ある時計台の運命

丑三とき

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王都

王の嘆願③

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「僕に出来ることがあるのなら、なんでもさせてください」

「っ本当か」

勢いよく顔を上げた王様は、今にも泣きそうな顔をしていた。

「恥ずかしい話ですが、皆さんにこれだけ助けてもらっておきながら何をしたら恩返しができるのか分かりません。僕はこの世界のことをまだまだ知らないから。だから知りたいです。そして皆さんに恩返しがしたい」

「アキオ殿…ありがとう、本当にありがとうっ」

「それは僕が言うべき言葉です。
僕の存在なんて不安材料に他ならないのに、受け入れてくださって…それだけで嬉しいです。本当にありがとうございます」

それまで厳しい空気を纏っていた王様が、1人の青年の顔付きに変わった。
こんなに若いのに、王の仮面を被るのは想像を絶するほど大変だろう。
彼の額を流れる一筋の汗が、相当張り詰めていたことを物語っている。


「とはいえ、今分かっていることといえば『アキオ殿の世界とこちらの世界が繋がった』ということだけだ。つまり実質何も分かっていない。ひとまずアキオ殿にはこの世界のことを学んでもらい、私には貴方の世界のことを教えて欲しい」

「はいっ!分かりました。よろしくお願いします」

いよいよ王都での生活が始まる。
これからは今までみたいにダラけてはいられない。
ちゃんと働いて、この世界のことを勉強して、時計台のことも調べて…

「なに、そんなに気負わないでくれ。
戦後25年経った今、国の情勢はとても安定しているのだ。教育機関も増え、着実に平和に向かっている。
国家の存亡などと私が言ったせいで気を張ってしまったのだな。すまない」

無意識に肩に力が入っていた僕を見かねて、王様が優しく声をかけてくれた。

「いえ、実は王様にお会いする事が決まってからずっと緊張していて…いくら別の世界でも、一国の王様になんて普通では会えませんから」

「それもそうだな。
我々ウッデビア国は、貴方を正式に迎え入れる所存だ。危険が及ぶのを避けるため少し不自由をさせることもあるかもしれないが、王宮や軍城は我が家のように思ってくれて構わない。もっとリラックスして欲しいのだが」

「我が家…リラックス…?ここで…」

強すぎるワードの数々に慄きつつ幻聴ではないかと自身の耳を疑っていると、王様はさらに驚くことを言ってきた。
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