149 / 176
続編その②〜魔力練習編〜
20.※好きなように3※
しおりを挟む大きな手で腰を掴まれ持ち上げられる。くいっと少し浮かせれば、行き止まりだったはずの場所がフレイヤそんの陰茎を飲み込むようにうねりだし、さらに奥へ奥へと巨大な熱が深く侵入してくる。
「あああっ、あっ、っ!!」
律動が、僕の内臓全てを震わせる。
目の前の瞳は鋭さを保ったまま、けれどふやけそうなほどに濡れていて、僕の中の庇護欲をくすぐる。
「あっ、ハァ、あぁぁぁっ!おく、すごい……っ」
フレイヤさんが、僕のことを求めている。
「っはぁ、ハル、オミ……愛しているよ、んっ、ぁぁっ」
「ぁぁっ、ぼくも、だいすき、あぁぁっ、、あいしてる」
まさしく「貫かれている」という表現が厭らしいほど適切なこの感覚は、彼に自分の体の支配権を渡しているようでいたく興奮する。
けれど口付けはどこまでも優しく、唇の皺、味蕾のひとつひとつ、歯列の凹凸をたのしむようにじっくりと柔らかい舌が這った。
激しさも優しさも全て与えられて、体はついに限界を迎えた。
「ああっ、いく、んっ、んんんむっ」
たぶん、無意識のうちに既に何度か達しているんだろう、おへそに留まった液体がツ、と横腹を這えば、フレイヤさんの陰茎はさらに奥の深い部分を突きあげて、重なり合った二つの体を終わりへと導く。
「あぁぁっ、ハァッ、や、ああぁっ…!!」
体にかかる体重が、少しずつ少しずつ重くなっていく。荒い息が僕の耳にかかって、その愛おしさに思わず頭を抱きしめた。
「ふれ、や…さんも、いっぱいいけたね……」
絹糸みたいに柔らかい髪の毛を手で梳くと、彼はさらに深く顔を埋めて、僕の首にまとわりつくようにした。
ぎゅん、と心臓から音が鳴った。
「全く、君はそうやって私の良心をいつも壊してくる。とはいえ……自制が効かなかったのは他でもない私のせいだ。大切な時期に、こんな風に抱いてしまってすまない」
「もう、なんであやまるの……? ぼくとてもよかったのに。それにね、今日のフレイヤさんすごくすごくかわいかった」
「……私がかい?」
鳩が豆鉄砲を食ったような顔を向けてくるフレイヤさん。
「ああ、その顔もかわいい……」
両手で彼の顔を挟んで、親指でなめらかな頬をすりすりと触る。
「なんかね、フレイヤさんをあいしてるって気持ちが大きくなるほど、フレイヤさんを可愛いって思う気持ちが大きくなるみたい。どうしよう、この気持ち。どうしてくれるの」
フレイヤさんは猫のように僕の手に頬を擦り付ける。
「それは私も同じだよ。君が可愛くてたまらない。だからこそ大切にしたいという気持ちと、だからこそ酷くしてしまいたいという気持ちがないまぜになっている。君の方こそ、いったいどうしてくれるんだい?」
「ふふっ。フレイヤさんもいっしょ?うれしいなー」
「笑い事ではないんだよ? 本当に私の理性が効かなくなってしまったら、君はきっとこの部屋から一生出られない。私に閉じ込められて、私だけとしか口を聞けず、私だけとしか触れ合えない」
「それでもいいよ。フレイヤさんは僕をきずつけることは、絶対にしないって知ってるもん」
ぽんぽん、と白銀を撫でれば、触れるだけの温かいキスが落ちてきた。
「でもね……しってる? そう思ってるのは、フレイヤさんだけじゃないよ。僕だって、フレイヤさんを抱きしめて、きつくきつくギュ~~ってして、このまま壊してしまいたいと思うことがあるの。……僕の力ではフレイヤさんはきっとびくともしないけど、それでもそう思ってしまうの」
この暴力的な気持ちが、果たして愛する人に対して向けていい種類のものかどうかをはかれずにいたけど……
「フレイヤさんも同じ気持ちなら、僕、こんなにうれしいことはないよ」
愛しい人の目に自分がうつっているという事だけで体が疼いて堪らなくなるのだから、相手が自分と同じ気持ちであることを再確認し続けているこの状況の中で、愛情が時として凶暴な形を持ってしまうのは、仕方のないことなのだろう。
その凶暴な気持ちも、互いにぶつけ合えば不思議なことに深い慈愛に変わってしまうということも、今まで全然知らなかった。
これは僕と彼が番になったからなのかな。それとも、愛情というもの自体、それほど複雑なものなのかな。
なんとか答えを出したいのに、難しいことを考えれば考えるほど、瞼が重くなってくる。
「ふふっ、眠そうだねハルオミ」
この可愛くて可愛くてたまらない笑顔を、いつまでも近くで見つめていたいな。
62
あなたにおすすめの小説
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
2度目の異世界移転。あの時の少年がいい歳になっていて殺気立って睨んでくるんだけど。
ありま氷炎
BL
高校一年の時、道路陥没の事故に巻き込まれ、三日間記憶がない。
異世界転移した記憶はあるんだけど、夢だと思っていた。
二年後、どうやら異世界転移してしまったらしい。
しかもこれは二度目で、あれは夢ではなかったようだった。
再会した少年はすっかりいい歳になっていて、殺気立って睨んでくるんだけど。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
拾った異世界の子どもがどタイプ男子に育つなんて聞いてない。
おまめ
BL
召喚に巻き込まれ異世界から来た少年、ハルを成り行きで引き取ることになった男、ソラ。立派に親代わりを務めようとしていたのに、一緒に暮らしていくうちに少年がどタイプ男子になっちゃって困ってます。
✻✻✻
2026/01/10 『1.出会い』を分割し、後半部分を『2.引き取ります。』として公開しました。
イケメンダブルセンターとアンチ>ファンな平凡な俺
ユッキー
BL
アイドルグループ【オーバーウェルミング】は圧倒的な歌唱力の深山影月、圧倒的なパフォーマンス力の漣陽太、そして圧倒的な平凡力な俺間桐真緒の3人で結成されている。
大人気の二人と違いアンチしかいない俺だが、メンバーからもファンからも愛される日が果たしてくるのか!?
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
中年冒険者、年下美青年騎士に番認定されたことで全てを告白するはめになったこと
mayo
BL
王宮騎士(24)×Cランク冒険者(36)
低ランク冒険者であるカイは18年前この世界にやって来た異邦人だ。
諸々あって、現在は雑用専門冒険者として貧乏ながら穏やかな生活を送っている。
冒険者ランクがDからCにあがり、隣国の公女様が街にやってきた日、突然現れた美青年騎士に声をかけられて、攫われた。
その後、カイを〝番〟だと主張する美青年騎士のせいで今まで何をしていたのかを文官の前で語ることを強要される。
語らなければ罪に問われると言われ、カイは渋々語ることにしたのだった、生まれてから36年間の出来事を。
過保護な父の歪んだ愛着。旅立ちを控えた俺の身体は、夜ごとに父の形で塗り潰される
中山(ほ)
BL
「パックの中、僕の形になっちゃったね」
夢か現か。耳元で囁かれる甘い声と、内側を執拗に掻き回す熱。翌朝、自室で目覚めたパックに、昨夜の記憶はない。ただ、疼くような下腹部の熱だけが残っていた。
相談しようと向かった相手こそが、自分を侵食している張本人だとも知らずに、パックは父の部屋の扉を開く。
このお話はムーンライトでも投稿してます〜
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる