ある時計台の運命

丑三とき

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王都

王の嘆願①

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「アキオ殿、怪我は無いか?」

「はい。すみません…」

ジルさんに抱え上げられた僕は、ベッドに逆戻り。
この一連の流れ、今まで何度やったことか…
気持ちを切り替えてもう一度姿勢を正し、改めて王様に向き直る。


「貴方に謝らねばならないことはそれだけでは無い。アキオ殿がこちらの世界に渡って来た理由も、そもそも時計台が開いた理由も未だ解明に至っていないのだ」

王様は眉を顰めたまま続ける。

「4日前、そちらの司令官から知らせを受けて時計台を入念に調べたところ、確かに2ヶ月半ほど前、開いた痕跡があった。
時計台はこの宮殿の東にあるのに、アキオ殿はなぜ王都から離れた場所で攫われていたのか。
なぜ召喚術の発動に気がつかなかったのか。
誰が召喚したのか。
再び異世界への扉が開く可能性はあるのか。
全く、何も分からない。正直お手上げだ」

4日前というと、僕がジルさんに異世界から来たことを打ち明けた日。ジルさんはおそらく精霊伝いに王様に報告したのだろう。報告を受けた王様は、その日からずっと時計台を調べてくれていたということだろうか。

「何も分からないままでは、また同じようなことが起きないとも言い切れない。それは即ち…国家の存亡に関わるのだ」

「国家の…そんなにおおごとになるのですか?」

「アキオ殿は、25年前に終戦を迎えたことはご存知か?」

「はい。ジルさんに教えてもらいました」

「その戦争が起きた理由だが、表向きには領土問題ということになっている。しかし真実は、『召喚術』を巡って始まった世界大戦だったのだ」

「魔術を巡ってというのは、どういうことでしょう…」

「約130年前に、召喚を試みた者たちが処罰されたことは?」

「それも知っています。民間人には召喚術が発動されていた事は伏せられていたって…」

「国民に虚偽など伝えたくは無いが、私が当時の王だとしても同じ判断をしたかもしれない。何せ召喚術は、各国の権力者が死に物狂いで手に入れようとしていた魔術だからな」

「なぜ、ですか?召喚術は禁忌の術だと聞きました。成功したとして、極刑に処されると」

ずっと僕の目を見ていた王様だったが、こちらの問いかけに一瞬逸らしたように見えた。

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