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子は鎹
207 VS虚飾の幹部
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誰かの視点
クレーターの縁に、球体が転がっていた。
その球体は崩れかけの防衛魔法であり、球体の中には永華とカルタが気絶した状態で倒れていた。
「う……。痛ってぇ……」
「あぁ……」
痛む体に鞭を打って起き上がる。
防衛魔法が崩れて消えていく間、周囲をみまわす。
随分と酷いことになっている。
何が起こったんだったか?疑問に思って気を失う前の記憶をたどっていくと、体のあちこちの痛みにも納得がいった。
「はは……。洗濯機の中の洗濯物ってあんな感じなんだろうね」
爆発が起こる直前、永華が知っていて、なおかつ使える防衛魔法の最高硬度を出せる防衛魔法の魔方陣を使用した。
とっさに展開した防衛魔法は球体であり、爆風によって吹き飛ばされた球体は暴風に煽られるがままに転がり、地面をバウンドし、中にいた二人は洗濯機で回される洗濯物のごとくもみくちゃにされた
「というか、なんでほとんど無傷でいられてるんだ?」
「これだよ。これ」
永華がそういってカルタに差し出したのは願掛けに持ってきていたカルタの制服のジャケットだった。
そしてジャケットの裏地を見えるようにする。
そこには黒い裏地に目立つ白い糸で永華が知っていて、使える最高硬度の防衛魔法の魔方陣が縫い付けられていた。
「は?あ、シルエットに違和感があると思ったら、僕のジャケットじゃないか。しかも、それ、防衛魔法……」
「保険かけてて正解だったよ。でも、まさかジャケットに気がつかないとは思わなかったよ。願掛けに持ってきてて正解だった。返す」
永華は上手く動けないのか、座り込んだままのカルタにジャケットを投げ渡す。
「あと、これもだね。スノー先輩からだよ。あと。鞄も邪魔だから預かっといて」
「これ……。はぁ、タイミングが良いんだか悪いんだか……」
ジャケットを脱いで露になった背中、私服だろうズボンに通されたベルトにくくりつけられた機会仕掛けの代物をカルタに渡した。
そして、ヘラクレスの冤罪をはらすために持ってきていた転移魔法がかけられた鞄もカルタに雑に渡す。
永華はこれが何なのかわからないが、スノーに「役立つかもしれないから、篠野部くんに渡して」と言われた代物であるから渡した。
なんで今かって、余裕がなくて頭からすっぽ抜けていたのだ。
まあ、弱っているカルタがこうなる前に渡されていたとしても、使えるかは微妙だが……。
「さて、流石にそろそろ来るかな?。篠野部、安全なところに行ってて、今は戦えないでしょ」
「……あぁ」
カルタは永華を一人で置いていくことに戸惑い、永華の言い分に反論しようとした。
だが、現状のカルタは魔法は使えないに等しいし、肉弾戦ができるか?と聞かれれば首を横に振るしかない。
ろくに歩けもしないのだから戦闘行為なんて、できるわけもないのだ。
素直に従う他ないだろう。
カルタは永華に渡された機会仕掛けの代物を持って、なるべき距離をとってから瓦礫の影に隠れた。
確かに戦えないが、だからと言って永華を置いて撤退なんてこと出きるわけもなく、隠れて一矢報いる機会を虎視眈々と待つことにしたのだ。
カルタが行ったことを確認して、永華は佐之助に貸してもらっている刀を抜いて構えると、クレーターがある方向を睨み付けた。
クレーターから現れたの幽鬼に見間違えてもおかしくはない、SDS所属である“虚飾の幹部”キャシー・ミシーだ。
「さっきの、最初から殺す気なかったな」
「当たり前だろ?二人とも命がある状態じゃないと起こられちゃうんだから」
キャシーはわざと、黒紫の球体を永華達を守っている防衛魔法に当てることなく手前で爆発させたのが、永華にはギリギリで見えていた。
あれはキャシーの力を端的に見せるための、永華やカルタ達の抵抗の意思を削ぐための、事を早く終息させるためのパフォーマンスだ。
「思ってたよりも冷静だな。僕のこと見つけたらいの一番に切りかかってくると思ってたのに……」
ユラリと一歩を踏み出す。
一瞬、キャシーの視界から永華の姿が消える。
「おっとぉ!」
永華がキャシーに斬りかかったが受け止められてしまった。
はたからみれば、どちらが幽鬼かわからなくなってしまうだろう。
それほどまでに、永華の表情には怒りが滲んでおり、必死に激情任せに刀を振り回してしまいたいのを我慢しているようだ。
「お望み通り切り刻んでやる」
「おぉ、怖い怖い。これじゃあ、死人も浮かばれないなあ?」
「うるせえな」
永華は自分の触れられたくない部分に土足で踏み込んでくるキャシーに苛立ちを募らせていた。
死んでしまった大切な人、もう会えない大切な人、忘れられないけど忘れたい、幸せな時間であり、悪夢でもある記憶。
目的があった、やりたいことがあった。
それ全てが大切な人達の死に起因している。
でも、それは自分の意思だ。
可哀想?死人を理由にして楽しい?やってることが無駄?愚かな行為?死人が浮かばれない?
うるさい。
叫びだして感情のままに刀を振るいそうになったが、粗が生じて負けてしまうのが見えていたから、我慢する。
そんな、何も知らない人間からしたら平常時に見えそうでいて激情の荒波に飲まれてしまいそうな永華を見てキャシーは歪な笑みを浮かべる。
「キヒヒヒヒヒ」
「チッ……」
キャシーは決して強いわけではない。
なんだったら幹部達の中で一番弱いのはキャシーではないかと自分で考えるくらいだ。
争っても意味がないから力比べなんてしたこと無いし、正確な強さはわからないけど、恐らくはモカノフと同じぐらいか、もしくはモカノフよりも弱いか、それくらいだった。
だからキャシーは生き残るために、戦っている最中の相手の冷静さを削って隙を作るといった方法をとった。
時によって悪手になるそれは、キャシーのよく使う手であり、それと同時にこれを使ったことで痛い目を見たことなんて一度たりともなかった。
「ホラァ!ちんたらしてると穴だらけになるぞ!」
怒りによって単調になった永華の動き、更に煽るように喋り、戦うのが苦手なキャシーがもっとも扱うのが得意な武器である槍を巧みに操る。
槍と刀、リーチの差がある分、刀を使っている永華の方が不利であり、槍を使っているキャシーの方が有利である。
更に不幸なことに、キャシーは魔族の血が流れており、ちょっとやそっとの事で倒れるような柔な者ではなかった。
槍の突きを刀でいなす。
刀で斬りかかられるのを槍で受け止める。
槍が永華を切り裂き、刀がキャシーの槍に傷をつける。
魔法を放つ。
切り伏せられる。
魔法を放つ。
相殺され、脇腹に槍の先か引っ掛かる。
防戦一方、戦況はキャシーの方に傾いている。
「オラァ!」
振り回された槍に掬い上げられ、宙を舞う。
どうにか体勢を立て直して上手いこと着地しようとしたのを察知したのか、キャシーは再度、永華に向かって槍を振るい地面に叩き落とした。
「がっ!」
妨害が入り、着地に失敗した永華は瓦礫に頭をぶつけた。
金髪の髪に隠れた額から生ぬるい液体が垂れてくる。
血だ。
頭を打って、額を切ったのだ。
しかも頭を打ったせいで視界がぼんやりとしている。
「キヒヒ。さっき、こっそりと使った人形が効かない時は焦ったけど、これじゃあ必要なかったかな?」
頭から血が流れるのを気にしていないように、起き上がって前髪の隙間から自分を睨み付ける永華を嘲笑う。
怒りに満ちた冷たい目だ。
いまから、これの心を折るのだと考えると体にゾクリと快感が走る。
「うるせえ……」
かすれ気味の声で、永華が呟いた。
一連の流れを見ていたカルタは冷や汗を流す。
完全にキャシーの手の平の上になっている。
カルタがなけなしの魔力を使おうとしたとき、永華と目があった。
クレーターの縁に、球体が転がっていた。
その球体は崩れかけの防衛魔法であり、球体の中には永華とカルタが気絶した状態で倒れていた。
「う……。痛ってぇ……」
「あぁ……」
痛む体に鞭を打って起き上がる。
防衛魔法が崩れて消えていく間、周囲をみまわす。
随分と酷いことになっている。
何が起こったんだったか?疑問に思って気を失う前の記憶をたどっていくと、体のあちこちの痛みにも納得がいった。
「はは……。洗濯機の中の洗濯物ってあんな感じなんだろうね」
爆発が起こる直前、永華が知っていて、なおかつ使える防衛魔法の最高硬度を出せる防衛魔法の魔方陣を使用した。
とっさに展開した防衛魔法は球体であり、爆風によって吹き飛ばされた球体は暴風に煽られるがままに転がり、地面をバウンドし、中にいた二人は洗濯機で回される洗濯物のごとくもみくちゃにされた
「というか、なんでほとんど無傷でいられてるんだ?」
「これだよ。これ」
永華がそういってカルタに差し出したのは願掛けに持ってきていたカルタの制服のジャケットだった。
そしてジャケットの裏地を見えるようにする。
そこには黒い裏地に目立つ白い糸で永華が知っていて、使える最高硬度の防衛魔法の魔方陣が縫い付けられていた。
「は?あ、シルエットに違和感があると思ったら、僕のジャケットじゃないか。しかも、それ、防衛魔法……」
「保険かけてて正解だったよ。でも、まさかジャケットに気がつかないとは思わなかったよ。願掛けに持ってきてて正解だった。返す」
永華は上手く動けないのか、座り込んだままのカルタにジャケットを投げ渡す。
「あと、これもだね。スノー先輩からだよ。あと。鞄も邪魔だから預かっといて」
「これ……。はぁ、タイミングが良いんだか悪いんだか……」
ジャケットを脱いで露になった背中、私服だろうズボンに通されたベルトにくくりつけられた機会仕掛けの代物をカルタに渡した。
そして、ヘラクレスの冤罪をはらすために持ってきていた転移魔法がかけられた鞄もカルタに雑に渡す。
永華はこれが何なのかわからないが、スノーに「役立つかもしれないから、篠野部くんに渡して」と言われた代物であるから渡した。
なんで今かって、余裕がなくて頭からすっぽ抜けていたのだ。
まあ、弱っているカルタがこうなる前に渡されていたとしても、使えるかは微妙だが……。
「さて、流石にそろそろ来るかな?。篠野部、安全なところに行ってて、今は戦えないでしょ」
「……あぁ」
カルタは永華を一人で置いていくことに戸惑い、永華の言い分に反論しようとした。
だが、現状のカルタは魔法は使えないに等しいし、肉弾戦ができるか?と聞かれれば首を横に振るしかない。
ろくに歩けもしないのだから戦闘行為なんて、できるわけもないのだ。
素直に従う他ないだろう。
カルタは永華に渡された機会仕掛けの代物を持って、なるべき距離をとってから瓦礫の影に隠れた。
確かに戦えないが、だからと言って永華を置いて撤退なんてこと出きるわけもなく、隠れて一矢報いる機会を虎視眈々と待つことにしたのだ。
カルタが行ったことを確認して、永華は佐之助に貸してもらっている刀を抜いて構えると、クレーターがある方向を睨み付けた。
クレーターから現れたの幽鬼に見間違えてもおかしくはない、SDS所属である“虚飾の幹部”キャシー・ミシーだ。
「さっきの、最初から殺す気なかったな」
「当たり前だろ?二人とも命がある状態じゃないと起こられちゃうんだから」
キャシーはわざと、黒紫の球体を永華達を守っている防衛魔法に当てることなく手前で爆発させたのが、永華にはギリギリで見えていた。
あれはキャシーの力を端的に見せるための、永華やカルタ達の抵抗の意思を削ぐための、事を早く終息させるためのパフォーマンスだ。
「思ってたよりも冷静だな。僕のこと見つけたらいの一番に切りかかってくると思ってたのに……」
ユラリと一歩を踏み出す。
一瞬、キャシーの視界から永華の姿が消える。
「おっとぉ!」
永華がキャシーに斬りかかったが受け止められてしまった。
はたからみれば、どちらが幽鬼かわからなくなってしまうだろう。
それほどまでに、永華の表情には怒りが滲んでおり、必死に激情任せに刀を振り回してしまいたいのを我慢しているようだ。
「お望み通り切り刻んでやる」
「おぉ、怖い怖い。これじゃあ、死人も浮かばれないなあ?」
「うるせえな」
永華は自分の触れられたくない部分に土足で踏み込んでくるキャシーに苛立ちを募らせていた。
死んでしまった大切な人、もう会えない大切な人、忘れられないけど忘れたい、幸せな時間であり、悪夢でもある記憶。
目的があった、やりたいことがあった。
それ全てが大切な人達の死に起因している。
でも、それは自分の意思だ。
可哀想?死人を理由にして楽しい?やってることが無駄?愚かな行為?死人が浮かばれない?
うるさい。
叫びだして感情のままに刀を振るいそうになったが、粗が生じて負けてしまうのが見えていたから、我慢する。
そんな、何も知らない人間からしたら平常時に見えそうでいて激情の荒波に飲まれてしまいそうな永華を見てキャシーは歪な笑みを浮かべる。
「キヒヒヒヒヒ」
「チッ……」
キャシーは決して強いわけではない。
なんだったら幹部達の中で一番弱いのはキャシーではないかと自分で考えるくらいだ。
争っても意味がないから力比べなんてしたこと無いし、正確な強さはわからないけど、恐らくはモカノフと同じぐらいか、もしくはモカノフよりも弱いか、それくらいだった。
だからキャシーは生き残るために、戦っている最中の相手の冷静さを削って隙を作るといった方法をとった。
時によって悪手になるそれは、キャシーのよく使う手であり、それと同時にこれを使ったことで痛い目を見たことなんて一度たりともなかった。
「ホラァ!ちんたらしてると穴だらけになるぞ!」
怒りによって単調になった永華の動き、更に煽るように喋り、戦うのが苦手なキャシーがもっとも扱うのが得意な武器である槍を巧みに操る。
槍と刀、リーチの差がある分、刀を使っている永華の方が不利であり、槍を使っているキャシーの方が有利である。
更に不幸なことに、キャシーは魔族の血が流れており、ちょっとやそっとの事で倒れるような柔な者ではなかった。
槍の突きを刀でいなす。
刀で斬りかかられるのを槍で受け止める。
槍が永華を切り裂き、刀がキャシーの槍に傷をつける。
魔法を放つ。
切り伏せられる。
魔法を放つ。
相殺され、脇腹に槍の先か引っ掛かる。
防戦一方、戦況はキャシーの方に傾いている。
「オラァ!」
振り回された槍に掬い上げられ、宙を舞う。
どうにか体勢を立て直して上手いこと着地しようとしたのを察知したのか、キャシーは再度、永華に向かって槍を振るい地面に叩き落とした。
「がっ!」
妨害が入り、着地に失敗した永華は瓦礫に頭をぶつけた。
金髪の髪に隠れた額から生ぬるい液体が垂れてくる。
血だ。
頭を打って、額を切ったのだ。
しかも頭を打ったせいで視界がぼんやりとしている。
「キヒヒ。さっき、こっそりと使った人形が効かない時は焦ったけど、これじゃあ必要なかったかな?」
頭から血が流れるのを気にしていないように、起き上がって前髪の隙間から自分を睨み付ける永華を嘲笑う。
怒りに満ちた冷たい目だ。
いまから、これの心を折るのだと考えると体にゾクリと快感が走る。
「うるせえ……」
かすれ気味の声で、永華が呟いた。
一連の流れを見ていたカルタは冷や汗を流す。
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