ゲームの《裏技》マスター、裏技をフル暗記したゲームの世界に転生したので裏技使って無双する

鬼来 菊

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《裏技》マスター、ダンジョンに潜る

にゃーん

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 連れ帰って部屋の床に座らせる。

 天井に取り付けてある照明の明かりが照らして、先ほどまでよく見えなかった顔が見える様になる。

 何というか……気怠けだるそうな顔をしている。

「さてと、何で俺らを付けていたか聞かせて貰おうか」

「……」

 まあ、そりゃそうだよな。

 レカの魔法で怖がら……こ、この状況で熟睡してる!

「仕方ない、拷問するしか……」

「!」

 その瞬間彼女の目が少し大きくなる。

「いや吐かないんだったら仕方ないだろ」

 プルプルと体を震わせ始める。

 ……拷問しにけぇー……。

「じゃあまずは……指から行くか」

 そう言って彼女の指に触れた瞬間

「え……と……」

 彼女が口を開いた。

「強い奴だから……戦ってこいって……仲間達から……言われて……」

「「……」」

 それ……捨て駒にされてね?

「あー……そうなのか……」

 こくり、と彼女はうなずく。

「まず名前を聞いても良いか?」

「……ニル」

「ニルさんや、自分が捨て駒扱いされてるのに気付いてるか?」

「……え?」

 やっぱ気付いてなかったか……。

「あのなー、強い奴だから戦って来いってのは、そいつの戦力を把握するために死んでも良い奴を行かせるもんだ」

「……そうなの……?」

 純粋な奴だなぁー。

「だからまぁ……言い方が悪いが、お前ぶっちゃけ捨てられたぞ」

「!」

 ニルの目が物凄く大きくなり、うつむく。

 何か可哀想になってきた……まあでもこれで俺の事を殺す事は無い……よな?

「ほら、もう行っても良いから。俺は寝る」

「ちょ、イイジマ!? 良いの!?」

「ああ、そいつにもう敵意無いっぽいし」

 そう言ってベットに入る。

「んじゃ、おやすみ」

 目を瞑ると、ゆっくりと隣のベットにルリカが入る音が聞こえた。

 そして意外と疲れてたのか、そのまますぐに寝てしまった。




「ふわぁ~あ」

 目を開いて、体を起こす。

『ちょこん』

 ……なんか、正座してる奴がいる。

「えーと……ニル、何してるんだ?」

「……あるじ様が……起きるの待ってた」

「は?」

 主様? 待て、何が起きた?

「主様って……どういう事だ?」

「……知らないの? ……獣人族ビースターは自分より強い者を……主様だと思う……」

 あぁー! そうだった! 獣人族コイツらってそうだった!

 獣人族は自分より強い者に仕えるんだった!

 ニルが仰向あおむけに寝っ転がって、手を胸あたりで握り、90°前の方に曲げて


「にゃーん」


 と、ただ一言そう言った。

「ぐぼはぁっ!」

 中々に発育の良い体でそんな事をやられるとかなりのダメージが……。

 てかそれやるの犬じゃね? ……いや猫もやるか。

「と、取り敢えず俺は主様とかそういう主従関係は嫌だ」

「何故……? 私に……何でも出来るよ……?」

 よーし保ってくれよ理性。

「お前に何かしたいとかいう欲は無い!」

 嘘だ、めちゃくちゃある。

「ふわぁ~、何よこんな朝っぱらから」

「いや、ニルが俺のこと主様とか呼んでくるんだよ」

「……えちょっと待ってどういう事?」

 そう言ってルリカが俺の横に来る。

「……何しようとしてたの?」

 そして俺の事を目を細めて見る。

「誤解するなよ? ニルが自らこのポーズをとったんだ」

「するわけないでしょ!」

 本当何だけどなぁー。

 ニルの方を見るとスッと目を逸らされた。

「うぉい……」

「……」

「イイジマー、ちょーっとこっちに来てもらいましょうかー」

 そう言って服のえりを掴まれて引きずられる。

 こういう時のルリカの力は半端ない。

【筋力調整】使ってもここまでの力は出せないだろう。

 ステータス画面に出ない特殊スキルでもあるんですか……?

「!」

 ニルがスタッと立ち上がり、こっちに早歩きで来て……

『ペシッ』

 俺の服を掴んでいたルリカの手を払った。

「ちょっと、何してるのよ!」

「主様を引きずるのはダメ」

 おおっ、途切れず言ってる……!

「やるなら、こう」

 そう言うと俺の膝の裏と肩甲上部けんこうじょうぶに腕を通して来た。

「ん?」

 そしてそのまま持ち上げられれば……

 完全に〝お姫様抱っこ〟である。

「これ」

「「いや違うだろ(でしょ)……」」

 ルリカとの意見が完全に一致する。

「え、違うの?」

 首をかしげて俺を見る。

「少なくともお姫様抱っこはしないな」

「……」

 マジで? みたいな顔で俺をガン見する。

 いやそんな見られても……。

「まずは降ろしてくれ」

 足の方の腕から外れて、ゆっくりと降ろされる。

「ありがとな」

 そう言って壁にもたれかかる。

「ど……どうやって……抱きしめれば良いの……?」

「まず何で抱きしめるのが確定してるんだ?」

「運ぶのに……最適だから……」

 まあ獣人族は筋力がかなりあるからあのお姫様抱っこが普通なのかもしれないな……。

「お姫様抱っこはマジでそれをやるしかない時だけにしてくれ」

「……つまりそれは……主従関係になるって事……?」

「それだけは絶対に無い」

 そう言ってベットのある方に行こうとすると

「じゃあ……獣人族の国に……行こ」

「なんでそうなる」

「獣人族の国では……主従関係になってる獣人族が多いから……それを見て気が変わるかも……」

「いやならないだろ。というかどの国に行くんだ?」

 そう、獣人族の国は沢山ある。

 何せ人口30億を超えてる種族だ。

 むしろ沢山無い方がおかしい。

「……ジルファーナ」

 ジルファーナか……獣人族のイメージでは無いが、音楽で栄えまくった国だ。

 めちゃくちゃ演奏が上手い獣人族が多く、戦闘力自体も高い。

 てかそんな所からニルは来たのか……。

「ジルファーナってどこだ?」

 ドワーフの国のように国の場所が変わってる可能性があるので、念の為聞く。

「最近……獣人族同士で争いが起きて……ここのすぐ近くに移動した……ベーナダンジョンってダンジョンの……下……」


 …………ん?
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