【完結】眠れぬ異界の少年、祓魔師の愛に微睡む

丑三とき

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続編その①〜初めての発情期編〜

25.萌え要素

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ウラーさんも来てくれたことなので、気を取り直してあんこ作りを進めることにした。

鍋を洗ってもう一度水を替えて小豆を煮込んでいると、どんどんアクがでてくる。このアクは綺麗に取らなきゃいけないから鍋につきっきりになる。
この作業はアク掬いにハマったパネースさんに任せることにした。


続いて、手に入れた食材その3・大豆の調理に取り掛かる。

「平鍋でそのまま煎るのですね。油も不要なのですか?」

「うん。焦げないようにお願いねウラーさん」

「承知しました」

「煎り終わったら、このすり鉢に入れてすりつぶして欲しいの。じゃあ、粉砕はイザベラにはお願いしようかな」

「粉砕!いい響きだな、任せろ!」

手分けをしてそれぞれの工程に取り掛かって手を動かしている間にも、話をする口は止まらなかった。


「ウラーさん、今日予定があったんじゃないの?  イザベラが急に呼び出しちゃってごめんね」

「いえ、お構いなく。今日は家でゴロゴロぐぅたら食っちゃ寝しつつ、の~んびりゆっくり過ごす予定でしたので。久しぶりに」

ああ……これはちょっと根に持ってるわ。
確かに普段ビシッとスーツを着て完璧な執事業をしてたら、ぐうたらしたくなるのは当たり前だ。

「良かったらココでぐうたらしてよ。普段お世話になってるウラーさんをいたわる会にしよ」

「お、それいいな!  毎日世話になってるからな、今日は俺らが世話してやるよ!  どうする?  マッサージでもするか?」

真剣に豆を煎るウラーさんに向かって、イザベラは両手をワキワキと動かしながら無邪気に言う。

「遠慮しておきます。イザベラ殿に体を預けると碌なことになりそうにないので」

「なんだよソレ!  人聞きが悪いなあ」

そう唇を尖らせて、こしょこしょ、とフライパンを握るウラーさんに攻撃を仕掛けるイザベラ。

「!  ちょっと……!  気色の悪い手つきで脇腹を触らないでください、危ないでしょう」

反抗した反動でフライパンから大豆がこぼれるが、ウラーさんも立派な魔法使いなので浮遊させて器用に戻している。

いいなあ、僕もあんな感じに魔法使えたら料理ももっと捗るのに。
まあ、そこは着々と訓練するしかない。

それにしても、普段着でイザベラと戯れるウラーさん、ちょっと可愛いかも。
アク取り中のパネースさんも微笑ましそうに言った。

「ウラーさんにゆっくり過ごしてもらうのは賛成です。普段からたくさんお世話になっていますし、急に呼び出してしまったのはこちらですから、今日は執事であることは忘れてくださいね」

「そうだね。ウラーさん、自分の部屋だと思ってゴロゴロしてよ。何ならお昼寝する?」

「昼寝……ですか……そうですね、久しぶりにしてみたいですね」

ウラーさんが意外にも乗り気になってくれたことに嬉しくなり、今朝シーツを変えたばかりのベッドを指す。

「ぜひどうぞ!  お日様の匂いがすると思います……!!」

すると彼は意味深に笑い、

「ちなみに、昨夜は何回ほど?」

と聞いてきた。

「へ………?  ……あ、きっ昨日はしてないから!!  してないし、シーツも変えたばかりだから!」

「おやおや、お顔が赤くなっておられる。本当に?  あんなに甘いデートをされた夜にお二人が我慢できるとは思えません」

「で、できるよ!  まぁ……ずっとイチャイチャはしてたかもしれない……」

昨日は本当の本当に体を重ねてはいない。
けど、僕もフレイヤさんもお互いへの愛が少しずつ溢れて止まらない感じには確かになっていて、そこかしこに降ってくる口付けに微睡みながら眠った。
意識が途切れるまでずっとくっついてキスをしていた気がする。

セックスはしてないけど、フレイヤさんの顔がセクシーすぎてなんかちょっとエッチだった。

「ハルオミ、えろい顔してる」

「!?」

気がつけばイザベラにじぃーっと顔を覗き込まれていた。

「やっぱ盛り上がったのか……」

「し、してないよ本当だよ!」

「おや、怪しいですね~」

「パネースさんまで!」

年頃の僕たちは、こんな話題でもワイワイ楽しめる。ちなみに女性が存在しないこの世界では男女間のセクハラみたいな価値観は無いらしい。つまり、パネースさんは体の構造としては雌雄同体だけれど性別としては『男』に分類されるから、誰とでもこんなふうに男子校のノリで盛り上がれるというわけだ。

「でもよ、そんなこと言ったらウラーはどうなんだよ?  今日が休みってことは昨日はクールベさんと盛り上がったんじゃないのか?」

ナイス、イザベラ!
話題をウラーさんにすり替えた彼に心の中で拍手を送った。するとパネースさんもノって来た。

「そういえば、先ほどチラッと見えてしまいました。首元のソレ」

「ソレ?」

フライパンを握るウラーさんの襟元を僭越ながらくいっと引っ張って覗かせていただくと、小さな鬱血点が何個もあった。目で辿っていけば、鎖骨のあたりや、もっとその下の方にもたくさんありそうな予感がした。

「わぉ……」

これ知ってる、たまにフレイヤさんも僕に付ける。でもこんなにいっぱい……。何だかこっちが恥ずかしくなってくる。

「ハルオミ殿に脱がされる日が来るとは」

「!  ご、ごめん!つい」

無意識にウラーさんのシャツをはだけさせていたようで、慌てて戻す。

「豆はこのくらいでよろしいですか?」

綺麗に煎られた大豆を見て我にかえり、次の工程をイザベラにはバトンタッチする。腕まくりをして意気込んだイザベラと入れ替わるように、ウラーさんはふっと一息ついて言った。

「皆様のご想像通り、昨日は帰宅しておりましたので、おかげさまでそれはそれは盛り上がりました」

そうだった。彼は恥じらい皆無系男子だったんだ。
堂々としすぎていてカッコいいぜウラーさん。しかしそれだけではなく、

「この有様です」

と言って上の服を脱いで引き締まった上半身を曝け出した。

「「「!!!」」」

その無駄のない体には、数えきれないほどの小さな赤い斑点が咲いていた。

もしかして、普段のあのシャッキリとしたスーツの下はこんな状態だったこともあったりしたの……!?
そう考えるとちょっと……何だろうこの気持ち、可愛い、というだけじゃないもっと色々折り重なった感情。もしやこれが"萌える"という感情なのか!?

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