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いなり寿司
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まだ終わらない、恐怖の時間。
死の宣告かもしれない“何か”の発言を、刑を執行される囚人のような表情で待っていた。
「稲荷寿司」
「え……?」
どっちの声かはわからないが、小さく声が漏れた。
「稲荷寿司」
二度言われた。
「わ、わかりました。明日、持ってきます」
命に比べれば稲荷寿司など安いものだろうが、拍子抜けには変わらなかった。
店と種類も指定される。
それに頷けば“何か”の表情は満足げなものに変わる。
「待っている。逃げれば、わかるな?」
それは忠告で、警告だった。
「ケケケ、ケケケケケケケ、ケケケケケケケケケケケケケケ!!!!」
返事を待つことなく、“何か”は不気味な笑い声の残響を残して消えていった。
二人の背筋にゾゾゾッと何かが這うような恐怖が込み上げる。
そして、あることに気がついた。周囲は“いつも通り”になっていたのだ。
いつも通りの旧校舎、いつも通りの夕暮れ、いつも通りの自分達。
なにも、変わっていない。
今までの体験は、悪い夢か何かだったのだろうか?
そう思えるほどに、いつも通りなのだ。
「き、えた?」
「外が明るくなってる……」
二人は顔を見合わせる。
春は何が起こっていたのか、うまく理解できないでいた。
ただただ恐ろしかった。その恐怖は、色濃く、そして深く、春の心に刻まれていた。
理解できないが、いつも通りの風景に戻ったことで安堵のため息をついた。
ピーンポーンパーンポーン__
少し遠くから響くチャイムに、二人の肩が揺れる。
流れる放送は最終下校時刻を告げるものだ。
「帰らないと……」
実がポツリと呟く。
春は立ち上がろうとするが、腰が抜けてしまって立ち上がれなくなってしまっていた。
「……立てない」
「え?」
「立てない」
沈黙が二人の間に横たわる。
春がどうしようと焦っていると、春の前に実がしゃがみこんだ。
「ん」
「……ありがとう」
実が自分のためにしゃがみこんで、おんぶをしてくれていると言う事実に驚きながらも春はありがたく乗っけさせてもらうことにした。
春を背をった実は、望んではいたとはいえ、これ以上何かあってはかなわないと早足で旧校舎の中を歩いていく。
春と実の二人以外に生き物がいない、正常に戻った旧校舎は正常に戻っても尚、恐怖をあおる不気味な空間だあった。
実と実に背負われた春が帰路につくなか、不思議なことに新しい校舎からは“ポロロン”とピアノの音が聞こえていた。
聞こえていない二人は振り返ること無く進んでいく。
新しい校舎から覗く影は、去っていく二人の背中を見つめていた。
☆
翌朝、時刻は早朝。
とは言え学校に来ている生徒のほとんどが部活の朝練に励む時間帯である。
ここは霊冥怪団《れいめいかいだん》の部室、のようなもの。
部屋の中には、机の上で手を組んで現像された写真の数々を真剣な眼差しで見つめている人物は霊冥怪団の中等部の団長、久我 怪。
それから頭が痛いと言わんばかりに額に手を当てている花園 恵理と、旧校舎で心霊写真を撮ってくるように言ってきて、その写真を元に絵を描いている花水木 日向がいた。
そして、昨日の放課後、旧校舎に行き見事心霊写真を納めたものの死にそうなほどの恐怖を味わった春と実はいる。
「それが、頼まれていた写真です。それで……」
実が一枚の写真を差し出した。
それが出た瞬間、春は顔を青ざめさせ目をそらす。
「旧校舎の、怪異の写真です……」
実が差し出した写真には二人が旧校舎で遭遇した“ 狐宮の怪談、漆の怪「狐面のセーラー服少女」”が綺麗に写っていた。
春はレンズを覗かなかったのに、まるで人物写真のお手本のような綺麗なものになっていた。
二人が旧校舎でのことを報告しに来たのだ。
「ひっっっっっじょうに素晴らしい!」
久我の大きな声が室内に響く。
「旧校舎の怪異を拝めるなんて!これならば七不思議が実在する可能性も高い!あぁ、できることならば俺があってみたかった!」
一人でテンションを富士山のようにあげて騒いでいるそのさまは、まさしく狂喜乱舞といった言葉が似合うような喜びようだ。
そんな久我を無視して花園は話を進める。
「君たちの報告通りならば、これからいなり寿司を持っていくんだな?」
「はい」
「ならば気を付けろよ。向こうは人じゃない」
言い方は乱暴ではあるものの心配してくれていることが伝わってくる。後輩たちの“これから”なんてそっちのけで喜んでいる、どこかのオカルトオタクとは違う。
「はい」
「実、春を守ってやってくれ」
「無論。何かあったら引きずってでも逃げます」
「春、何があっても実のそばを離れるなよ」
「はい。死にたくないので、頑張って引っ付きます」
この会話は春が腰を抜かしたことにより発生した。
「では、気をつけて」
「また新しい情報待っているぞ!」
久我の言葉に、花園が無言の拳を振り下ろされた。
「気をつけてね。あと、できたらまた写真をお願い」
筆を片手にそういわれた。花水木にも、花園の無言の拳が振り下ろされた。
「お前ら、心配くらいしろ!」
この空間で、一番の常識人は花園である。
二人はろくに心配もしてくれない先輩にあきれつつ、一言挨拶をして旧校舎に向かう。
旧校舎に向かう前に報告に来たのは、自分達に何かあったときのためだった。
旧校舎へ行く道すがら、春はある事が気になり実に聞くことにした。
「あの、記憶が曖昧なんだけどさ。「追い続けて九年」って言ってた、よね?あれって、どういうこと?」
実は一瞬、春に視線を向け、少し考えてから口を開いた。
「九年前に怪異に会ったんだ。ただ記憶が曖昧で、自分の記憶を疑いたくないから探し続けてた。自分の記憶を疑いたくなかったからな」
それだけで、あんな喜びようになるのか……?
春は疑問に思いつつも、これ以上は深淵を覗いてしまうような気がして、何も聞かないことにした。
「君こそ、なんで大切なものもをすぐに渡そうとしなかったんだ?命あっての物種だろ?」
まさか質問が帰ってくると思っていなかった春は、予想外の切り返しをされ一瞬、固まる。
「……アタシの大切なものもは、自らの命を投げ出してでも守りたいものなの」
春の顔に影がさす。
「そんなに大事なのか」
「うん……アタシが守らなくちゃいけないんだ」
春は真顔で答えた。
「そうか、さっさと旧校舎に行くぞ」
「はいはい」
あんな恐ろしいところに行きたがるなんて、実はもしかしたら久我のように変人なのかもしれない。なんて失礼なことを春は思っていた。
☆
昨日ぶりであるが相変わらず薄気味悪い建物だ。
昨日の帰り道と相違がないように思われたが、足を踏み入れて少ししたころ、昨日聞いた狐の鳴き声が旧校舎の中に木霊した。
狐の鳴き声に誘われるように歩いて行ってみれば、やってきたのは昨日の教室、中には“何か”はいないし生き物もいなかった。
「い、いないの?」
また、あの顔が真正面に現れるのを恐れた春は実の背中に隠れギュッと目をつぶっていた。
「いないな」
何もいはいない。
かわりに、黒板には乱雑な文字で「オイテオケ」と書かれ、教卓をさした矢印が書かれていた。
教卓に置いておけ、と言うことだろうか。
他にもなにもないので指示通りに教卓にいなり寿司を置いておき、学校に戻ることにした。
もうすぐホームルームが始まることもあるし、何よりも旧校舎と言う空間にいたくなかったからだ。
実は春の手を引き進んでいく。
視界の端に何かいた気がするが、それを無視して自分達が普段使っている校舎に飛び込んだ。
死の宣告かもしれない“何か”の発言を、刑を執行される囚人のような表情で待っていた。
「稲荷寿司」
「え……?」
どっちの声かはわからないが、小さく声が漏れた。
「稲荷寿司」
二度言われた。
「わ、わかりました。明日、持ってきます」
命に比べれば稲荷寿司など安いものだろうが、拍子抜けには変わらなかった。
店と種類も指定される。
それに頷けば“何か”の表情は満足げなものに変わる。
「待っている。逃げれば、わかるな?」
それは忠告で、警告だった。
「ケケケ、ケケケケケケケ、ケケケケケケケケケケケケケケ!!!!」
返事を待つことなく、“何か”は不気味な笑い声の残響を残して消えていった。
二人の背筋にゾゾゾッと何かが這うような恐怖が込み上げる。
そして、あることに気がついた。周囲は“いつも通り”になっていたのだ。
いつも通りの旧校舎、いつも通りの夕暮れ、いつも通りの自分達。
なにも、変わっていない。
今までの体験は、悪い夢か何かだったのだろうか?
そう思えるほどに、いつも通りなのだ。
「き、えた?」
「外が明るくなってる……」
二人は顔を見合わせる。
春は何が起こっていたのか、うまく理解できないでいた。
ただただ恐ろしかった。その恐怖は、色濃く、そして深く、春の心に刻まれていた。
理解できないが、いつも通りの風景に戻ったことで安堵のため息をついた。
ピーンポーンパーンポーン__
少し遠くから響くチャイムに、二人の肩が揺れる。
流れる放送は最終下校時刻を告げるものだ。
「帰らないと……」
実がポツリと呟く。
春は立ち上がろうとするが、腰が抜けてしまって立ち上がれなくなってしまっていた。
「……立てない」
「え?」
「立てない」
沈黙が二人の間に横たわる。
春がどうしようと焦っていると、春の前に実がしゃがみこんだ。
「ん」
「……ありがとう」
実が自分のためにしゃがみこんで、おんぶをしてくれていると言う事実に驚きながらも春はありがたく乗っけさせてもらうことにした。
春を背をった実は、望んではいたとはいえ、これ以上何かあってはかなわないと早足で旧校舎の中を歩いていく。
春と実の二人以外に生き物がいない、正常に戻った旧校舎は正常に戻っても尚、恐怖をあおる不気味な空間だあった。
実と実に背負われた春が帰路につくなか、不思議なことに新しい校舎からは“ポロロン”とピアノの音が聞こえていた。
聞こえていない二人は振り返ること無く進んでいく。
新しい校舎から覗く影は、去っていく二人の背中を見つめていた。
☆
翌朝、時刻は早朝。
とは言え学校に来ている生徒のほとんどが部活の朝練に励む時間帯である。
ここは霊冥怪団《れいめいかいだん》の部室、のようなもの。
部屋の中には、机の上で手を組んで現像された写真の数々を真剣な眼差しで見つめている人物は霊冥怪団の中等部の団長、久我 怪。
それから頭が痛いと言わんばかりに額に手を当てている花園 恵理と、旧校舎で心霊写真を撮ってくるように言ってきて、その写真を元に絵を描いている花水木 日向がいた。
そして、昨日の放課後、旧校舎に行き見事心霊写真を納めたものの死にそうなほどの恐怖を味わった春と実はいる。
「それが、頼まれていた写真です。それで……」
実が一枚の写真を差し出した。
それが出た瞬間、春は顔を青ざめさせ目をそらす。
「旧校舎の、怪異の写真です……」
実が差し出した写真には二人が旧校舎で遭遇した“ 狐宮の怪談、漆の怪「狐面のセーラー服少女」”が綺麗に写っていた。
春はレンズを覗かなかったのに、まるで人物写真のお手本のような綺麗なものになっていた。
二人が旧校舎でのことを報告しに来たのだ。
「ひっっっっっじょうに素晴らしい!」
久我の大きな声が室内に響く。
「旧校舎の怪異を拝めるなんて!これならば七不思議が実在する可能性も高い!あぁ、できることならば俺があってみたかった!」
一人でテンションを富士山のようにあげて騒いでいるそのさまは、まさしく狂喜乱舞といった言葉が似合うような喜びようだ。
そんな久我を無視して花園は話を進める。
「君たちの報告通りならば、これからいなり寿司を持っていくんだな?」
「はい」
「ならば気を付けろよ。向こうは人じゃない」
言い方は乱暴ではあるものの心配してくれていることが伝わってくる。後輩たちの“これから”なんてそっちのけで喜んでいる、どこかのオカルトオタクとは違う。
「はい」
「実、春を守ってやってくれ」
「無論。何かあったら引きずってでも逃げます」
「春、何があっても実のそばを離れるなよ」
「はい。死にたくないので、頑張って引っ付きます」
この会話は春が腰を抜かしたことにより発生した。
「では、気をつけて」
「また新しい情報待っているぞ!」
久我の言葉に、花園が無言の拳を振り下ろされた。
「気をつけてね。あと、できたらまた写真をお願い」
筆を片手にそういわれた。花水木にも、花園の無言の拳が振り下ろされた。
「お前ら、心配くらいしろ!」
この空間で、一番の常識人は花園である。
二人はろくに心配もしてくれない先輩にあきれつつ、一言挨拶をして旧校舎に向かう。
旧校舎に向かう前に報告に来たのは、自分達に何かあったときのためだった。
旧校舎へ行く道すがら、春はある事が気になり実に聞くことにした。
「あの、記憶が曖昧なんだけどさ。「追い続けて九年」って言ってた、よね?あれって、どういうこと?」
実は一瞬、春に視線を向け、少し考えてから口を開いた。
「九年前に怪異に会ったんだ。ただ記憶が曖昧で、自分の記憶を疑いたくないから探し続けてた。自分の記憶を疑いたくなかったからな」
それだけで、あんな喜びようになるのか……?
春は疑問に思いつつも、これ以上は深淵を覗いてしまうような気がして、何も聞かないことにした。
「君こそ、なんで大切なものもをすぐに渡そうとしなかったんだ?命あっての物種だろ?」
まさか質問が帰ってくると思っていなかった春は、予想外の切り返しをされ一瞬、固まる。
「……アタシの大切なものもは、自らの命を投げ出してでも守りたいものなの」
春の顔に影がさす。
「そんなに大事なのか」
「うん……アタシが守らなくちゃいけないんだ」
春は真顔で答えた。
「そうか、さっさと旧校舎に行くぞ」
「はいはい」
あんな恐ろしいところに行きたがるなんて、実はもしかしたら久我のように変人なのかもしれない。なんて失礼なことを春は思っていた。
☆
昨日ぶりであるが相変わらず薄気味悪い建物だ。
昨日の帰り道と相違がないように思われたが、足を踏み入れて少ししたころ、昨日聞いた狐の鳴き声が旧校舎の中に木霊した。
狐の鳴き声に誘われるように歩いて行ってみれば、やってきたのは昨日の教室、中には“何か”はいないし生き物もいなかった。
「い、いないの?」
また、あの顔が真正面に現れるのを恐れた春は実の背中に隠れギュッと目をつぶっていた。
「いないな」
何もいはいない。
かわりに、黒板には乱雑な文字で「オイテオケ」と書かれ、教卓をさした矢印が書かれていた。
教卓に置いておけ、と言うことだろうか。
他にもなにもないので指示通りに教卓にいなり寿司を置いておき、学校に戻ることにした。
もうすぐホームルームが始まることもあるし、何よりも旧校舎と言う空間にいたくなかったからだ。
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