この理不尽な世界を終わらすために、立ち上がりました

Ena

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3 お互いの過去

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あれから3日の月日が流れた。
えなと仲間になってからというもの自分のする仕事が大幅に減り、余裕ができた。とも言える。言えるのだが…
「なに!?たかが1人増えただけでこんなに暇になるものなの!?」
今は夜だ。夜中に行動するのは危ないのでモンスター狩りにはいけないし、今までしてた家事やらなんやらをえなに片付けられてしまい、すごく暇なのだ。
「まあまあ。今までしてた仕事減って楽じゃない?」
「いや。私楽とか余裕とかそういうの要らないから。」
「人は休暇も大事だよ?ね、ナチ?」
そしてもう一つの問題。何故かこのドアホ精霊さんは私のことをナチと呼ぶ。まあ聞いたところ私の名字と名前から一文字ずつとったらしいけど。とりあえず違和感あるからやめて欲しい。
「...。そのナチっていう呼び方やめてくんない...?」
「え、やだ。だって仲間感味わいたいし。」
いや。そんなの要らないから。てか君この世界救うんじゃないの?誰。こんなろくでなしにボスモンスター討伐やらせたの。
、とまぁ。ここ3日間今までしたことのなかった脳内での独り言がはじまった。それもこれもえなのせいである。まあ、仲間がいると心強いけどね。
「ねぇ、ナチ。僕ら仲間なんだし、お互いの過去を教えあおうよ!きっといい経験になるしさ!」
私が沈黙しているとえなが話しかけてきた。
「え、なんでそんな話すんのさ。私にとっては嫌な話しかないきがするんだけど。」
「教えれる範囲でいいからさ。教えてよ!僕も後で話すから」
なぜえなはそこまでして私の話を聞きたいのだろう。不思議だ。でもまあ、話したところね減るわけでもないし、面倒になる前に話してしまおう。
「...わかったよ。話したらいいんでしょ。」





私はね。聖剣士っていう特別強い剣士がいる家にうまれたんだ。だから私も聖剣士。
でも私は剣術が嫌いだった。なんでって...周りの女の子はそんな事しないでしょ?小さい頃はおままごととかお花摘みとかしたいことがいろいろあったけど、全部禁止されてずっと剣術の勉強をさせられてたんだ。でも私が12歳になった頃、剣術は人を傷つけるものだって思ったの。そう考えると怖くってね。家出したんだ。でもあんまり長続きしなかったなぁ。あの頃は夜1人だと怖くて仕方なかったし、多分長くても1週間くらいしか家出してなかったと思う。家に帰ったらまずお父さんに殴られたっけね。あれは痛かったな。でも、心配してくれてたみたいで。そのときはじめて自分の家だって思えた気がしたんだ。それから3年間は嫌でもきつくてもずっと剣術にはげんだね。お父さんとお母さんとみたいになろうって。そんな時だったな。世界が変わっちゃったの...。つい何週間か前の話なのに何年も前の話のように感じるよ。私の家もすぐに襲われてお父さんとお母さんがモンスターを引き止めている間に逃げろって言われて...自分がずっと昔から使ってた剣だけもって裏庭から逃げちゃったんだ。
それ以来家族には会えてない...。それに聞いた話だと私が住んでた村は壊滅したって...。



「...なんか。ごめん。暗い過去を思い出させちゃって。」
「ううん。いいんだよ。いずれ知られることはわかってたし。」
それにえななら信頼出来ると思った。
えななら私の過去を伝えてしまっても大丈夫だ、受け入れてくれる。と。
「約束は約束。次は僕の話をしようか。」
えなはそういい自分の過去を語り始めた。




僕は精霊魂から生まれた特殊な精霊なんだ。
精霊魂っていうのは昔の精霊達の魂が集まって現実に形として再び現れる現象。それが僕だ。
僕の先祖達の魂はどうやら強いものばかりが集まってしまったみたいで、僕自身も力をコントロールできなかったんだ。力をコントロールできない僕はいつ誰を傷つけてしまうかも分からない。誰かを傷つけたくなくて僕はずっと森で1人暮らしていたんだ。そんな孤独な日々を送っていたら大精霊にあったんだ。その大精霊はとても親切で優しくて僕に力をコントロールする方法を教えてくれたんだ。それが今僕がなっている姿の人間化なんだ。本来ならなれるのは強さをもった大精霊だけなんだけど、僕はこうしないと力が漏れちゃって大変なんだ。人間化を教えてもらったついでに僕はそこで更なるコントロール力と強さを磨いたんだ。正直、修行しててよかったよ。こんな世界になっちゃうなんて思いもしなかったけどね。この世界が始まってからすぐに大精霊は僕に言ったんだ。「その強さを初めて生きるもの達のために使いなさい」ってね。だから僕は仲間を探してこの世界を終わらすために頑張らなくちゃいけないんだよ。




「まぁ。軽く僕の昔話はこんなところかな。」
正直驚いた。この強さをもったえなでさえ修行をしていたこと。でも何より驚いたのが精霊魂から生まれ、人間化という特殊な能力を持っている事だ。
私はこんなすごい精霊とこれから旅をするのか。
「えなは...。どうして強さをももとめたの?」
不意に私が謎に思ったことをそのまま口にした。
「うーん。そうだなぁ。僕は始め、力のコントロールがきかなくて弱くなりたいと思ったんだ。でもコントロールできるようになって考えが変わったんだ。自分の才能を伸ばすことが大事なんだってね。」
えなは私なんかよりずっと生きてきてずっと苦しんできたんだ。私はこの時そう思った。
私はこの世界を救うべく、必要不可欠な人間になってしまったわけなのか。えなの話を聞く限り、そう思うしかなかった。
「ナチもいつか。そう思える日が来ると思う。自分が強さを求める日が?そして求めた意味を知る日が。ね。」
えなの言葉に私は頷いた。
これから私は世界を救い、自分の強さへの意味を知ることになるんだろう。
そう思いながら私は立ち上がった。
「じゃあ、えな。話もここらにして次の目的地に行こうか。」
話している間に夜は明け、朝日が照りつけはじめた。
「うん。行こうか。」
そう言われ、私達は次なる目的地へと進み出したのだ。
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