ある時計台の運命

丑三とき

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幕開けのツリーハウス

この熱、不可抗力につき※

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刺激が足りなくて、慰める手を止めることができないところを、まじまじと見られている。
僕の様子に、ジルさんは

「ん?」

と訝しげに近づいてくる。
おいおい、何で来るのよ。頼むからそれ以上近づかないで欲しい。
こんな姿見せたくない。せめて背でも向ければいいのに、もう頭が回らない。

目の前まで来てしまったジルさんはその場にしゃがみ込み、僕の顔を覗き込む。


「アキオ、うまくできないのか?」



ジルさんが近すぎて目を合わせられないので、彼がどんな顔をしているのかわからない。
感情の読めないその言葉に、力なく頷く。


「あまり良くないのか?」

はしたない僕を見ても、変わらず本気で心配をしてくれている。その様子に若干戸惑うが、本当のことなので頷くしかない。


「私が触れても良いか?」

これに関してはおいそれと首を縦に振ることが出来ず目を泳がせていると、ジルさんが隣に腰掛け、あろうことか僕のそれに触れてきた。

うろたえたのはほんの一瞬。
節ばってゴツゴツした大きな手があまりにも気持ち良くて、すぐに何も考えることが出来なくなってしまう。

触れられただけで、自分でするより数倍大きな快感が襲って来た。

「っはっ、」

口から荒い息が漏れる。恥ずかしくて息を止めようとすると、もっと変な息遣いになってしまう。


「アキオ、息を止めてはいけない」
ジルさんはもう片方の手で僕の唇をさすった。

「大丈夫だ。辛かったな、すぐに良くなる」

巧みな動きで根元から先までをしごいて責め立てられ、ずっと求めていたその刺激に腰がガクガクと震えた。

自分でも同じ場所を触ったはずなのに全く違う。
こんなことジルさんにさせて、下品な姿を見られて。
拒否したくて仕方がないのに、6日ぶりの体は至って正直に反応し、もっと確かな刺激を欲してしまう。


大きな手が先の太い部分とその下の境目を掠めた時、無意識に体が跳ね、頭がクラクラと揺らぎ、行き先を失ったかのようにジルさんの胸に寄りかかった。
口から吐く息でジルさんのシャツがそよぐ。その何でもない光景さえも美しいと感じる。


「ここが良いのか?」

近すぎる声が鼓膜に直接響き、脳味噌を介して全身に電流が走った。

もう、ここまできたら開き直ってやる。
ゴールは目前。
僕は快感を追い求めて何度も頷いた。

自分のものを触って汚れた手で、ジルさんの服にしがみつく。

そこをもっとやって欲しい。


僕のいいところを探るように、その部分の触り方を色々と変えながら僕の反応を観察する様子はさながら研究者。
大きな掌で包み込むように先の方をこねくり回され、長い指先で余った部分をサワサワと撫でられると、声にならない声がなんども細く漏れ出て、自身の限界を知らせる。

「これが良いのだな。アキオ、たくさん出てきている。その調子だ」

部活じゃないんだからそんな褒め方されてもモチベーションなど上がらない。
というかさっきからジルさんが僕の痴態を実況するもんだから、恥ずかしいったらありゃしない。

「これはどうだ?」

その「たくさん出てきているもの」をこすりつけられ、滑りの良くなった先端をにぎにぎと揉み込まれる。
途端、脳でパチパチと何かが弾けるような快感に支配された。

「っふっ・・・は、ん」

何が何だかわからなくなって、目の前の胸に身をゆだねる。声が出ないことが唯一もどかしい。

扱いているのと反対の腕で抱き込まれ、頭を撫でられ、まるで全身を愛でられているかのような錯覚に陥る。

「大丈夫、何も考えなくていい。
もう少し強くするぞ?」

ジルさんの手と自分の性器との間からくちゅくちゅといやらしい音が生まれ、近距離で甘く低く響く声に耳が痺れた。

「はっ、はっ・・・ふっ、ぅ」

「そうだ。我慢してはいけない」

ジルさんの手の中で果てる瞬間、言いようのない幸福が全身を支配する。

「んんんっ、はっ、ぁ、ぁ、はっ・・・!」

体がびくびくと勝手に震えるのが恥ずかしくて、ジルさんの胸に思い切り顔を押しつけてしまった。
縋り付いているようで余計に恥ずかしいというか、冷静になった途端とっても気まずくなって顔も上げられない。


一度の自慰で二度の絶頂を迎えたのは生まれて初めてだ。感じたことのない脱力感と急激な眠気に苛まれる。


「アキオ、勝手に触れてすまなかった。このまま眠ってしまいなさい」

助けてくれたのに何故か謝るジルさん。汚いものを触らせてしまってごめんなさいと謝りたいのはこちらの方なのに、もうそんな力は残っていなかった。
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