『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん

文字の大きさ
118 / 167

第117話 創世神リュガリール

まるで何もないかのように青く澄んだ空には白い雲が浮かぶ。
闇の女神フェレネルトを討伐した翌日――

今日惑星ミラリルスは“絶望”に包まれるはずだった。

違う世界、いわゆる異星の神々。
その頂点である絶対者、リュガリール。

彼が次元を超え、数十億の軍勢を率いこの星に転移してくる絶望。

もちろんライトは既にリュガリールよりも強い。
だが。

絶対的な数の暴力、それは守りたいライトの心を激しく揺さぶるはずだった。

しかし―――


※※※※※


「ふっふーん。お出ましのようですよライト。…百ちょっと、ってところかな」
「…えっと。僕が『頼んで』と言うか…『画策しておいて』なんだけれど…どこの世界も創世神って…人望ないのかな?」

禍々しい魔力を纏い出現した超巨大な、まさに『要塞』のような飛空艇。
その周りには申し訳け程度に数十機の戦艦らしきものが浮かんでいた。

「……うん。魔力反応は148体だね…一番強いリュガリールが1000…うん?意外にももう二人1000がいるね」
「…1000?!…上限よね…ライト大丈夫なの?」

擬似ダンジョン最奥、僕の秘密基地。
今そこはまさに改造され、指令室のごとくカッコいいモニター類が光を放っていた。

当然だが総指揮官は僕だ。

カッコいい制服のような物を着込み、なんだか僕は高揚していた。
サングラスはもちろんデフォだ。
そして副指令はダンジョンコアの権限を有するヴィエレッタ。

一応彼女には僕と同等の権限を与えてある。

「うん。問題ないよヴィレ?…ていうか君ひとりでも勝てちゃうと思うよ?…ふふっ、その制服、可愛い」

「あうっ♡」

うわあ。
僕が褒めたら…ヴィエレッタ、やたら色っぽいんですけど?

えっと。
コホン。

因みに索敵などは龍姫という『とんでもチート』を持ち、感知能力が僕よりも高いニニャにお願いしたよ?

胸を強調する制服。
めっちゃそそる!

「…1000はさ、この世界の摂理なんだよね…一応上限。まあ実際には表示とかされない熟練度?そっちの方が重要かな」

何しろ僕はあの一億年の地獄を経験している。
そのたびに積み上げられていった熟練度。

いつか語ったゲームではないけど。
僕の熟練度、すでに文字化けしていた。

因みにリュガリールの熟練度は3万程度。
はっきり言って僕の敵にすらなり得ない。

「ふわー。ライト様…あんなにおっきいのに浮いてますけど…魔術ですか?」

状況を監視できる大きなビジョンの魔道具を見て目を煌めかせ、やっぱりお揃いの可愛らしい制服を着た第3王女のリュイネが僕に問いかける。

因みに非戦闘員である彼女とシャルル、ココナ、そしてこのレベルでは戦えないキャルン姉さまとヒャルマ先生、ルザーラナはそれぞれ砲撃担当を任せました。

うん?
砲撃担当?

ふっふー。
当然だけど僕は今回の危機に対してちゃんと準備をしておいたよ?

すでにヴィエレッタの能力でアイツらの戦力を把握していた僕。
それを上回る兵器と言うか“改造マシマシ”のゴーレム部隊。

もちろん錬成済みです。

当然だけどオートでも戦えるんだけど。
そこはほら、チートの僕でしょ?

彼女たちとリンクさせ、『経験値もゲットしよう』という魂胆です。
さすがに100%取得とはいかないけど…

それでもたぶん20%くらいは経験値得られそうなんだよね。

因みにミリには。

今ダンジョンマスターの権限を譲渡してあるので。
ノリノリで暗躍中です(笑)

さて。

ケリ、着けますかね。


※※※※※


旗艦であるリュガリールが居る巨大な要塞ディアムクレステル。
今ここでは、絶対者であるリュガリールの怒りが炸裂していた。

「…148だと?…他の数十億は…どうしたっ!!?」
「ひいっ?!!」

(…何が起きた?)

すでに準備は整い、後は“蹂躙するだけ”のはずだった。
確かに不安要素もあった。

自分の最強スキル『死身刻命』
それの届かない超絶者の存在。

だが、そうはいってもレベル的には同じ。
最悪星を落とせばおしまいの、簡単な仕事だったはずだ。

リュガリールは絶対者。
あのクソ創世神と同じ権能を持つまさに“神”だ。

(…何をした?いや…された?……違う宙域にでも飛ばされたのか?)

リュガリールは自身の最も信頼しているスキル『死身刻命』を展開させる。

感じる数十億の軍勢…
しかしそれはディメンションゲートの向こう、まさに今までリュガリールたちがいた宙域でただ静かに沈黙しているだけだった。

「…おい、通信をつなげ…サジュルディードの連中だ…」
「はっ!…た、直ちに…」

旗艦であるリュガリールの乗るディアムクレステルの指令室。
そのまさに大きなスクリーンに、以前侵略し従属させたサジュルディード族の族長たちの様子が映し出される。

『……ん?…ああ。…リュガリール様…ご機嫌麗しゅう…グビッグビッ…プハー……ヒック…』

まさに宴会。
サジュルディード族の族長の一人、プッリクッタは顔を赤らめ、手に持つジョッキになみなみと注がれた酒を飲み干していた。

リュガリールの額に青筋が浮かぶ。

「…貴様…これはどういうことだ」
『…これは異なことを…『我らのみで蹂躙してくれる…貴様らは酒でも飲んで見ていろ』…そう言われたのはあなた様でしょうに』

「なっ?!!」

リュガリールは絶対者だ。
その縛りと言うか“従属の契約”は絶対だ。

命令に逆らう事はすなわち死。
抗えるものではない。

つまり。

今この族長が言った事。
間違いなく事実なのだろう。

「バカなっ!…そのような世迷言を…」
『…んー?…もしかして――負けそう…なのですか?』

そしてにやりと顔を歪める族長プッリクッタ。
彼等とて心の底からリュガリールを信望しているわけではない。

侵略され奪われ、そして隷属を強要されたのだ。
隙あらばいつでも反旗を翻す。
そう言う心づもりはいつでも持っていた。

だが絶対的な創世神。
逆らえる訳などないと諦めていたのだが…

彼等は出会い、そして呪縛を一部解呪される。
さらなる絶対者。

死身刻命と言うとんでもスキル。
それを100%達成した超越者。

そう――ライトに。


※※※※※


数日前、擬似ダンジョン最下層ライトの秘密基地。

「ねえ、ヴィレ…“策”だけどさ、このままでうまくいくかな?」
「うーん。多分半分くらいには減らせるかな。…やっぱり“隷属の契約”がネックなのよね」
「…隷属の契約?」

違う世界、つまり異星の神である創世神リュガリール。
数多あるダンジョンを使い僕はすでに彼のことは把握していた。

「さすがは神ってところか。でもさ、皆別に戦いたいわけじゃないんでしょ?」
「うーん。多分?……なんかあの世界の人たちって周波数が違うみたいで…よくわからないのよね」

確かに。
何気に以前話をした闇の女神のペットも、理解するには苦労したしね。

「…半分…でもそれってさ、数億は来るって事だよね?」
「…う、うん」

僕は思わず腕を組み考える。
正直勝つのは問題ない。

だけど…

余りの物量で来られると、間違いなくミラリルスに住む皆に影響が出てしまう。
出来ないことの少ない僕だけれど。

さすがに遡行と死んだものを生き返らせることはできない。

「…しょうがない。ダンジョンポイント使うか」
「……何する気?ライト」

僕は秘密基地へと改造した擬似ダンジョン最下層を、圧倒的で絶対的な結界で包み込む。
そしておもむろに魔力を揺蕩らせ、さらにはダンジョンポイントを大量に消費しある物へと擬態した。

あふれ出す経験のない異次元の魔力。
動くだけで空気が振動する圧倒的波動。

「……ふう。どう?ヴィレ…そっくりでしょ?」
「なあっ?!!」

そこには。

まさに“創世神リュガリール”が佇んでいた。

「ふふふ。なるほどね…色々わかった。…ヴィレ?」

「は、はい」
「行ってくるね…ダンジョン間転移、使いまくるから…ミリにも伝えといてね」

そう言い消える『リュガリールそのもの』になったライト。

そして暗躍する。
その暗躍はつまり。

絶対者である創世神リュガリールの絶望へと変わっていったのだった。


※※※※※


「……ライト…やっぱり性格悪いよね」

思わずつぶやくヴィエレッタ。


そのつぶやきを聞く者はいなかった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた

歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。 剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。 それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。 そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー 「ご命令と解釈しました、シン様」 「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」 次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?

山咲莉亜
ファンタジー
 ある日、高校二年生だった桜井渚は魔法を扱うことができ、世界最強とされる精霊王に転生した。家族で海に遊びに行ったが遊んでいる最中に溺れた幼い弟を助け、代わりに自分が死んでしまったのだ。  だけど正直、俺は精霊王の立場に興味はない。精霊らしく、のんびり気楽に生きてみせるよ。  趣味の寝ることと読書だけをしてマイペースに生きるつもりだったナギサだが、優しく仲間思いな性格が災いして次々とトラブルに巻き込まれていく。果たしてナギサはそれらを乗り越えていくことができるのか。そして彼の行動原理とは……?  ロマンス、コメディ、シリアス───これは物語が進むにつれて露わになるナギサの闇やトラブルを共に乗り越えていく仲間達の物語。 ※HOT男性ランキング最高6位でした。ありがとうございました! ※完結後、三人称一元視点に変えて全話改稿する予定です。規約を確認してから決めますが、こちらも残したいと思っています。

異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】

kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。 ※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。 『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。 ※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

異世界帰還者の気苦労無双録~チートスキルまで手に入れたのに幼馴染のお世話でダンジョン攻略が捗らない~

虎柄トラ
ファンタジー
 下校帰りに不慮の事故に遭い命を落とした桜川凪は、女神から開口一番に異世界転生しないかと勧誘を受ける。  意味が分からず凪が聞き返すと、女神は涙ながらに異世界の現状について語り出す。  女神が管理する世界ではいま魔族と人類とで戦争をしているが、このままだと人類が負けて世界は滅亡してしまう。  敗色濃厚なその理由は、魔族側には魔王がいるのに対して、人類側には勇者がいないからだという。  剣と魔法が存在するファンタジー世界は大好物だが、そんな物騒な世界で勇者になんてなりたくない凪は断るが、女神は聞き入れようとしない。  一歩も引かない女神に対して凪は、「魔王を倒せたら、俺を元の身体で元いた世界に帰還転生させろ」と交換条件を提示する。  快諾した女神と契約を交わし転生した凪は、見事に魔王を打ち倒して元の世界に帰還するが――。