この理不尽な世界を終わらすために、立ち上がりました

Ena

文字の大きさ
16 / 24

15 3人目の魔法具使い

しおりを挟む
宿に向けて歩き出した私達は軽い雑談をしたながらゆっくりと歩いていた。ななせさんもうまく話に入れているようで、楽しそうだ。
「ところでななせちゃんはどうしてまた精霊界なんかにきたの?」
ふいにえながそんな質問をした。
「えっとですね、実は精霊界でとても有名と言われているアビスさんの所へ用事がありまして...」
そこまで話を聞いた私とえなはとても驚いた。アビスの存在が人間界にまで知られているとは。世の中案外狭いものなのかもしれない。にしても普通の人間がどんな用事でなんのためにアビスの所へいくのか。えなもそう思ったらしく、それを質問した。
するとななせさんは少し悩むような顔をしながら言った。
「信じてもらえるか分かりませんが...。私が使っている弓がありますよね。その弓がどうやら不思議なものらしくて。なんというか、魔法?が宿っている武器と言うんでしょうか…。アビスさんは魔法具と呼んでいましたが...」
「ま、魔法具だって!?」
えなはななせさんの話を遮って叫んだ。正直私も叫ぶほどではないがとても驚いた。魔法具とは人間がそうホイホイと持てるものではないことくらい私でもよく知っているからだ。魔法具に認められないものは魔法具を持った瞬間、弾き飛ばされてしまう。魔法具に認められる人間なんて、簡単にいてはならないはずだ。
「その魔法具...いったいどこで...?」
えなは驚きの表情のまま尋ねた。
「はい。この魔法具は先祖代々受け継がれてきたもので、私の家にありました。最も、この弓を使えたものは私と御先祖様1人だけですが。」
「なるほど...。まさかナチの剣だけでなく、他の魔法具まで昔から人間界にあったとは...。」
えなはなにかが引っかかるらしく、頭を抱えて考え込んでしまった。
「あの...。ナチさんも魔法具を持っていらっしゃるんですか?」
えなが不意にこぼした一言がきになったらしいななせさんは、私の背中の鞘に収めてある剣をまじまじと見つめながら言った。
「あぁこれね。まぁ一応そうなんだけど手応えとしては普通の剣となにがかわるのやら、ね。」
私は剣塚をなでながら言った。
「そうですね。魔法具といっても他のものとはさほど変わらない気がします。」
ななせさんもどうやら私と同じことを思っているらしい。実際、使っていて他のものと違うところなど斬れ味ほどのものだ。
「お、話してるうちに宿が見えてきましたよ。御二方。」
今まで悩んでいたえながわざとらしい口ぶりでそう言った。
「あ、ほんとですね。では私はここで。また明日あたりに会えるでしょう。それでは失礼しますね。」
宿がみえたため、ななせさんの道案内は終わり、私達より一足先に宿へと向かっていった。その数十秒後に私達も宿につき、それぞれの部屋を借りた。
やっと一息つけそうだ、と思い自分用の部屋に向かおうとしたその時
「あ、ナチ。あとで部屋にいくよ。少し話があるんだ。」
えなはそういい、自室へと向かった。えなの話とは何だろうか。きっとさっきの話に関連している事なのだろう。詳細は後で聞けることだ。今はしばしの休息をとろう。そう思い、私も部屋へと向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

義務ですもの。

あんど もあ
ファンタジー
貴族令嬢の義務として親の決めた相手に嫁いだが、夫には愛する人がいた。夫にないがしろにされても、妻として母として嫁としての義務を果たして誠実に生きたヒロインの掴んだ、ちょっと歪んだ幸せとは。

処理中です...