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第1章 電話霊編
第19話 赤輪術
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事務所に着いて、柊にはソファーに座ってもらった。
「改めて、先程は助けていただきありがとうございました」
「いやいや、全然。それより怪我とかは大丈夫なの?あのおじさんは知り合い?」
「怪我は全然大丈夫ですよ。あの人は鍵蔵 鉄地っていいます。昔、両親と兄が交通事故で亡くなって、俺が病院で引き取られていたところを鍵蔵さんが引き取ってくれたんです。俺は昔から幽霊が見える体質で、そのせいで学校でもあまり馴染めなかったんです。でも、鍵蔵さんはそんな俺の話を真剣に聞いてくれて、とても優しい人なんです。けど、昨晩、友達と近くの心霊スポットに遊びに行ったらしくて、帰ってくるなり俺の事をぶん殴ってきたんです」
「そうだったのか。はたから見たらただのやばい現場にしか見えなかったよ。それにしてもどうして術を使わなかったんだ?俺みたいに体内から追い出して祓えばよかったのに・・・」
「先程もお伝えしたように俺の赤輪術は俺自身で生み出したものです。赤輪術には2種類の術があって、1つはさっきの切、もう1つは吸という、相手の霊気を吸い取ることができる術。この2種類の術で戦ったりするんですけど、切の場合、優牙さんの拳のように相手の体内から幽霊だけを抜けさす事ができないんです」
「なるほど。どうして自分で術を作ろうって思ったんだ?」
「鍵蔵さんは術は使えないですけど、霊気を拳にのせて相手を殴ることくらいならできる。俺もそんな鍵蔵さんみたいになりたかったからです。でも、自分の周りの人間に祓い師の人がなかなかいなくて1人寂しく幽霊を祓っていたんです」
「じゃあ、GEAに入りなよ。そうすれば、赤輪術ももっと強くできると思うよ」
「それ、ありですね」
「だろ、ちょっと待ってな。荷物だけ詰めるから。詰め終わったら、一緒にGEAの本部に行こう」
そう言って、僕がソファーから立ち上がろうとした時だった。契約解除をしているはずの固定電話が鳴った・・・。
「改めて、先程は助けていただきありがとうございました」
「いやいや、全然。それより怪我とかは大丈夫なの?あのおじさんは知り合い?」
「怪我は全然大丈夫ですよ。あの人は鍵蔵 鉄地っていいます。昔、両親と兄が交通事故で亡くなって、俺が病院で引き取られていたところを鍵蔵さんが引き取ってくれたんです。俺は昔から幽霊が見える体質で、そのせいで学校でもあまり馴染めなかったんです。でも、鍵蔵さんはそんな俺の話を真剣に聞いてくれて、とても優しい人なんです。けど、昨晩、友達と近くの心霊スポットに遊びに行ったらしくて、帰ってくるなり俺の事をぶん殴ってきたんです」
「そうだったのか。はたから見たらただのやばい現場にしか見えなかったよ。それにしてもどうして術を使わなかったんだ?俺みたいに体内から追い出して祓えばよかったのに・・・」
「先程もお伝えしたように俺の赤輪術は俺自身で生み出したものです。赤輪術には2種類の術があって、1つはさっきの切、もう1つは吸という、相手の霊気を吸い取ることができる術。この2種類の術で戦ったりするんですけど、切の場合、優牙さんの拳のように相手の体内から幽霊だけを抜けさす事ができないんです」
「なるほど。どうして自分で術を作ろうって思ったんだ?」
「鍵蔵さんは術は使えないですけど、霊気を拳にのせて相手を殴ることくらいならできる。俺もそんな鍵蔵さんみたいになりたかったからです。でも、自分の周りの人間に祓い師の人がなかなかいなくて1人寂しく幽霊を祓っていたんです」
「じゃあ、GEAに入りなよ。そうすれば、赤輪術ももっと強くできると思うよ」
「それ、ありですね」
「だろ、ちょっと待ってな。荷物だけ詰めるから。詰め終わったら、一緒にGEAの本部に行こう」
そう言って、僕がソファーから立ち上がろうとした時だった。契約解除をしているはずの固定電話が鳴った・・・。
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