幽霊祓い

akade

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第1章 始まり編

第6話 怪異・花子さん

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アパートの件から1週間が経った。僕は事務所のソファーに座ってのんびりとテレビを見ていた。羽川さんは基本的に僕が事務所を空ける時以外は自分の家にいる。あのアパートもあの女性の幽霊を祓ってからピタリと心霊現象が止んだそうだ。ちょうど、お昼だったのでレトルトのカレーを温めて食べようとしていたら、お昼のニュースが始まった。若い男性キャスターが、一昨日、近くの小学校で起こった行方不明事件について説明し始めた。

「一昨日、市内の小学校で生徒5名が行方不明になる事件が発生しました。警察の調べによりますと、この生徒5名は一昨日の夜、肝試しをするために学校に侵入しましたが、それ以降、連絡が取れなくなっているとの事です。なお、学校は現在閉校しており、警察が何らかの事件に巻き込まれたとして、調査を進めています」

学校で行方不明か・・・。肝試しで余計なことをして、花子さんや人体模型の逆鱗に触れたってのが可能性としてはいちばん高いか。気になるし、少し僕も調査してみるか。その夜、僕は羽川さんに事務所を任せて、噂の小学校へと向かった。校門には立ち入り禁止テープが貼られていた。少し罪悪感を感じながらもテープをくぐり抜け、敷地内に侵入した。正面玄関は鍵がかかっていたので、たまたま開いていた裏口から校内に入った。この学校は北校舎と南校舎に分かれており、今、僕がいるのが南校舎1階。南校舎には1年生から3年生までの教室がある。1階の廊下を歩いていると、上の階からただならぬ気配を感じた。僕が急いで向かおうとした瞬間、そのただならぬ気配が僕の後方にある女子トイレからした。後ろを振り向くと、そこには赤いスカートをはいて、赤いランドセルを背負った、ショートカットの女の子がいた。間違いない、花子さんだ。
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