灰燼の瞳//AI of the monochrome

もみもみ紅葉

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パロディ罵倒るファンタジー

《《00000010》》=2.フルスイング空振りばかり

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 「昼下がりの街中、ルーナはアキリと一緒に買い物に出ていた」

 「おい、そこは地の文だぞ?」

 「ふふっ、すまない間違えた。最初からやり直すよ」


 昼下がりの街中、ルーナはアキリと一緒に買い物に出ていた。

「街を出る前に食料を買うんだったね?」

「これ以上、刺客に襲われたらたまったもんじゃないからな。さっさと出発したい」

「ふふっ、それは構わないけれどあのメイドさんは来ないのかい?」

「あぁ、ダリアには宿の部屋に置いてある荷物を纏めて貰ってる...というかまぁ、うん」

「どうした?何かあったのかい?」

「ダリアは...その、買い物が出来ない...というかさせたくない...感じ?」

「どういう意味だい?」

「あれは、そう。ダリアと出会った頃の話だ」

 思い出すように首を捻りながらなんとも言えない顔でアキリは語り始めた。

「ありゃ、ダリアと旅を初めてすぐのことやったかなぁ」

「え、なんか始まった?さっきまでそんなキャラじゃなかったよね?」

「食料が底をついてまったもんで干し肉作ろうとダリアに「ちょい肉欲しいでかってくるわ」言うてな、宿を出よう思たら、「あ、わたくしがかってきますよ」言うもんやでお願いしたんやわ。でもそん時、お互い銭持っとらんかってん。ただ、旅の途中で綺麗な宝石見つけたもんでそれ売って換金して買うしかなかったんやわ。「これでかってきて」ってダリアに宝石渡したら怪訝な顔して受け取ってん。なんでそんな顔したんか分からんかったんやけどまぁ、そのまま出てったわ。けどなそっから肉買うて来るだけやのにいつまで経っても帰ってこうへんねん。夕方んなってやっと帰ってきおったと思ったらどデカい鹿担いでおって「何やねんこれ」言うたら笑顔で血だらけの宝石見せつけて「これでって来ました」って」

「え...何、急に落語?」

「いや、事実だ。残念ながらダリアの辞書に『買い物』の二文字はない。 物を買うという概念がない人頭サバイバーなんだ」

「『買い物』はどう考えても三文字だね。というかそれでメイドは務まるのか?」

「まぁ、少し...いや、かなり特殊なメイドだから仕方がない」

「特殊?」

「ん、あぁ、その辺は

「ふふっ、つまり今教える気はないと」

「分かってんなら察しろ。ところで私はここで食料買うけどお前はなんか買うもんあるか?」

「僕も行くよ。にm「んじゃ、荷物持ちよろしく」...せめて最後まで言わせてくれないかな」

「はい、これ」

 と、息付く暇もなく当たり前のようにいつの間にか買ったであろう、よく分からない肉の干したやつを持たされる。

「うし、次行くぞ」

「うん、もういいや。分かった好きにしてくれ」

 そう言って諦めたルーナと目に付いたもの片っ端から買って渡していくアキリが次に会話を行ったのは一時間後のことだった。


「よし、必要なものはあらかた買ったか?...ん?なんだあれ」

「ん?」

 買った物の確認をしようとしていたアキリの手が止まる。その視線の先には大勢の人だかり...まるでお祭りでもやっているかのような賑わいを見せている。こんな何もなさそうな場所で人だかりができていると流石に気にはなる...チラリとルーナとアキリは視線を交わしお互い心の中で『そんなに気になるなら仕方ない、見に行くか...お前の為に見に行くんだからな決して自分が気になったわけではないぞ?』という建前をなすり付け合って人だかりに向かっていく。――――――そして

「は?」
「ふふふ」

 二人は絶句した。

「フッ、甘いですね。それで全力ですか?」

「うわ~ん、この人いい歳して性格悪い大人げないよォ~」

 人だかり、その中心にいたのは涙目の少年と...ダリアだった。しかも何故か右手に『けん玉』を持っている...というか『けん玉のけん』の上で『コマ』回してる。んでもって左手の指先でも『コマ』回してる。そして、なんと!?『けんの上のコマ』の上に左手の『コマ』を乗せた!

「「「おぉーー」」」

「...ふふっ、メイドさんは何をやっているんだい?」

「...ダリアはな買い物以外の大抵の事が出来るんだ。だから...偶にホントに偶に子供に混ざって一緒に遊んであげるふりして格の違いを見せつけて優越感に浸るのが趣味なんだ」

「なんて言うか最悪だな」

「あぁ、ちなみにあのコマは三段まで積めるしその後、だるま落としの要領で1番上のコマだけ残せる」

「ふふっ、もうそこまでいくとどのくらい凄いのか分からないね」

「一応、フォローしておくと大抵の子供たちには喜ばれるんだ。好きな子にいいとこ見せようとカッコつけて頑張ってる男の子以外にはウケるんだ」

「あぁ、あの男の子可哀想に...」

「行くか」

「メイドさんはいいのかい?」

「見ろ?あのドヤ顔を、あれは完全にスイッチ入ってるからな多分、しばらくは大道芸人モードのまま帰って来ない。この後、ローラーバランスしながらナイフでジャグリングでもし始めるんじゃないか?まぁ、集合の場所は決めてあるからもう少ししたら勝手に来るだろ」

「ふふっ、了解」

 そうして、ヤバそうな人ダリアを置いて二人で先に街を出る準備をする。ダリアが合流してきたのは約二時間後のことだった。
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