神意再誕~ゲームマスターの少女は原初で微笑む~※旧『可愛くて最強?!知識チートの黒髪黒目の少女はゲーム世界に転移する?!』

たらふくごん

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第214話 復活の儀式

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暗い…

何も感じない…
痛みも、苦しさも…

俺は…
死んだのか…

番う事も出来ず…

ああ…
俺はただ…

…風の…娘…


※※※※※


「仮死状態…危ういわね…ウヲロン。グッジョブよ」

大精霊の住処。
聖なる霊気に包まれた一室で、エンシャントドラゴンの男性が意識不明の状態で運び込まれていた。

「…これって…黄泉の頂にいた…」
「きっとそうね。…強い…上位のエンシャントドラゴンね。炎属性よ、彼」

龍姫であるエスピア。
それに襲い掛かってきた悪魔により、瀕死の重傷を受けていた彼はウヲロンにより回収されていた。

砕かれバラバラになった龍姫の欠片とともに。

「…エクストラオーバーヒール!!……傷は治ったけど…意識が」
「凄いな。美緒の魔法…エクストラって…伝説級じゃない」

みるみるうちに逆再生のように、欠損した体が元通りになるエンシャントドラゴンの男性。
未だ意識は戻らないが。

どうやら命の危機は超えたようだ。
緩やかに動く彼の胸。
美緒はほっと息をついた。

「エンシャントフレイムドラゴン…人化もできる上位種…この魔力…かなりの上位よコイツ」

彼を見つめ零すレイリ。
私は改めて大精霊であるフィードフォートに目を向けた。

「フィードフォート?あなたに会うのも初めてだね。…あなたは知らないかもだけど…私は違う世界線であなたとともに戦ったの。…よろしくね」
「うあ、本当に可愛い…コホン。うむ。わらわも嬉しい。よろしく頼むのじゃ。美緒」

これで全員。
私はにっこり微笑んだ。

「…姉さま」
「なに?」
「…ゲームマスター美緒…こんなに可愛いの?…ドキドキしちゃう♡」
「…フィー、あんた言葉遣いめちゃくちゃよ?まったく」
「ひうっ」

久しぶりの姉妹の会話。
私は微笑みながらもそんな会話を聞いていた。

「そうだ。ねえレイリ、フィードフォートの縛り解除したのよね。ギルドに行けるの?」
「うん。問題ないよ。ねえフィー、良いのでしょ?」
「はい。姉さま。…それから美緒、問題はないのじゃ。じゃがな…」

何故か言いよどむフィードフォート。
私は頭を傾ける。

「その…行くのはいいのじゃ。じゃが…たまにここに戻ることを許してほしいのじゃ。…ここには我が愛するレアニディーの墓がある。ひとりにはさせたくない」

一瞬顔を染め、そして悲しげな瞳をするフィードフォート。
私は彼女の手を取りささやく。

「当たり前でしょ?あなたは自由なのだから。私のスキルでゲートを『設置』する。いつでも来れるわ。…でも私のことも助けてほしい。この世界ひっくり返したいの。…お願いできますか?」

「美緒…分かったのじゃ。わらわにできることは協力すると誓おう」
「ありがとう。…ねえ。私もあなたの事、『フィー』って呼んでもいい?」
「か、かまわぬのじゃ。…す、好きに呼べ」

顔を染めそっぽを向く大精霊フィードフォート。
美緒の魅了。
それは既に性別を超越していた。


※※※※※


ギルドの治療室。

今ここには壊された龍姫の欠片と、時を止めている少女エレリアーナ。
そしてメインの人格を封印している大精霊フィードフォートのすべてのピースが揃っていた。

「復活の儀式自体はそう難しいものではないのじゃ。何より全てのピースが揃っておる。じゃがな。その娘。その娘の封印の解呪とその娘の生存。その両立はかなり難しいぞ?」

「フィー、どういうことなの?そもそもおばあさまの構築したその仕組みは2000年前よね。でもアラン達が活動していた300年前にはエスピアさんは普通にいたのでしょ?…つじつまが合わないわ?」

よく考えると今回のこの仕組みにはいろいろと齟齬がある。
何よりエレリアーナ自体14歳の少女だ。
元々の仕組みを構築したのがおばあさまで2000年前。

そして300年前までエスピアさんは普通に活動していた。

「ふむ。美緒。お主時渡のスキルは知っておるのだろ?」
「ええ。と言うか私使えるよ?」
「なんと。ならば可能性が出てきたな。この仕組みは呪いに近い。なぜかわかるか?」

仕掛け自体『悪意はないけど呪い』に近い?

「ううん。要領を得ないわ?」
「ふむ。悪魔とその眷属。奴らは呪いには反応せんのだ。もともと呪い自体、奴等がもたらした技術。自分たちの構築した術式。その時点で奴らの警戒網から外れる仕組みなのじゃ」

そうか。
確実に邪魔をされない構築には…呪いが必要だったんだ。

「でも、時間の概念?と言うかつじつまが合わないのだけれど?」
「ふむ。…そうじゃな。順番に説明するかの。…300年前に活動していた龍姫、わらわのスキルじゃよ。大精霊になったきっかけ。あの人との愛が奇跡を起こした。…エスピアは我が孫。我が娘とかつての竜神の間に生まれた娘。それがエスピアじゃ」

「っ!?」

知らなかった。
ゲームの設定ではエスピアの出自は記されていない。

確か物語の中でも触れてはいない設定だった。

「我は愛する人と出会い、精霊王と言う重責から逃げたもの。じゃからじゃろうな。そういう仕組みに組み込まれた。姉さまには顔が上がらんよ」

おばあ様。
きっと必死だった。

だからこんな…

「それからその娘、エレリアーナなのじゃがな。その娘は言いかえればイレギュラー、そして保険じゃな」
「イレギュラーで…保険?」

「とんでもない呪いじゃよ。対価は命。そしてその効果は不幸を呼び込むもの。きっと凄まじい人生を経験したのじゃろうな。不憫なことよ」

私は改めて、フィードフォートと同期した。
私の経験したかつてのルート。
そしてゲームのシナリオ。

私は絶対に助けたい。
だから…

「…なる程の。そういう事か。…時にスイに呪いをかけたコメイ、と言ったか。そ奴はここにおるのか?」
「コメイ?いると思うけど…っ!?もしかしてスイにかけた呪いって…」
「同じ系統じゃな。凄まじいと言わざるを得ん。美緒の同期した内容。…コメイはまさに駒じゃ。なのに『大元である創造主』である原神。その権能を一部とはいえ書き換えた。その力が必要じゃ。美緒。すべて救うぞ」

「うん」

こうして復活に向け動き出す私の大好きなギルド。

私のとんでもない幸運値。
その恩恵はすべてをくつがえ始めていたんだ。
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