりながらであれば歩くこともできるようになった。
ジルさんが何時に起きているのかは未だに判明していない。理由は、僕が目を覚ました時には既に横に居らず、美味しそうな朝食をこれでもかという量毎日作ってくれているからだ。
ジルさんはその器用な手で杖も作ってくれた。
よく老人が使っているようなやつよりも少し長くて、握る部分の15センチほど上部には前腕を支えられる輪っかのようなものがついている。安定感があってとても心強い。
気持ちの良い風と日光を感じたくて、よく外を散歩する。
風呂も、本当はもう1人で入れるようになってきているが背中は上手に洗えないし転倒しては大変だということで、未だにジルさんの監督つきだ。
幸せだなあと思っていても毎日それを上回る幸せを与えられて、本当にこれは僕の人生なのか分からなくなることもある。
しかし平穏であることに変わりはない。
なにもかも非常に順調だった。
5日目までは。
大変困ったことが起きてしまった。
ツリーハウス生活6日目、夜。
言っておくが、僕は地下室で約2ヶ月間、毎日メガネ男から性の処理を施されていた。毎日だ。
だからこれは決して僕が節操なしだからとか、ましてやジルさんに欲情したとかではない。
毎日欲を発散していた人間が、急にそれが途絶えたことによる副作用、というか普通に生理現象だ。
むしろ6日間よく耐えたと賞賛して欲しい。
風呂で背中を擦られている時、今まで全くそんなことなかったのに急に地下室での感覚が肌をよぎったのだ。
ジルさんに、はしたないものを見せたくない一心でその場は根性で気持ちをおさめたのだが・・・
午後9時40分前後。ツリーハウス寝室。
諏訪秋雄、欲求不満です。
風呂上がり、「階段はまだ危険だから」といつものように安定感のある足取りで運ばれ、ベッドに座らされた。
現在ジルさんシャワー中。
今のうちになんとかせねば、と思うが、なんとお手洗いはシャワー室のお隣にある。
そろ~っと行くにしても足がまだ思うように動かないので、万が一転倒でもしたらまたジルさんが騒がしく駆けつけて来てしまう。
さすが木の国、資源が豊富だからかわからないが、ティッシュはとっても質が良くて柔らかくて、鼻を噛む時も赤くならない。
ティッシュ、目の前にたくさんあるけれど。痕跡を残すのも気が引ける。
何よりここは人んちだ。「簡易的な拠点」とジルさんは言っていたけど、人様のプライベート空間であることに違いはない。そんな場所で自慰など出来るはずがない。
でもどうする。チャンスは今しか無いぞ。
いや、でも・・・
悶々と考え込んでいるうちに、水も滴る良い男が上がってきてしまった。
「どうしたアキオ、顔が少し赤いようだぞ?まさか、熱でもあるのか!?」
上がってくるやいなやジルさんが駆け寄ってきて僕の肩を掴む。
そうじゃない。ジルさんそうじゃないんです。
あなたが純粋に心配をしてくれている男は、こんなにはしたない下半身をしているんです。人の家の寝室で発情してしまう下劣な男なんです。
なんだかジルさんが不憫だ。
申し訳ないのと、シャワーから上がってくるのが思いの外早くて恨めしいのと、体の中心部分がいうことを聞かないのとで感情が迷子になってしまう。
おでこに手を当てて来たり、両手で頬を包みながら親指で目の下を柔らかく引っ張って『あっかんべ』されたり、首の後ろを押されたり、くまなく触診される。
こんなに真剣に心配してくれて、下手に隠して結局バレて色々と恥ずかしい思いをするより、これはもう自己申告をした方が無難なのではないかと思い立った。
そうだ、これはいけないことでも何でもない。男として当たり前の事だ。
開き直った僕が紙とペンを取ろうと決心した時、ジルさんの視線は、既に僕のそこに向いていた。
「あぁ」
納得の声をあげるやいなや、隣に腰掛けてきたジルさん。
もじもじしている間に悟られるなんて、一番恥ずかしいやつだ。
「なるほどそういうことか」
それまで焦りを含んでいたジルさんの態度に安堵が浮かび、こちらを向いて幼い子供に言い聞かせるようにこう説く。
「アキオ、恥ずかしがることはない。
今まで気付かずすまなかった。私がずっとそばに居たのではやりづらかったろう。言い出せなかったんだな」
全て洗いざらい言い当てられて心の中を剥き出しにされる。非常にマニアックなプレイとしか思えない。今、かなり羞恥に耐えているのだけどジルさん気づいてる?
しかし背に腹は変えられん。
ジルさんも男だ。気持ちは痛いほどわかってくれるだろう。
悩みつつもひとつと頷くと、
「1人で出来るか?」
と聞かれる。
もちろんできます。むしろ1人でさせて下さい、という思いを込めて、大きく大きく頷いて肯定の意を示した。
「そうか。これはいくらでも使うといい。
私は少し夜風に当たってくる」
と言い残して僕にふわふわティッシュを寄越し、ジルさんは階段を降りて外に出て行ってしまった。
え?ちょっと、ここでするんですか?
待ってくれ。トイレかシャワーに連れて行ってくれるものだとばかり思っていた。
でもこの状況では前屈みでしか歩けなさそうだし、階段を下るには転倒リスクがかなり高い。
ジルさんもいつ戻って来てしまうか定かでない。
早いとこ治めてしまおうと思い、ズボンを脱いで下着をずらし、その熱に触れる。
自分でするのはいつぶりだろうか。
2ヶ月間ずっと他人にされていたから、感覚が思い出せない
なんてことは全く無く、久しぶりの刺激に僕の体は面白いほどの反応を見せ、数回の扱しごきであっという間に達してしまった。
ジルさんの寛大な心遣いをたった一瞬で弾けさせた自分に哀れみを送りながらも、外で寒さに耐えているかもしれない彼を思う。
多分2階から窓を開けて何か音を鳴らせば気がついてくれるはず。
寒いから早く中に入らなくちゃ風邪を引く。
でもちょっと待てよ。
あまりに早すぎて、ジルさんに笑われるかも。
アキオ、もう終わったのか、早かったな。
もしそんなこと言われたら、恥ずかしすぎて立ち直れないかもしれない。
もうちょっと寒いの我慢してもらおうかな。ジルさん頑丈だし。いやでもそんな、我慢させてまで自分のプライドを守ろうなんてそれこそ自分勝手というもの。
さてどうしたものか。
と頭を抱えながら、心地の良い高級ふわふわティッシュで自分のものを拭いていると、役目を終えて頭を跨げたはずのそれが不穏な反応を見せだした。
慌てて手を退け観察していると、あれよあれよと硬度を増して、つい先程と全く同じ状態に逆戻りしてしまった。
6日ぶりの熱は一度では治まってくれないようだ。
こんなの経験したことがなくてどうしていいのかわからない。
おぼつかない手で再び刺激を送ってみるが、出したばかりのそれがすぐに熱を放ってくれることはない。もどかしさを自らの手で生み出してしまうばかりだった。
どんな触り方をしても、なんだかかゆいところに手が届かない感じがする。両手を使ってみても快感が倍になるわけじゃない。
どうしようもなく体が疼く。何か、もっと決定的な刺激が欲しい。
夢中になりすぎて、ジルさんが既に帰宅していて、階段を登って来ていることに気づかなかった。
「すまない!
まだだったか。少し早過ぎたようだ。出直そう」
いきなり響いた声に驚きはするが、ジルさんの姿を見たところで、羞恥よりももの欲しさが勝ってしまう。
はしたない姿を見られてとてつもなく恥ずかしいのに、手はゆるゆると動いてしまう。もっと、もっと欲しい。
ジルさんの美味しい料理を食べて、授業を受けて、リハビリを重ねてもだんだん息が上がることもなくなった。
掴まり立ちの練習も増やした。
最後にはその腕に着地してしまうが、逞しい腕なので大丈夫だろうと思い切り倒れ込む。
ジルさんが根気強く付き合ってくれたおかげで、何かにつかまりながらであれば歩くこともできるようになった。
ジルさんが何時に起きているのかは未だに判明していない。理由は、僕が目を覚ました時には既に横に居らず、美味しそうな朝食をこれでもかという量毎日作ってくれているからだ。
ジルさんはその器用な手で杖も作ってくれた。
よく老人が使っているようなやつよりも少し長くて、握る部分の15センチほど上部には前腕を支えられる輪っかのようなものがついている。安定感があってとても心強い。
気持ちの良い風と日光を感じたくて、よく外を散歩する。
風呂も、本当はもう1人で入れるようになってきているが背中は上手に洗えないし転倒しては大変だということで、未だにジルさんの監督つきだ。
幸せだなあと思っていても毎日それを上回る幸せを与えられて、本当にこれは僕の人生なのか分からなくなることもある。
しかし平穏であることに変わりはない。
なにもかも非常に順調だった。
5日目までは。
大変困ったことが起きてしまった。
ツリーハウス生活6日目、夜。
言っておくが、僕は地下室で約2ヶ月間、毎日メガネ男から性の処理を施されていた。毎日だ。
だからこれは決して僕が節操なしだからとか、ましてやジルさんに欲情したとかではない。
毎日欲を発散していた人間が、急にそれが途絶えたことによる副作用、というか普通に生理現象だ。
むしろ6日間よく耐えたと賞賛して欲しい。
風呂で背中を擦られている時、今まで全くそんなことなかったのに急に地下室での感覚が肌をよぎったのだ。
ジルさんに、はしたないものを見せたくない一心でその場は根性で気持ちをおさめたのだが・・・
午後9時40分前後。ツリーハウス寝室。
諏訪秋雄、欲求不満です。
風呂上がり、「階段はまだ危険だから」といつものように安定感のある足取りで運ばれ、ベッドに座らされた。
現在ジルさんシャワー中。
今のうちになんとかせねば、と思うが、なんとお手洗いはシャワー室のお隣にある。
そろ~っと行くにしても足がまだ思うように動かないので、万が一転倒でもしたらまたジルさんが騒がしく駆けつけて来てしまう。
さすが木の国、資源が豊富だからかわからないが、ティッシュはとっても質が良くて柔らかくて、鼻を噛む時も赤くならない。
ティッシュ、目の前にたくさんあるけれど。痕跡を残すのも気が引ける。
何よりここは人んちだ。「簡易的な拠点」とジルさんは言っていたけど、人様のプライベート空間であることに違いはない。そんな場所で自慰など出来るはずがない。
でもどうする。チャンスは今しか無いぞ。
いや、でも・・・
悶々と考え込んでいるうちに、水も滴る良い男が上がってきてしまった。
「どうしたアキオ、顔が少し赤いようだぞ?まさか、熱でもあるのか!?」
上がってくるやいなやジルさんが駆け寄ってきて僕の肩を掴む。
そうじゃない。ジルさんそうじゃないんです。
あなたが純粋に心配をしてくれている男は、こんなにはしたない下半身をしているんです。人の家の寝室で発情してしまう下劣な男なんです。
なんだかジルさんが不憫だ。
申し訳ないのと、シャワーから上がってくるのが思いの外早くて恨めしいのと、体の中心部分がいうことを聞かないのとで感情が迷子になってしまう。
おでこに手を当てて来たり、両手で頬を包みながら親指で目の下を柔らかく引っ張って『あっかんべ』されたり、首の後ろを押されたり、くまなく触診される。
こんなに真剣に心配してくれて、下手に隠して結局バレて色々と恥ずかしい思いをするより、これはもう自己申告をした方が無難なのではないかと思い立った。
そうだ、これはいけないことでも何でもない。男として当たり前の事だ。
開き直った僕が紙とペンを取ろうと決心した時、ジルさんの視線は、既に僕のそこに向いていた。
「あぁ」
納得の声をあげるやいなや、隣に腰掛けてきたジルさん。
もじもじしている間に悟られるなんて、一番恥ずかしいやつだ。
「なるほどそういうことか」
それまで焦りを含んでいたジルさんの態度に安堵が浮かび、こちらを向いて幼い子供に言い聞かせるようにこう説く。
「アキオ、恥ずかしがることはない。
今まで気付かずすまなかった。私がずっとそばに居たのではやりづらかったろう。言い出せなかったんだな」
全て洗いざらい言い当てられて心の中を剥き出しにされる。非常にマニアックなプレイとしか思えない。今、かなり羞恥に耐えているのだけどジルさん気づいてる?
しかし背に腹は変えられん。
ジルさんも男だ。気持ちは痛いほどわかってくれるだろう。
悩みつつもひとつと頷くと、
「1人で出来るか?」
と聞かれる。
もちろんできます。むしろ1人でさせて下さい、という思いを込めて、大きく大きく頷いて肯定の意を示した。
「そうか。これはいくらでも使うといい。
私は少し夜風に当たってくる」
と言い残して僕にふわふわティッシュを寄越し、ジルさんは階段を降りて外に出て行ってしまった。
え?ちょっと、ここでするんですか?
待ってくれ。トイレかシャワーに連れて行ってくれるものだとばかり思っていた。
でもこの状況では前屈みでしか歩けなさそうだし、階段を下るには転倒リスクがかなり高い。
ジルさんもいつ戻って来てしまうか定かでない。
早いとこ治めてしまおうと思い、ズボンを脱いで下着をずらし、その熱に触れる。
自分でするのはいつぶりだろうか。
2ヶ月間ずっと他人にされていたから、感覚が思い出せない
なんてことは全く無く、久しぶりの刺激に僕の体は面白いほどの反応を見せ、数回の扱しごきであっという間に達してしまった。
ジルさんの寛大な心遣いをたった一瞬で弾けさせた自分に哀れみを送りながらも、外で寒さに耐えているかもしれない彼を思う。
多分2階から窓を開けて何か音を鳴らせば気がついてくれるはず。
寒いから早く中に入らなくちゃ風邪を引く。
でもちょっと待てよ。
あまりに早すぎて、ジルさんに笑われるかも。
アキオ、もう終わったのか、早かったな。
もしそんなこと言われたら、恥ずかしすぎて立ち直れないかもしれない。
もうちょっと寒いの我慢してもらおうかな。ジルさん頑丈だし。いやでもそんな、我慢させてまで自分のプライドを守ろうなんてそれこそ自分勝手というもの。
さてどうしたものか。
と頭を抱えながら、心地の良い高級ふわふわティッシュで自分のものを拭いていると、役目を終えて頭を跨げたはずのそれが不穏な反応を見せだした。
慌てて手を退け観察していると、あれよあれよと硬度を増して、つい先程と全く同じ状態に逆戻りしてしまった。
6日ぶりの熱は一度では治まってくれないようだ。
こんなの経験したことがなくてどうしていいのかわからない。
おぼつかない手で再び刺激を送ってみるが、出したばかりのそれがすぐに熱を放ってくれることはない。もどかしさを自らの手で生み出してしまうばかりだった。
どんな触り方をしても、なんだかかゆいところに手が届かない感じがする。両手を使ってみても快感が倍になるわけじゃない。
どうしようもなく体が疼く。何か、もっと決定的な刺激が欲しい。
夢中になりすぎて、ジルさんが既に帰宅していて、階段を登って来ていることに気づかなかった。
「すまない!
まだだったか。少し早過ぎたようだ。出直そう」
いきなり響いた声に驚きはするが、ジルさんの姿を見たところで、羞恥よりももの欲しさが勝ってしまう。
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