異世界図書館の幽霊って私のことですか?

木漏れ日

文字の大きさ
36 / 51

セディ視点でのお話。その1理由編

しおりを挟む
「えっ、青銀の姫とか言われてるのに、そんなに陰険なことしてたんだぁ」

「そうみたいだね。同じ異界渡りの姫を虐めるなんてどんなつもりだろう」

「女って怖いねぇ。やっぱりあれだね。稀代の魔術師って持ち上げられてても、女と付き合ったことの無い奴は女を見る目がないねぇ」

「そのことさ。本物の異界渡りの姫は、今平民として虐げられているナオって娘じゃないか?って話だぜ。あの青銀の髪は染めているんだそうだ」

「じゃぁ。マジで偽物ってことだろう。そんな王家を騙すようなことバレたら極刑は免れないぜ」

「あぁ。下手すると筆頭魔術師さまも首になるかもな」


 セディが聞いているのを知らないらしく、兵士たちは言いたい放題である。

「おい!」
 セディの姿を見た兵士たちは、途端に真っ青になって震え上がってしまった。

「そんなにびくつくな。オレは本当のことが知りたいだけだ。今の噂話はオレの婚約者のシャーロットの事だろう。ここだけの話だ。決して何を聞いても咎めたりしないから、その噂、詳しく話してくれ」

 セディは信じられない話を聞くことになってしまった。

 ナオこそが本物の異界渡りの姫なのだが、ロッテはナオを脅して平民でいることを約束させた。そのうえナオがカフェで身分の高い人々と親交を深めないように、わざわざ平民専用の店だと宣伝して廻る念のいれようだった。

 それを知ったアンバー公子と時期王妃であるリリアナが、サロンを作ってナオを助けたら、わざわざ平民の恰好までして邪魔をしに来たらしい。ナオの機転で早々に逃げ出したらしいけど、なんでも一緒にいたのはロビン辺境伯だったそうだ。

 ロッテは性悪女で、すぐに男に手を出す癖があり、辺境伯がナオん猶子にしたことを妬んでロビンに媚びを売ってナオを追い払おうと画策している。

 そんな馬鹿な話があるものか! ロッテはいつだってナオの話をする時には楽し気だったし、懸命にナオを支えてきたじゃないか。

 平民の恰好をしたって? それこそがこの噂が嘘だという証拠だ。だってロッテはそんな服なんて持っていない。持っている筈がない。ロッテの衣装や身の回りのものは全部セディが心を込めてプレゼントしてきたものだけだ。

 ロッテは母上の元で貴族子女として相応しい教養を身に着けるために努力しているから、カフェに行く時間だってある訳ないんだ。

 セディはそう思ったが、こんな悪意に満ちた噂を払拭するためにも、ナオに会って事情を聞くことにしました。




「まぁ。伯爵さま。わざわざいらして下さったんですのね。ありがとうございます。どうぞお掛けになって」

 驚いたことにいつもは蓮っ葉な言葉使いをしていた筈のナオが、真っ赤なドレスを身にまとってあでやかにロビンをサロンに招きいれました。

「ねぇナオ。いつもの君と全然ちがうんだね。いや、貶している訳じゃないよ。美しくて驚いただけさ。でも館ではもっと気楽な感じだったろう?」

 そうするとナオはいかにも辛そうに下を向いて何かに耐えているようです。
 それを見たサロンの客たちがセディに口々に訴え始めました。

「こう言っちゃなんですけれど、伯爵さまの婚約者はナオがこのような教養ある娘であることを、隠すように迫っておりましたのよ」

「ええ、私も聞きましたわ。酷い話ですよ。まるで下賤な平民みたいな話し方を強要したんですってね?」

「そうそう。先ほどなどは、わざわざ平民の恰好までして、ずかずかとこのサロンに入ってきましたのよ」

「ええ、私も見ましたわ。あれはここは平民が来る場所だっていう意味ですわね。まぁナオさまが機転をきかせたら逃げていきましたけどねぇ」

「いい気味でしたわ。そうそうご一緒していたのはロビン辺境伯ではございませんこと?」

「まぁ。いやらしい。ナオさまを猶子にしたのが気にいらないんですわね。伯爵さまというごりっぱな婚約者がありながら、別の男に媚びをうるなんて」

「あれじゃございませんこと。辺境伯の方がご身分もございますもの。乗り換えるおつもりかも」

「なにいいだすのよ。伯爵さまがいらっしゃるのに!」


 なんだって! どういう事だ。ロッテが浮気? まさかロビンと? そんなバカな。

「おい、ナオ答えてくれ。今の話は本当なのか?」

 ナオは辛そうにゆるゆると頭をあげると、いかにも弱弱し気に返事をしました。

「いいえ、そんなことはございませんわ。いつだってロッテさまは私に親切にしてくださいますもの。今日だってわざわお見えになりましたもの」

「じゃぁ、やっぱり来たんだな! 今朝はそんなことはおくびにもださなかったのに。ロビンも一緒だったのか!」
 セディはあんまりな話に怒りがこみあげてきました。

 ナオはいかにもセディを気遣うようにこう言いました。

「ロビンさまは、きっと私のためにおいでくださったんですわ。ロッテさまと御一緒だったのは偶然に決まってますわ。まさか、いくらなんでもロッテさまが伯爵さまを裏切るなんて! きっと何かの間違いですわ。どうぞロッテさまをお責めにならないでくださいませ」

 そう言ってふるふると震えるナオを、客たちが宥めている。

「なんてお優しいナオさま」
「あんな女を庇われるなんて」

 もう十分だ!
 セディは波立つ心を抱えて公爵邸に転移した。


 くっそう!
 ロッテが浮気なんかするものか!
 いったいなにがどうしてこんなことに。

 イライラと部屋を歩きまわっていると、そこにロッテが帰ってきた。
 確かに平民が着るような質素なワンピースを着ている。
 そんな服どこで手に入れた?

 ロビンか?
 ロビンに貰ったのか?
 ロビンに貰った服を着て、ロビンと2人でデートした訳だ。

 セディは怒鳴った

「ロッテ、君がナオに嫌がらせしているって訴えがでている。ナオが貴族になれないように邪魔したり、喫茶店に平民席を設けたり、平民の真似をしてわざわざ嫌がらせまでしているとね」

「確かにその服は貴族とはいいがたいね。そんなに平民がいいならでていけ」

 セディがそう怒鳴るとロッテは驚いた顔をした。

「待って! いったいどうして」

 ロビンと出かけておきながらロッテは謝ることもしなかったから、セディは怒りに任せてロッテを追い出してしまった。

 セディは深くソファに沈みこむと、頭を抱え込んでいる。
 
 ロッテは真っすぐな気性の娘だ。
 だからきっとこれは誤解が積み重なったものに違いない。
 だけど、貴族としてあまりにワキガ甘すぎないか?

 セディはロッテが浮気をするなんて思えなかったし、高潔で知られるロビンがセディの婚約者に手をだすとも思わなかった。

 けれど、それでも嫌だった。
 自分に相談もなしに男と出歩くなんて。

 僕ってこんなにも嫉妬深かったっけ?
 セディは荒れ狂う気持ちを静めると自嘲した。
 ロッテのことになると理性が吹き飛んでしまう。

 その時セディは近くで転機魔法陣が発動する気配を察知した。
 あれは僕の魔方陣だ!
 まさか。まさか。ロッテはどこにいるんだ?

 おい!本当に出ていったわけじゃないよな?

 セディが外に飛び出すと、ベッキーとジャンヌがロッテと同じような服装で立っていました。

 おい。どういうことだ?
 ロッテはロビンと2人きりでデートしたんじゃないのか?
 ベッキーとジャンヌも一緒だった?

 そんなこと誰も言わなかったぞ。
 セディはそれどころではないと、思い返すとベッキーとジャンヌに尋ねた。

「ロッテはどこにいるんだ? まさかひとりで出て行ったんじゃないよな?」
 
 ロビンが尋ねると2人は冷たい声で返事をしました。

「国を出られるそうです。セディさまのお言いつけとおりに」

「なに言っているんだ。ロッテにはこの世界では独りぼっちなんだぞ。どうしてとめなかったんだ。主を守るのがお前たちの仕事だろうが」
 セディは自分のことを棚に上げてベッキーたちに言い募った。

「ロッテさまは絶望されておられました。セディさまに出て行けって命令させて。この国に残ってたらきっと殺されると思われたようですよ」

「ええ、セディさまはひとこともロッテさまのお話を聞かないで、噂話を信じられたとか。誰かに見つかったらきっと酷い目にあわされると思い込んでらっしゃいました」

 
 どうしよう?
 ことここに至ってやっとセディは、自分が取り返しのつかないことをしたと悟った。
 なんとしてもロッテを探さなきゃ。 
 かわいそうに。どれだけ心細い思いをしているだろう。

「悪いけれどお前たちは今夜は実家に泊まってくれ。もしかしたらロッテが頼ってくるかもしれないからな。あぁそうだ。ロビンはどうだ。ロビンを頼るかも知れないな」

 セディはロッテが頼りそうな場所を真剣に考えはじめましたが、そこにジャンヌがとどめをさしました。

「ロッテさまはロビンさまだけは頼りませんよ。ロビンさまがこの事件の黒幕じゃないかと疑っていらっしゃいましたからね」

 そこにベッキーも加わりました。
「ロビン先生の持ってきた服を着て、ロビン先生と出かけたなら、当然黒幕はロビン先生だとおもいますよね。ナオとロビン先生が手をくんでロッテお嬢様を追い出そうとしたんだろうって」

 え?ロッテはロビンにはめられたと思って逃げ出したのか?
 あの血まみれロビンが、殲滅のロビンがそんなちゃちなことするもんか。

 けれど、そうか、そうか、ロッテはロビンに気があるわけじゃないんだ。
 セディは心の雲が晴れて実に爽やかな気持ちになりました。

 こうしちゃいられない。
 ロッテを探さなきゃ。
 セディはまずリリーに相談することにしました。
 ロッテが頼るとしたらリリーぐらいしか思いつきません。

 ベッキーとジャンヌは慌ててリリーの所に転移したセディを白い目で見ていました。
 しばらくそうやって悩んでいるといいわ。
 2人はロッテの居所を教えるきはまったくありません。

 ロッテお嬢様への扱いにおおいに立腹していたからです。
 せいぜいあさっての方向を探しまわるといいんだわ。
 どうせ今頃リリーお嬢様がセディをぼこぼこにしているに違いない。

 そう思って、ほんの少し2人は留飲を下げました。
 あのすっかり絶望しきっていたロッテお嬢様の顔を思い出すと、セディの苦しみはまだまだ全然足りないと思えてしまうのです。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。

猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で―― 私の願いは一瞬にして踏みにじられました。 母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、 婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。 「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」 まさか――あの優しい彼が? そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。 子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。 でも、私には、味方など誰もいませんでした。 ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。 白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。 「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」 やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。 それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、 冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。 没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。 これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。 ※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ ※わんこが繋ぐ恋物語です ※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

処理中です...