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パロディ罵倒るファンタジー
《《00010101》》=21.拒絶するほど追いかけて、目をそらすほど大きくなる
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...オリオン王国の南東、に広がる海...『エリダヌス海』。その更に南東の魔の海域...『フォルナクス海域』。メタンハイドレートは爆発、強力な磁場による計器の故障、定期的に変動する海底の地形。あらゆる船は座礁し、飛行機は墜落する...そんな場所にある四つの海洋プラント。そのうちの一つ...株式会社קליפותの本社ビルにしてBreaKING Ἀρκαδίαのアジト『cacotopia』。海の上に聳え立つ巨大な塔...その二十七階。その廊下をコツリコツリと歩くツインテール。名を白湯白湯...彼は他部署の人から直接、本社の第七会議室に呼び出されていた。戦闘でボロボロになった体で九つの手術を終えた足でそのままここを訪れた彼は...
「...うへぇー」
非常に大きなため息を吐いていた。それもそのはず、こんな所に呼び出されていい事など絶対にないからだ。そもそもここはBreaKING Ἀρκαδίαの幹部...と社長の七人しか知らないし、そもそも運輸部部長の手を借りないとここまで来れない。...しかも、非常呼集ときた。社長の承認を通して個別で呼び出されている...一体要件は何か。ウチの管轄の奴が何かやらかしたか?でもそれなら直ぐに連絡が来るはず。報告書ミスならメールで済む話だろう。であれば新しい任務か...?しかし、我々幹部は社長以外からの命令は受けてはならないし、拒否することが出来る。...ダメだ用件が全く分からない。何でこういう時ってメールに時間と場所しか書いてないんだろうか?せめて~の件で話があって~を行うので...とか簡潔でいいから書いといてほしい。
「っふー」
普段は自分でも結構お気楽キャラでやらせてもらってる自覚はあるが本社呼び出しともなれば流石に緊張するし、用件が全く分からないので心構えも出来ない。...この気持ちはアレだ。戦場で建物の倒壊に巻き込まれた子供をその場で切った時ぐらいの緊張感がある。いやはやあの時は若かった...慌てすぎて医療器具の演算すら上手くできなくて手も震えていた。今ではいい思い出である...あ、ちなみに助けられなかったよ。現実はそう甘くない...一時期マジで精神病んだ。
「ぁあー」
昔を思い出してたらすごくナーバスな気分になってきた。帰りたい...が残念ながらもう既に足は第七会議室に辿り着いてしまったので諦めて扉の横の認証装置に社員証を翳してパスワードを打ち込む。
「20130125...っとー?あれー?」
開かない...パスワード間違えたか?あ、違うこれ前のパスワードか...セキュリティの都合で定期的に変わることを忘れていた。え、待って二年近く本社に来てないんだけどその間に何回パスワード変わったんだ?...いや、落ち着け二回は間違えても大丈夫だったはず。まだ一回、焦る時間じゃない!過去に送られてきたパスワード変更通知のメールを必死に探す!
「あぁー、20040130は...あ、違うー?」
...落ち着け大丈夫、まだ慌てるような時間じゃない。これで開ければいいだけだからうん...
「20090828かー?...20101015...どっちだー?」
...いや、最新のメールは!
「20081226だー!」
ピチュンという無慈悲な音と共に認証装置の画面が暗くなりセキュリティロックが掛かる。
「あー、おわたー」
完全にやらかしたッ!絶望に打ちひしがれて扉の前でへたり込む...
「いや、何してんねん」
突然、ガチャリと扉が開き、エプロンと三角巾を付けた少女が立っていた。
「あ、"シキシさん"お久しぶりですー」
「おう、久ぶり...」
...何ともいえない空気の中、部屋の中に入れてもらう。そしてそのまま会議用のソファに座る。
「紅茶でええか?」
「はいー」
それを聞くとシキシさんは無駄のない徹底した効率的な動きでササっと紅茶を入れ「ほい」と言いながら目の前のテーブルに無音で目の前にそっと置く...気が付けば砂糖も用意されている。
「ありがとうございますー」
「おう」
そう返事してシキシさんも対面に座る。チラリと入口を見ると幹部全員に支給されている黒いコートと制帽が一切のシワなく完璧な角度で壁に掛けてある。制帽には『ハートを抱えた腕と、その下にwholeheartedと書かれた』エンブレム...やはり代行部部長は伊達じゃない。
「てか、忘れてる思て、呼集メールにパスワード書いたで?」
「えー?嘘ー!?」
即座に呼集のメールを確認する。...確かにメールの最後に『ちなパスワードは20130531な』って書いてある。
「ごめんなさいー!」
「ええで」
「「...」」
お互い何となく紅茶を飲んで、無言の時間が流れる。そして。「ふっ」と、息を吐きシキシさんが口を開いた。
「単刀直入に言おか」
「はい」
「...オリオン王国が隣国の『ジェミニ共和国』に宣戦布告...じゃないな侵攻を始めた」
「侵攻...?」
「本来、戦争は陸戦協定に則り宣戦布告を行うのがルールや。宣戦布告を行わなければ戦争をしてはいけない。旧人類のおった時代から伝統?習わしみたいなモンや。ただ、今回...オリオン王国は宣戦布告をせずにジェミニ共和国に進軍した。お陰様でこっちもてんやわんややで」
「あ、ジェミニ共和国って...」
「せや、ウチが都市開発任された管轄地域や」
シキシさんは顔を覆いながらため息を吐いて話を続ける。
「運輸部と建設部の共同プロジェクトも撤退、やっと整地が終わった農場もパーや、ホンマかなわんで」
「うへぇー」
「概算1兆6800億の赤やで」
「うっ...しゃ、社長はなんて...?」
「『それは仕方ないですね~各方面に援助を申し出てください~』...やて」
「あー、それで呼ばれたんですねー」
「まぁ、ウチの用件はそれやけどそっちが聞きたいんはこれやろ」
そう言ってシキシさんはそっとテーブルに紙束を置く。
「ウチの管轄の分院の患者と医者の殆ど別の病院へ移送したで、これはそのリストや。一部の患者と医者は国を裏切れんつって残ったんやけどな」
「...!そこまで根回しして頂いていたとは...ありがとうこざいますー!」
「すまん、向こうの意思もあるで全員は異動出来へんかったわ」
「それは仕方ありません」
「怒れへんの?」
「医者は命を救うことは出来ますが、命を決めることは出来ません。死ぬことに覚悟がいるように生きる事にも覚悟がいります。強制は出来ません...」
「そか...」
再びの沈黙...部屋を静寂が支配する。お互い紅茶に視線を向け...時折、チラリと視線を交わす。そんな無駄な行為を二、三回ほど繰り返し...一口、紅茶を含んだシキシさんがあえて少し音を出してカップを置く。それを皮切りにお互いの表情が明らかな作り笑いへと変化する。...さて、どう切り込んでくるか。
「それで本題に入りたいんやけどええか?」
「どうぞー」
「5000億の援助をお願いしたい」
「...はっはっはっー。ご冗談をー」
「...4700」
「出せても3000ですなー」
「...4500」
「...いやー、他の四人にも援助してもらうならー...1兆6800を五で割って3360なら丁度いい感じかとー?」
「「...」」
お互い笑顔を引き攣らせながら睨み合う。
「...4300」
「はっはっはっー」
「4200でどないや?」
「譲歩しても3500...「任務の後始末したのウチや」...3700でー?「患者の移送...」3800でどうでしょうかー?」
「...」
「...」
「まぁ、そこが限界か」
その一言で場の空気が少し緩む。正直、4500億くらいは持ってかれると思っていたので拍子抜けだ。
「ならー、3800億の資金援助でー...」
「ホンマに申し訳あらへん。援助はそれで頼むわ」
「はいー」
「で...」
平和に終わった。そう思った瞬間...シキシさんがコツン、コツンとテーブルの上の資料を指で突く。
「...あのー?」
「コレや」
ペラッとシキシさんが資料を捲って最後のページを見せつけてくる。そこには...
「...『管轄内の16箇所の分院患者の移送費、その他費用含め計700億』」
「当然、これに関しては別勘定やで?」
「んっんー!?あー?おーぉーれ!?」
「...どした?何かおかしなことでもあったん?」
シキシさんがめちゃくちゃニッコリ笑顔でこちらを見ている。
「...いえ、何もありません」
無言の圧力に屈して結局、予想通りの額を取られることになった。
「うへぇー」
「そないな顔しなさんなや...ウチの株大量に抱えてた投資家よりマシやろ」
「ふぇー?」
「この件でウチの会社の株、えげつないほど暴落してん。皆、絶望してあっちゃこっちゃで首吊ってんで」
「...うへぇー!」
何で今それ言った?余計ナーバスになりましたよ?とても良くない気持ちですよ?
「んで、そんな中ウチの株を暴落直前に死ぬほど空売りして大儲けした奴がおるんよ」
「んー、ん...?」
何か話の流れが変わった?え、この話続きあるの?
「んで、次の任務は...その大儲けした地下アイドルの調査や」
「えー、アイドル?」
ん、聞き間違いだろうか?株とアイドルと調査...何一つ単語が繋がらない。
「地下アイドル『《はにーとらっぷ・デビュタント》』のリーダー...タレント名は『レイ』」
「えっと...いまいち分かんないんですけどー?というか何ですかその省略したら怒られそうなグループ名はー?」
「『万物全能』と関わりがある可能性が浮上してな」
「!」
『万物全能』...その名を聞いて思わず、顔が強ばる。そう、我々か倒すべき明確な敵...
「社長はなんと?」
「『黒だったら仕方ありません~ぶっ殺しちゃっていいですよ~』...って」
「...わかりました。任務はその『レイ』って人を調べるって事でいいですかー?」
「いや、黒だった場合は処分までが任務や」
「...黒かどうかの裁量はー?」
「『お任せします~』やて」
...投げやりな指示。ただ、裏を返せば白よりのグレーだからそっちの裁量でやって、という意味だ。...殺すかどうかの選択を選ばせてくる感じが実に社長らしい。
「ふぅー」
息抜きついでにチラリと窓の外を見る。いつも通り、荒れた海原と暗雲に包まれた空が渦巻いている。それはまるでこの心を写し取ったのような、何処までも黒く重たいものだった。
「...うへぇー」
非常に大きなため息を吐いていた。それもそのはず、こんな所に呼び出されていい事など絶対にないからだ。そもそもここはBreaKING Ἀρκαδίαの幹部...と社長の七人しか知らないし、そもそも運輸部部長の手を借りないとここまで来れない。...しかも、非常呼集ときた。社長の承認を通して個別で呼び出されている...一体要件は何か。ウチの管轄の奴が何かやらかしたか?でもそれなら直ぐに連絡が来るはず。報告書ミスならメールで済む話だろう。であれば新しい任務か...?しかし、我々幹部は社長以外からの命令は受けてはならないし、拒否することが出来る。...ダメだ用件が全く分からない。何でこういう時ってメールに時間と場所しか書いてないんだろうか?せめて~の件で話があって~を行うので...とか簡潔でいいから書いといてほしい。
「っふー」
普段は自分でも結構お気楽キャラでやらせてもらってる自覚はあるが本社呼び出しともなれば流石に緊張するし、用件が全く分からないので心構えも出来ない。...この気持ちはアレだ。戦場で建物の倒壊に巻き込まれた子供をその場で切った時ぐらいの緊張感がある。いやはやあの時は若かった...慌てすぎて医療器具の演算すら上手くできなくて手も震えていた。今ではいい思い出である...あ、ちなみに助けられなかったよ。現実はそう甘くない...一時期マジで精神病んだ。
「ぁあー」
昔を思い出してたらすごくナーバスな気分になってきた。帰りたい...が残念ながらもう既に足は第七会議室に辿り着いてしまったので諦めて扉の横の認証装置に社員証を翳してパスワードを打ち込む。
「20130125...っとー?あれー?」
開かない...パスワード間違えたか?あ、違うこれ前のパスワードか...セキュリティの都合で定期的に変わることを忘れていた。え、待って二年近く本社に来てないんだけどその間に何回パスワード変わったんだ?...いや、落ち着け二回は間違えても大丈夫だったはず。まだ一回、焦る時間じゃない!過去に送られてきたパスワード変更通知のメールを必死に探す!
「あぁー、20040130は...あ、違うー?」
...落ち着け大丈夫、まだ慌てるような時間じゃない。これで開ければいいだけだからうん...
「20090828かー?...20101015...どっちだー?」
...いや、最新のメールは!
「20081226だー!」
ピチュンという無慈悲な音と共に認証装置の画面が暗くなりセキュリティロックが掛かる。
「あー、おわたー」
完全にやらかしたッ!絶望に打ちひしがれて扉の前でへたり込む...
「いや、何してんねん」
突然、ガチャリと扉が開き、エプロンと三角巾を付けた少女が立っていた。
「あ、"シキシさん"お久しぶりですー」
「おう、久ぶり...」
...何ともいえない空気の中、部屋の中に入れてもらう。そしてそのまま会議用のソファに座る。
「紅茶でええか?」
「はいー」
それを聞くとシキシさんは無駄のない徹底した効率的な動きでササっと紅茶を入れ「ほい」と言いながら目の前のテーブルに無音で目の前にそっと置く...気が付けば砂糖も用意されている。
「ありがとうございますー」
「おう」
そう返事してシキシさんも対面に座る。チラリと入口を見ると幹部全員に支給されている黒いコートと制帽が一切のシワなく完璧な角度で壁に掛けてある。制帽には『ハートを抱えた腕と、その下にwholeheartedと書かれた』エンブレム...やはり代行部部長は伊達じゃない。
「てか、忘れてる思て、呼集メールにパスワード書いたで?」
「えー?嘘ー!?」
即座に呼集のメールを確認する。...確かにメールの最後に『ちなパスワードは20130531な』って書いてある。
「ごめんなさいー!」
「ええで」
「「...」」
お互い何となく紅茶を飲んで、無言の時間が流れる。そして。「ふっ」と、息を吐きシキシさんが口を開いた。
「単刀直入に言おか」
「はい」
「...オリオン王国が隣国の『ジェミニ共和国』に宣戦布告...じゃないな侵攻を始めた」
「侵攻...?」
「本来、戦争は陸戦協定に則り宣戦布告を行うのがルールや。宣戦布告を行わなければ戦争をしてはいけない。旧人類のおった時代から伝統?習わしみたいなモンや。ただ、今回...オリオン王国は宣戦布告をせずにジェミニ共和国に進軍した。お陰様でこっちもてんやわんややで」
「あ、ジェミニ共和国って...」
「せや、ウチが都市開発任された管轄地域や」
シキシさんは顔を覆いながらため息を吐いて話を続ける。
「運輸部と建設部の共同プロジェクトも撤退、やっと整地が終わった農場もパーや、ホンマかなわんで」
「うへぇー」
「概算1兆6800億の赤やで」
「うっ...しゃ、社長はなんて...?」
「『それは仕方ないですね~各方面に援助を申し出てください~』...やて」
「あー、それで呼ばれたんですねー」
「まぁ、ウチの用件はそれやけどそっちが聞きたいんはこれやろ」
そう言ってシキシさんはそっとテーブルに紙束を置く。
「ウチの管轄の分院の患者と医者の殆ど別の病院へ移送したで、これはそのリストや。一部の患者と医者は国を裏切れんつって残ったんやけどな」
「...!そこまで根回しして頂いていたとは...ありがとうこざいますー!」
「すまん、向こうの意思もあるで全員は異動出来へんかったわ」
「それは仕方ありません」
「怒れへんの?」
「医者は命を救うことは出来ますが、命を決めることは出来ません。死ぬことに覚悟がいるように生きる事にも覚悟がいります。強制は出来ません...」
「そか...」
再びの沈黙...部屋を静寂が支配する。お互い紅茶に視線を向け...時折、チラリと視線を交わす。そんな無駄な行為を二、三回ほど繰り返し...一口、紅茶を含んだシキシさんがあえて少し音を出してカップを置く。それを皮切りにお互いの表情が明らかな作り笑いへと変化する。...さて、どう切り込んでくるか。
「それで本題に入りたいんやけどええか?」
「どうぞー」
「5000億の援助をお願いしたい」
「...はっはっはっー。ご冗談をー」
「...4700」
「出せても3000ですなー」
「...4500」
「...いやー、他の四人にも援助してもらうならー...1兆6800を五で割って3360なら丁度いい感じかとー?」
「「...」」
お互い笑顔を引き攣らせながら睨み合う。
「...4300」
「はっはっはっー」
「4200でどないや?」
「譲歩しても3500...「任務の後始末したのウチや」...3700でー?「患者の移送...」3800でどうでしょうかー?」
「...」
「...」
「まぁ、そこが限界か」
その一言で場の空気が少し緩む。正直、4500億くらいは持ってかれると思っていたので拍子抜けだ。
「ならー、3800億の資金援助でー...」
「ホンマに申し訳あらへん。援助はそれで頼むわ」
「はいー」
「で...」
平和に終わった。そう思った瞬間...シキシさんがコツン、コツンとテーブルの上の資料を指で突く。
「...あのー?」
「コレや」
ペラッとシキシさんが資料を捲って最後のページを見せつけてくる。そこには...
「...『管轄内の16箇所の分院患者の移送費、その他費用含め計700億』」
「当然、これに関しては別勘定やで?」
「んっんー!?あー?おーぉーれ!?」
「...どした?何かおかしなことでもあったん?」
シキシさんがめちゃくちゃニッコリ笑顔でこちらを見ている。
「...いえ、何もありません」
無言の圧力に屈して結局、予想通りの額を取られることになった。
「うへぇー」
「そないな顔しなさんなや...ウチの株大量に抱えてた投資家よりマシやろ」
「ふぇー?」
「この件でウチの会社の株、えげつないほど暴落してん。皆、絶望してあっちゃこっちゃで首吊ってんで」
「...うへぇー!」
何で今それ言った?余計ナーバスになりましたよ?とても良くない気持ちですよ?
「んで、そんな中ウチの株を暴落直前に死ぬほど空売りして大儲けした奴がおるんよ」
「んー、ん...?」
何か話の流れが変わった?え、この話続きあるの?
「んで、次の任務は...その大儲けした地下アイドルの調査や」
「えー、アイドル?」
ん、聞き間違いだろうか?株とアイドルと調査...何一つ単語が繋がらない。
「地下アイドル『《はにーとらっぷ・デビュタント》』のリーダー...タレント名は『レイ』」
「えっと...いまいち分かんないんですけどー?というか何ですかその省略したら怒られそうなグループ名はー?」
「『万物全能』と関わりがある可能性が浮上してな」
「!」
『万物全能』...その名を聞いて思わず、顔が強ばる。そう、我々か倒すべき明確な敵...
「社長はなんと?」
「『黒だったら仕方ありません~ぶっ殺しちゃっていいですよ~』...って」
「...わかりました。任務はその『レイ』って人を調べるって事でいいですかー?」
「いや、黒だった場合は処分までが任務や」
「...黒かどうかの裁量はー?」
「『お任せします~』やて」
...投げやりな指示。ただ、裏を返せば白よりのグレーだからそっちの裁量でやって、という意味だ。...殺すかどうかの選択を選ばせてくる感じが実に社長らしい。
「ふぅー」
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