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東の祓魔師と側仕えの少年
12.優しいアップルパイ①
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◆
思ったより時間がかかっちゃったけどお昼には間に合った。四角いアップルパイが6つ出来上がり、そのうち一つを味見。よし、ちゃんと美味しい。良かった。
後片付けをして、一応…お風呂に入った。ウラーさんがいないから全部一人でしなきゃいけない。お腹の中の浄化は、ウラーさんに貰ったこの石を当てればできるらしい。
掌サイズの平べったい黒い石をお腹に当てると、じんわり暖かくなってくる。ウラーさんがやってくれたのと同じ感覚だ。
本当に魔法の石なんだ。
あとは体を念入りに念入りに洗い……、あとは……
まさか生きているうちに自分で自分のおしりをいじる時が来ようとは。……やりたくないけど、でもウラーさんは大切だって言ってたしな。どうしよう、勇気が出ない。
僕は浴室に体育座りしたまま考え込んでしまったようで、体がだんだん冷え出した。
そろそろ出ないとフレイヤさんが帰って来ちゃ
——ガチャ
「ハルオミ」
………え。
「部屋にいないと思ったらここにいたのかい。そんなところに座り込んでいては風邪をひく。ほら、早く上がりなさい」
毛布を持って服のまま浴室に入ってくるフレイヤさん。濡れちゃうのに……あ濡れないんだった。
「わ」
彼がひゅっと指を一振りしたら体が一気に乾き、そのまま毛布に包んで抱き上げられる。
「フレイヤさん、僕自分で歩けるよ」
「いいからじっとしていなさい」
「はい」
ゆっくりと部屋に戻り、ベッドに降ろされる。フレイヤさんはクローゼットを物色し、下着とシャツとズボンを手に戻ってくる。そして僕の毛布を剥いでパンツを穿かせてきた。
「フレイヤさん、僕自分で服着れるよ」
「いいからじっとしていなさい」
「はい」
フレイヤさんなんか楽しそうだ。
僕にパンツをはかせた後にシャツを着せ、その後何故か真剣な眼差しでゆっくりとと太腿に手を這わせた。
ついに、始まろうとしている……
と意気込んだ矢先、何事も無かったかのようにズボンをはかせた。
ただの脚フェチなのかな…?
こうして、僕はフレイヤさんに服を着せてもらった。これじゃどっちが側仕えかわからない。
「ハルオミ、何だかとてもいい匂いがするのだけど」
あっ、そうだった! 忘れてた。側仕えの仕事をするのは後だ。まずは頑張ったフレイヤさんに甘いものを食べてもらおう。話はそれからだ。
「ちょっとフレイヤさん、ここにいて」
僕は台所に行き、バスケットに入れたお菓子を持ってフレイヤさんのもとへ急ぐ。
「フレイヤさん、午前のお仕事お疲れ様です。お口に合うか分かりませんが、これ僕からのプレゼント」
「これ……ハルオミが作ったのかい?」
「はい。台所に材料が揃っていたから……勝手に使うのダメかなって思ったんだけど、フレイヤさんが好きに使っていいって言ってくれたってウラーさんに聞いたから…よかった、ですか?」
もしダメだったら謝ろう。恐る恐るフレイヤさんの顔を見ると、なんとも読めない表情をしていた。
「あの、フレイヤさ…」
「ハルオミ、君という子は……っ」
「わ、ちょ、フレイヤさん、落ちちゃうよ」
突然フレイヤさんは僕を抱きしめてきた。危うくバスケットを落としてしまうところだった。苦言を呈すと腕から解放してくれたのだが、その代わり両手で頭を撫でてきた。
「私のためにこんな……なんていい子なんだ。今日は特別な日だね。私は今日という日を一生忘れないよ」
「大袈裟だよ……ねえ、それより早く食べて? 今ならまだあたたかいから」
頭を撫でくりまわすフレイヤさんを説得してバケットを差し出す。
「そうだね、早速いただくとしよう」
何とか説得できたらしいが、彼は一向に手を伸ばしてこようとしない。
「?」
なんだ。何待ち?
アイコンタクトを送ってみるも、ふっと微笑みを返してくれるだけ。これは……これは多分、
「はい、あーん……」
——ぱくっ
やはりそうなのか。
僕はひとつ取ってフレイヤさんの口の前に運んでみると、彼は何の躊躇いもなく齧ったのだ。
あ、なるほど、そっか。昨日は食べさせてもらったから、今日は僕が食べさせてあげる日なんだな。なんとなくシステムがわかってきたぞ。
「どう? 苦手な味じゃない? 大丈夫?」
フレイヤさんは目を見開いたまま固まって動かない。
も、もしかして口に合わなかったのだろうか。そんなに固まるほどまずかった!? やっぱ味覚が違うのかな。
思ったより時間がかかっちゃったけどお昼には間に合った。四角いアップルパイが6つ出来上がり、そのうち一つを味見。よし、ちゃんと美味しい。良かった。
後片付けをして、一応…お風呂に入った。ウラーさんがいないから全部一人でしなきゃいけない。お腹の中の浄化は、ウラーさんに貰ったこの石を当てればできるらしい。
掌サイズの平べったい黒い石をお腹に当てると、じんわり暖かくなってくる。ウラーさんがやってくれたのと同じ感覚だ。
本当に魔法の石なんだ。
あとは体を念入りに念入りに洗い……、あとは……
まさか生きているうちに自分で自分のおしりをいじる時が来ようとは。……やりたくないけど、でもウラーさんは大切だって言ってたしな。どうしよう、勇気が出ない。
僕は浴室に体育座りしたまま考え込んでしまったようで、体がだんだん冷え出した。
そろそろ出ないとフレイヤさんが帰って来ちゃ
——ガチャ
「ハルオミ」
………え。
「部屋にいないと思ったらここにいたのかい。そんなところに座り込んでいては風邪をひく。ほら、早く上がりなさい」
毛布を持って服のまま浴室に入ってくるフレイヤさん。濡れちゃうのに……あ濡れないんだった。
「わ」
彼がひゅっと指を一振りしたら体が一気に乾き、そのまま毛布に包んで抱き上げられる。
「フレイヤさん、僕自分で歩けるよ」
「いいからじっとしていなさい」
「はい」
ゆっくりと部屋に戻り、ベッドに降ろされる。フレイヤさんはクローゼットを物色し、下着とシャツとズボンを手に戻ってくる。そして僕の毛布を剥いでパンツを穿かせてきた。
「フレイヤさん、僕自分で服着れるよ」
「いいからじっとしていなさい」
「はい」
フレイヤさんなんか楽しそうだ。
僕にパンツをはかせた後にシャツを着せ、その後何故か真剣な眼差しでゆっくりとと太腿に手を這わせた。
ついに、始まろうとしている……
と意気込んだ矢先、何事も無かったかのようにズボンをはかせた。
ただの脚フェチなのかな…?
こうして、僕はフレイヤさんに服を着せてもらった。これじゃどっちが側仕えかわからない。
「ハルオミ、何だかとてもいい匂いがするのだけど」
あっ、そうだった! 忘れてた。側仕えの仕事をするのは後だ。まずは頑張ったフレイヤさんに甘いものを食べてもらおう。話はそれからだ。
「ちょっとフレイヤさん、ここにいて」
僕は台所に行き、バスケットに入れたお菓子を持ってフレイヤさんのもとへ急ぐ。
「フレイヤさん、午前のお仕事お疲れ様です。お口に合うか分かりませんが、これ僕からのプレゼント」
「これ……ハルオミが作ったのかい?」
「はい。台所に材料が揃っていたから……勝手に使うのダメかなって思ったんだけど、フレイヤさんが好きに使っていいって言ってくれたってウラーさんに聞いたから…よかった、ですか?」
もしダメだったら謝ろう。恐る恐るフレイヤさんの顔を見ると、なんとも読めない表情をしていた。
「あの、フレイヤさ…」
「ハルオミ、君という子は……っ」
「わ、ちょ、フレイヤさん、落ちちゃうよ」
突然フレイヤさんは僕を抱きしめてきた。危うくバスケットを落としてしまうところだった。苦言を呈すと腕から解放してくれたのだが、その代わり両手で頭を撫でてきた。
「私のためにこんな……なんていい子なんだ。今日は特別な日だね。私は今日という日を一生忘れないよ」
「大袈裟だよ……ねえ、それより早く食べて? 今ならまだあたたかいから」
頭を撫でくりまわすフレイヤさんを説得してバケットを差し出す。
「そうだね、早速いただくとしよう」
何とか説得できたらしいが、彼は一向に手を伸ばしてこようとしない。
「?」
なんだ。何待ち?
アイコンタクトを送ってみるも、ふっと微笑みを返してくれるだけ。これは……これは多分、
「はい、あーん……」
——ぱくっ
やはりそうなのか。
僕はひとつ取ってフレイヤさんの口の前に運んでみると、彼は何の躊躇いもなく齧ったのだ。
あ、なるほど、そっか。昨日は食べさせてもらったから、今日は僕が食べさせてあげる日なんだな。なんとなくシステムがわかってきたぞ。
「どう? 苦手な味じゃない? 大丈夫?」
フレイヤさんは目を見開いたまま固まって動かない。
も、もしかして口に合わなかったのだろうか。そんなに固まるほどまずかった!? やっぱ味覚が違うのかな。
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