神意再誕~ゲームマスターの少女は原初で微笑む~※旧『可愛くて最強?!知識チートの黒髪黒目の少女はゲーム世界に転移する?!』

たらふくごん

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第191話 妖精族の秘術と美緒の覚醒

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監視と言うか順番で美緒の自室を訪れるギルド内の女性たち。
実は今回のこの時間。

美緒に多くの成長をもたらすきっかけとなっていた。

何より忙しかった美緒。
仲間たちとの触れ合い、それは今まで最低限でしかなされていない。

時間を気にせず同じ空間で過ごすこの時間。
それはお互いに理解を深め、そしていくつかのわだかまりをも解消していっていた。

特に美緒に対し恐怖心を持っていた妖精の二人。
打ち解けまさに心から繋がったことにより、美緒は新たな力を得ることとなった。


※※※※※


幾つかの疑問をお互いにぶつけ、かなり深い領域でお互いを理解した4人。
そろそろ遅い時間となり、仲良く皆で寝ることにしていたのだが…

暗く寝静まる美緒の寝室。
ごそごそと動きファナンレイリが美緒に問いかけた。

「美緒?もう寝た?」
「…まだ起きてるよ」
「ふふっ。美緒、いい匂いがする♡」
「…悔しいけど本当にそうよね…ねえ美緒…そ、その…ロ、ロッドの事…す、好きなの?」

美緒のベッドの中で一緒に横たわっているファナンレイリとディーネ、そしてティリミーナ。
とんでもない美少女と美しい妖精の二人がお互いに抱き着き、じゃれている状況。
なぜか皆服ははだけ、美しい肢体がちらりと覗いている状況だ。

さらには何とも言えぬ甘い女性の香りが充満する美緒の部屋。

まさに男性がいたら、卒倒する状況だろう。

「うん?ロッドの事?…好きだけど…えっと、『そういう好き』ではないよ?弟みたいな感じかな…それに…ティリ、あなた本気でロッドのこと好きなのでしょ?…恋人として…むしろ私は応援したいって思ってるし」

「っ!?…うあ、…えっと…う、うん」

突然熱を帯び始めるティアリーナ。
顔があり得ないくらいに赤く染まっていく。

「まったく。さっさと番えばいいのに。…あんた秘術使えるでしょ?…きっとランド君?…あなたが本気で話せばきっと選んでくれるよ?」

「秘術?」

「うん。美緒には教えておくね。私たち妖精はね、心に決めた男性がいる場合、体を成長させることができるの。…そ、その…『番う事』が出来る」

「…そうなんだね。でも秘術?…対価があるのね?」

「うん。…もしも抱かれて…その相手が心の底から望まなければ…私たちは消える」
「っ!?…そっか。…それは…ねえレイリ?その摂理はあなたが決めたの?」

なぜかジト目でファナンレイリを見つめる美緒。
少し怒っている?

「私じゃないよ?ルーダラルダ様だね。…私たち妖精はさ、この世界の道しるべなんだ。だから大きな力を持つ。…いうなれば『番う事』はその責務の放棄に他ならないんだ。…番って成長し、未だこの世界に存在しているのはフィードフォートだけだね」

ため息をつき、悲し屁な表情を浮かべるファナンレイリ。

「…他の妖精たちはさ…全員消えてしまった…男にただ遊ばれて…体を良いようにされて…」

彼女たちの種族は女性しか存在しない。
そしてなぜかみなロマンを求める乙女チックな種族だ。
しかも残念ながら彼女たちはチョロかった。

「…酷くない?」
「まあね。…でもさ美緒、今のあなたなら分かるでしょ?それは神聖な行為だ。簡単に決断なんてできない」

女性が体を捧げること。
その意味は男性が女性を抱くこととは大きく違う。

もちろん恋多く数多の経験を持つ女性だって多くいることだろう。
でもこの世界の女性たち。

基本的には恋愛に対しては非常にまじめだし真剣だ。

「うん。…私は―――誰と結ばれるんだろ」

今までの美緒なら絶対にそんなことは考えなかった。
ザナンクに精神汚染され、まさに自己を失いそうになった美緒。

だからこそそういう欲も湧き上がってきた。

愛する人に抱かれたい。
欲望に穢されることは絶対に認められない事だった。

経験。

それは美緒の精神の成長に、皮肉にも寄与していた。

「ねえ美緒?あなたあの悪魔、どうしたい?」
「どう?…どういう意味?」
「悪魔は殺せない。…分解して―――吸収するしか道はないんだ」
「っ!?」

突然のファナンレイリの告白。
私は背中に嫌な汗が流れるのを感じていた。

「…吸収?…あの、あの悍ましいあの精神を…怖い…」
「美緒…」

よぎるあの悍ましい顔。
美緒は自身を抱きしめブルブルと体を震わせてしまう。

そんな美緒をそっと抱きしめるファナンレイリ。

「ごめんね。でもきっとこの先悪魔たちはわたしたちの前に立ちはだかる。実力でも引けを取らず、確実に倒せるのは美緒しかいない。…でも、良いよ?無理はしないでほしい」

優しく髪を撫で、ささやくファナンレイリ。
二人の妖精も肯定するように大きく首を振る。

「…ねえ。…悪魔はさ、見た目殺せてもまた復活するっていう事?…封印じゃダメなのかな」

今回既にザナンクはリンネやファナンレイリ、それからレギエルデの研究の成果ですでにほぼ封印している状況だ。

でも確かに殺せないと、リンネは言っていた。

「封印はさ、いずれ解かれてしまう。それに他の悪魔への目印にもなっちゃうんだよね。私たち妖精はね、知っているんだよね。分解し吸収する方法」

「……」

「でもどうしても体が小さい分、命がけになってしまう。…だからディーネやティリにはその力は使わせたくない…本当は私が行えばいいんだけど…進化し精霊王になった私は干渉できないんだ」

この星が創造された当初から創造された種族。
きっとおばあ様、ルーダラルダ様は知っていたんだ。

いずれ襲い来る悪魔たち。
だからカウンターとして妖精族にその方法を伝授していた。

「…方法?…それって…私でもできるの?」

正直怖いし二度とあの精神には触れたくない。
でも今の話を聞いてしまえばそんなことを言ってはいられない。

ファナンレイリは二人の妖精にそういうことさせたくないのだろうけど…
時が来れば決断が必要になる時がきっと来てしまう。

恐い。
涙がにじむほど―――恐い。

でも…

二人の妖精たちがもし犠牲になってしまうのなら…

私にはその方が怖いんだ。

「美緒…」
「…イヤだ。ディーネやティリがひどい目にあうのが分かっていて…私は傍観なんてしたくない」

私はベッドから起き上がり、真っ直ぐにファナンレイリを見つめた。
彼女もまた真剣な表情で私を見つめ…

優しく抱きしめてくれる。
慈悲をその瞳に宿して。

「…何時も美緒にばかり負担が行ってしまう…私もいやだ…美緒が苦しむ姿…見たくない」
「…レイリ……」

肩を震わすファナンレイリ。
その様子にわたしの覚悟が決まっていく。

「…教えて」
「っ!?…で、でも…」

不安げに私たち二人を見つめるディーネとティリ。
彼女たちもまた私を心配してくれている。

「…私ね、レギエルデに教わったんだよね。…干渉しなければレジスト出来るって。…今回の私は考えが甘かった。同期して確認してから隔絶解呪をしようと思っていたんだ…そこを付け込まれた」

「…美緒」

「だからね、問答無用で不干渉でその秘術?きっとできる。…それにやっぱり許せないよね?…あの悍ましい男。…うん。なんだかだんだんムカついて来たよ」

不思議だ。
さっきまでの怖さ…スッゴク少なくなってきていた。

悪い私が顔を持ち上げる。

「うん。…覚悟決まったよ…レイリ、教えて!」

私を見上げ、ため息をつくレイリ。
そして一瞬顔が緩む。

でも表情とは裏腹に、彼女の魔力は限界まで膨れ上がっていく。

「ふう…分かった。―――でも一つだけ試したいことがあるんだ…『精霊王の加護』…行使してもいい?」

「精霊王の加護?…な、何か凄そうだね?!…う、うん。お願いしま…っ!?んう?!!」

いきなり私の唇に、彼女の唇が重なる。
紡がれ変質していくレイリの膨大な魔力。

その魔力が神聖な術式を纏い、直接私の体内を駆け巡る。

「ん…『秘術展開……そのまま…直接の接触、その方が効率がいいんだ」
「ぷはっ…れ、レイ…んんん?!」

そしてなぜか私の体をなぞるレイリ。
光を纏う手のひら。
今まで感じたことの無い感覚が私を突き抜ける。

刹那。

私とレイリを、清廉な青い光が包みこむ。

流れる電子音。

『ピコン…創世の儀式…禁呪『分解消去』…習得しました…『精霊王の加護』…獲得しました…大量の経験値…獲得、レベルが大幅に上昇します…』

精霊王であるファナンレイリ渾身の儀式。

継承される希望。

超絶者である美緒がさらなる存在に昇華した瞬間だった。


※※※※※


儀式が終わり、茫然とする私。

「ふう…んふ…美緒の唇と体…最高だね!」
「な、なに言って…」

「っ!?そうだ。さらなる付与、しておいた方がいいね…ディーネ、ティリ」

私に抱き着きつつもファナンレイリは視線を二人の妖精に投げる。
二人は顔を赤く染め、何故か覚悟の決まった表情を浮かべ私の顔に近づいて来た。

「美緒」
「…美緒」

「ええ?な、なに…ん?!」

二人の妖精が虹色の光に包まれる。
そしてその魔力が集中する唇を、私の唇に押し当てた。

輝く私の体。

「…うん。これで完璧だね。…馴染むまで数時間、ってところだね。…寝よっか」
「はあ?」

そして今度は私をベッドに押し倒すファナンレイリ。

怒涛の展開。
私の理解は追いつかない。

儀式を終えたせいか、なぜかやたらと妖艶なレイリ。
顔を赤く染め、私の腕を抱きしめる。

「寝るって言ったけど…やっぱり寝かせない」
「ちょ、ちょっと?あうっ…んあ、こ、こらあ…」
「覚悟なさい?もうスイッチ入っちゃったんだからね♡」

美緒が気づかぬよう、そっと二人の妖精に目配せをするファナンレイリ。
その様子にティリは即座に反応する。

「っ!?――わ、私もっ」
「うあ、ディーネ?ズルい。私もっ」


※※※※※


私に注入された彼女たちの魔力。
それは実はとんでもない『膨大な圧』を持っていた。

正直私は、破裂するほどの苦痛にさい悩まされるはずだった。

でも。
まるでじゃれ合いのように私の体を守る3人。

私に少しでも『彼女たちに対する引け目』を感じさせないように―――


思いやる優しい抱擁。
少し際どくて赤面しちゃう場面もあったけど。

それは朝まで続いたのだった。


でもその成果は。
美緒にとんでもない成長を促していた。
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