『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん

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第118話 決戦?1

ついに目の前に現れた異星の神の軍勢。

その様子にライト渾身の悪ふざけで作られた決戦型ゴーレム、ぶっちゃけモビルスーツと化したそのコックピット内で、ティアリーナは軽くため息をついていた。

「…ライト様…このゴーレムなのですが…」

ピコン。…ブンッ―――

ティアリーナのつぶやきとともに眼前のモニターに、何故か指令室と化した擬似ダンジョン最奥のやたらと豪華な椅子にふんぞり返っているライトの様子が映し出された。

『うん?どうしたのティア…それ、かっこいいでしょ?…ふふふ。何よりそのパイロットスーツ…はあはあはあ♡…マジで可愛い』

あうっ♡
嬉しい。
ライト様がわたくしのこの格好を見て欲情されている…

ティアは、ティアは…………はっ?!

違うのです。
そう言う事ではないのです。

コホン。

「あのですね…なんですかこのぶっ飛んだ性能は」

ライトの悪ふざけの結晶。
超強化型決戦兵器ゴーレム。

その名前…『サイディスター』

……アウトでは?

因みに機動力特化で、さらにはある条件を満たすとまさに宇宙開闢、凄まじい必殺技を搭載している機体だ。

『へっへー。ボクのも最高だよライト。…凄いねこれ…滾る』

…えっと。
ライト様は今回2機作られたのですけど…

淫乱魔王であるルイが乗っている機体…『グラムゾン』

……やっぱりアウトでは?!

そして当然のごとくルイの機体は『火力特化』
…本当にこの星、壊れるんじゃないかしら?

「あの…ライト様。やっぱりこのネーミング…まずいのでは?」

実はわたくし。
深くライト様の経験を共有しているのです。

今回の2機のゴーレム。
どうやら蘇我頼人さま。

彼が地球にいた時にさんざん遊んでいた“ゲーム”に登場する機体のようで…
色々と不味いのでは?

『うん?大丈夫だよ。この世界には著作権とかないし?…そもそも少し変えてあるじゃん』

あー。
そうなのですね。

まあ。

「…い、いえ。それはいいとして…性能がとんでもないのですが…」

今回の異星の神たちの襲撃。
恐らく絶対的な創世神の信頼を置いている部下、とんでもない強さの者もがいるとのことで。

残念ながらわたくしやルイの今の力では及ばない。

という訳でライト様自らが設計し、わたくし達専用のゴーレムを錬成してくださったのですが…

星を破壊するおつもりなのでしょうか?

『ふっふー。大丈夫だよティア。ちゃんと保険は掛けてある。この星に触れる前に縮退の術式構築してあるからさ』

ええ。
確かにライト様は天才です。

きっとそうなのでしょう。

ですが…

『もうー。ティアは心配性だね。ライトが大丈夫って言ってるんじゃん。大丈夫だよ。ボクは信じる。フハハ。まさに魔王ルイの特別専用機…“グラムゾン”だ!!』

むう。
貴女はただワクワクしているだけでしょうに!

「はあ。分かりました…色々と言いたいことはありますが…確かに心強いです。ライト様」
『うん?』
「…首領格であるリュガリール…彼は創世神です。…殺すことはできません」

本来神はその力ゆえ色々と制限があるはずだった。
何しろ絶対的な権能を持つわたくしのお父様である創世神ファナンガス。

お父様とてあの宙域と言うか“決まっている場所”からの移動できないのです。
今回の敵、創世神リュガリール。

彼は得てしまった。
超絶スキル『死身刻命』

その権能、彼は勘違いしているのだけれど…
どうやら彼はそのおかげで『すべての制限を破った』と思い込んでいる。

だからこうして違う摂理の場所までその魔の手を伸ばしているのだけれど…
実際には彼はきっと、大きなリスクをしょっている。

自らが気づかないままに。

「神域へのパス…繋いであります。…わたくしが道しるべになりますので…転移の際はお声がけくださいませ」

『うん。期待しているよ…おっ?…出てきたよ…うわー…やっぱりあいつらもなんかマシンみたいなのに乗ってるじゃん…くうっ、滾る…という訳だからさ、チャチャッと倒しちゃってね♡』

そう言い切られる通信。
もう私から繋ぐことはできない。

まったく…

ブンッ…

そんな中突然開かれるコックピットの中のモニター。
…機体同士の秘密通信?

『…ねえティア』
「…なんでしょう」
『競争しない?どっちが先に倒すか』

突然の提案。
もちろん下心はあるのでしょうけど?

「…何を賭けるのかしら」
『さすがティア…話が早いね…『ライト1日独占権』…どう?』

「っ!?…それは貴女が決められる事ではないのではなくて?」
『ふふん。問題ないよ…僕はライトに貸しがあるんだ。それを回収するのさ。…本当はこっそりやろうと思ったんだけど?…一応ティアには言っておこうと思ってね』

(くくく。ボクの機体…グラムゾン…地球のゲームの奴だよね…ボク知ってるんだよ…裏技。…ボクの勝ちは確実だ♡)

尾山瑠衣だった頃の唯一の癒し。
ゲームだ。

ルイは地球にいたころ、今回ライトが錬成した機体に付けられた名前。
実はメチャクチャ詳しかった。

(くくく。…いきなり強制解呪して…“ネオグラムゾン”になって…ブラックホールキャノン(マップ)で一網打尽だ♡)

ルイの悪だくみ。
もちろんそれも搭載されていた。

しかし。
無駄にロマンを求めるライトの本性、ルイは見誤っていた。

あのゲーム。
一番重要なもの。

『気力』だった。

つまりいわゆる強制解呪、気力マックスにならないとできない仕掛け。
それを知らないルイがこの後パニックに陥るのだが…

コホン。


※※※※※


「…良い。…殲滅すれば同じこと。…グラッダー」
『はっ!』

一方リュガリール。
色々考えたものの正解にたどり着けない。

何より神である自身の権能。
来なかった連中はそれに囚われている。

今更後戻りはできない。

(…最強の兵器をぶち込むには…数分のタメがいる。…そこまで耐えればよい…我の勝ちだ)

「…貴様にわが軍の守護神機『ディザステル』を与える。…殲滅せよ」
『はっ!!勅命、しかと』

「…アザイヌルグ」
『はっ!!』
「貴様には『フィニースイレズダー』を与える。…我を失望させるなよ?」
『承知!』

指示を出しイスに深く腰を掛けるリュガリール。
彼にはもう一つ不安要素と言うかムカつく事態があった。

(……フェレネルト。………何故繋がらぬ…)

先発隊として送り込んでいた闇の女神フェレネルト。
当然その生存はすでに確認と言うか感じていた。

しかし。

一向に繋がらない今の状況。
と言うより…むしろ拒絶されている感じすら受けていることに、リュガリールは怒り心頭となっていた。

「…使えぬ…ならば…」

魔力を揺蕩らせ、フェレネルトの魔力体をこの瞬間消し去るリュガリール。
当然創造したのは彼だ。
使えぬ手ゴマ。

消し去るのは当然だった。

「ふむ…気配が消えたな…戻ったら新たに構築するか……」

そして。
その思考、すでにライトは読んでいた。


※※※※※


今まですべてを思い通りに動かしていたリュガリール。
だから彼は気づかない。

すでに全ての策。
ライトにより上回れてしまっていたことに。


ついに決戦が始まる―――
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