神意再誕~ゲームマスターの少女は原初で微笑む~※旧『可愛くて最強?!知識チートの黒髪黒目の少女はゲーム世界に転移する?!』

たらふくごん

文字の大きさ
105 / 267

第99話 美緒の言う『キャッキャうふふ』とマールへの依頼

しおりを挟む
我が愛するギルド本部の最重要施設と言っても過言ではないお風呂。
日々色々思い出す私のチートスキル『超元インベントリ』の中から出てくる便利アイテムにより進化は止まることを知らなかった。

初めはただ広いだけだったお風呂。
今は泡ぶろにかけ流し、さらにはサウナまで完備され、置いてあるアメニティグッズは地球で成人だったナナまでもが目を見張る超高級品が揃えられていた。


※※※※※


「ふわー、このボディーソープ……日本にいた時高すぎて手が出なかった奴だ…はあ、いい匂い…美緒、ここのお風呂、やばくない?」

「あはは。うん。私も向こうにいた時はただのサラリーマンだったから。せっかくだから最高級の物を思い浮かべたのよね。ほら、私たちの仲間、みんな可愛いでしょ?だからもっときれいになって欲しくて」

とんでもない品ぞろえに思わず呆けてしまうナナ。

「それにこのお湯も……うわーヤバイ。これって確か限定の奴じゃないの?なんかネットで大バズリしてた」
「うん。いい匂いよね。お肌もしっとりするの。乾燥も防いでくれるしね」

まさに極楽。
マキュベリアなどすでに完全に虜になっていた。

そんな話をしている私たちに何故か目を爛々とさせながらレリアーナが手招きをしていた。

あー、うん。
約束したもんね……

う、うん……

「はい♡美緒?ここに座って♡」
「う、うん」

恐る恐る私はレリアーナが待ち受ける椅子に座る。
彼女は最初に私の髪の毛を丁寧に洗い始めた。

「はあ♡すっごくサラサラ♡……美緒の髪の毛、キレー♡」
「あ、ありがと」

そして手際よく洗い流しコンディショナーを馴染ませてくれる。

何気に彼女は上手だ。
私はずっと前に行った美容室を思い出していた。

まあ多分5年以上前だけど……
実は高校生以降は自分で切っていたんだ。

他人を避けていたから……

………


「美緒?かゆいところある?」
「っ!?…えっと、大丈夫だよ」

ついよぎるつまらない過去。
私は軽く頭を振り、思考を切り替えた。

「ん?どうしたの?」
「アハハ。何でもないよ」

そしてひとしきり馴染ませ髪をまとめ、今度はスポンジにボディーソープを馴染ませ始めた。

(ふう……あっ、良かった。レグみたいに直接じゃない。……流石リアよね)

そう思っていた私が確かにいた。

「…ねえ美緒?」
「う、うん?」

優しく背中から洗ってくれるレリアーナ。
なぜか鼻息が荒い?

「…はあ。…スッゴク肌がきれい…ゴクリ…(舐めたい)」
「はあ?」

聞き取れないくらいに小さくつぶやくレリアーナ。

なんだか知らないけど。
私はめちゃくちゃ恐怖に囚われる。


その後沈黙しながらも、優しく丁寧に私の体を洗う彼女。
逆にその沈黙…

恐いんですけど?

「あああ…ああ…はあはあはあ…うう…」
「ちょ、ちょっとリア?…だ、大丈夫?」

なぜか卒倒している?
私は慌てて振り返り、フリーズしてしまう。

そこには。

白目をむき何故かにやけ顔で、鼻血を噴き出しているレリアーナがいた。


※※※※※


どうにか気付いたリンネに連れられ、今は脱衣所で休んでいる彼女。
戻ってきたリンネが大きくため息をつく。

「ねえ美緒」
「うん?」
「あなた…パッシブ切り忘れたでしょ?」

「っ!?」

そうだ。
私、メチャクチャ怖くて…

思わず意識的に切っていた『魅了』のパッシブ。

普通に発動してたんだ。

「まったく。リアはさ、あんたの事好きなの。しかもきっと『百合気味に』」
「うあ。えっと」
「反省しなさい」

何も言えない私。
そそくさと湯船に避難しました。


※※※※※


「はああああ―――――♡きもちいい♡」
「ふふっ。ナナ、お疲れ様」

その後どうにか落ち着いた私はナナと一緒に湯船につかる。

ナナは学園の実地演習、厳寒の地での滞在訓練。
その時にマキュベリアに会いに行ったようだ。
何でも皇帝のオーダー。

一度皇帝には会いに行かなくてはならない。

それにあの国。
ロッドの国みたいに不穏な空気に包まれている。

「あれ?ナナ帰ってきたの?」
「おかえりにゃ」
「ななああぁ♡」

私とナナが湯船につかっていると、ルルーナとミネアがフィムを連れてお風呂にやってきた。
ナナを見て目を輝かせ飛びついてくるフィム。
めっちゃ可愛い。

「フィム!!良い子にしてた?」
「うん♡ふぃむね、るるーなとみねあといっぱいあそんだの♡」
「うんうん」
「もちろんはいにいにともいっぱいあそんだ♡」

ナナのつつましい胸に顔をうずめ、うっとりとするフィム。
余りの可愛さにナナの顔は崩壊寸前だ。

「んーフィム、いい匂い。今日は一緒に寝ようか♡」
「うん♡…るるーなぁ、いい?」
「はあ残念。…うん、いいよ?フィム、ずっとナナが帰ってくるの待っていたもんね」
「うん♡」

ああ、なんて癒される。
さきほどの『事件』で少し落ち込んでいた私。

フィムの柔らかい髪を撫で、心から癒され。

温かい気持ちに包まれていた。


※※※※※


一方奥の岩風呂を楽しんでいた二人の絶対者。
かつてのわだかまりは、お湯に流したようだった。

「ふむ。流石は高位の古龍。人たらしだな。…貴様もあのくらい可愛げがあればいいものを」
「ふん。貴様に言われたくないわ。…まあ、確かにここは極楽。それは認めようぞ」

かつての仇敵、マキュベリアとガーダーレグト。

お互い呪いで不死。
そして超絶者同士。

レベル差は相当あったがガーダーレグトは感情を代償にすれば上限はないに等しい。
2000年前、彼女たちは数多の死闘を繰り広げていた。

「なんじゃ貴様。ずいぶん強くなりおって……素でそれか?」

「まあの。これもすべて美緒のおかげだ。貴様も美緒の事、しっかり見てやってくれ。美緒は危うい。大分成長はしたが、彼女の負う使命は異常なほど重くそして濃い」

そして改めて、マキュベリアを見つめるガーダーレグト。

「…正直気に入らぬが貴様の力、あてにさせてもらうぞ?」
「……それほどか?この世界の現状」

「まあ本番は3年後らしいがな。美緒はそう言っている」
「ふむ」


※※※※※


裸の付き合い。
それは親交を深める。

以前のルートの時、私にはそんな余裕がなかった。

今回の最期のルート。
私にとって都合の良いルート。

きっとたどり着く―――


※※※※※


お風呂を上がり、レリアーナの無事を確認した私。

執務室でリンネと一緒に、今ジパングから戻ってきたエルノールとマール、そして付いて行ったミリナから報告を受けていた。

「おかしい気配?人じゃなくて……っ!?もしかして!?……妖刀…コトネ?!…」
「妖刀コトネ?聞かぬ名だ。美緒殿、それはどういったものだ?」

ガナロの封印に不安を抱えていた私は。
実はマールに定期的にジパングを見てもらっていた。

マールは非常に優秀。
しかも忍術は一応ジパングが発祥の地とされている。

まあこの世界広しと言えど、マール以上の忍術の使い手はそうはいない。

ただ秘奥義と言われるいくつかの忍術。
実はその謎についてもマールにはお願いしていたところだ。

私の知っている最終殲滅忍術である『アマテラス』と『スサノオ』

詳しい効果などは知らない。
名前だけだ。

正直設定で出てきただけだし、どんなルートでも明かされなかったもの。

でも私は確信している。
きっと今回の『最期の私』にとって都合のいいルート。

マールかミリナかそれともミルライナかはたまたミカか。
忍の字を持つジョブの資格のある私の大切な仲間。

誰かが、或るいは全員がたどり着くと……


※※※※※


そんなことが頭をよぎったが私は軽く頭を振り、思考を切り替えマールを見つめた。

「マール、あなたにお願いがあります」

妖刀コトネに導かれる十兵衛。
ジパングにいるメインキャラクター。

でも彼は特殊だ。
正直コトネを私が使いこなせるのなら彼を巻き込みたくはない。

「もしできるのなら、その刀、そして使い手。……見定めてください。あなたの目で見て、そして判断してください」

「心得た。……我の判断で構わぬのだな?」

「ええ。…使い手は天啓を受け導かれし『十兵衛』という人。ふさわしくないとあなたが判断したのなら。……その刀、私が使います。……命にかけて」


「っ!?ふははっ。たぎるではないか。…その任務、引き受けた」


※※※※※


こうして12人目になるメインキャラクター。
十兵衛の物語が幕を開ける。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした

赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第2巻発売中です!】 逞しく成長したリューク、そしてジーナ、ユフィオ、キスティーが大活躍します! 皆様どうぞよろしくお願いいたします。 【書籍第3巻が発売されました!】 今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。 イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。アニスもレムも超カワで、表紙もカッコイイです! 素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。 【2024年10月23日コミカライズ開始!】 『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました! 颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。 【ストーリー紹介】 幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。 そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。 養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。 だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。 『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。 貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。 『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。 『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。 どん底だった主人公が一発逆転する物語です。 ※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜

霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……? 生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。 これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。 (小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

処理中です...