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忍び寄る影
話②
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その言葉に早々に食いついたのは本田だった。
「は?まさかお前こいつをパーティーに加えようっつー考えか?」
「えぇ、いい考えじゃない?」
「ふざけんな!こんなやつ要らねぇ!」
流石に激怒する本田に佐々田は耳元で何かを告げる。恐らく俺を利用する、位のことだろう。
何かを聞いた本田はあぁ、なるほどな、と頬をあげる。
「仕方ねぇ、てめぇを俺らのパーティーに入れてやんよ。せいぜい役に立つことだな」
「クラス一のパーティーに入れるなんて、運がいいわね」
まるで俺が頼み込んでパーティーに入れてもらうような。有難がってるような、そんな言い草だった。
だが一つ言っておこう。
こいつらは何を言っているんだ?
俺は一言も入れて欲しいなどと言った覚えはない。そもそも勇者になるのが嫌で城を出たと言うのになぜ結局勇者のパーティーに入らなければならないのか。なぜその結論に辿り着いたのか。
こいつらには脳みそがないのか?
本日何回目かの溜息を吐く。
疲れるな、こいつら。
盛り上がってるのは本田、佐々田の2人。
他の4人は明らかにこの2人に向け、軽蔑の視線を向けている。
良かった、他の奴らはそれでも普通なんだな。
よく徹がこの2人とパーティーを組んでるな、と感心する。長い付き合いだから分かるが徹はこういったタイプは嫌いなはずだ。自己中心的、短絡的思考、自らを第一に考える姿勢。
佐々田は違うとは思っていたが惚れている徹に関しては猫を被るようだ。
まあ恐らくパーティーは自分たちで組んだのではなく国の方が勝手に力量で組んだのだろう。
そうでなければ納得がいかない。
青木玲奈は一件この2人と同じようにも見えるが全く違う。他人を大事に思い、行動する。キツイ言い方もそれは誰かのためを思い、発言をする。
原田、齋藤もそうだ。2人はあまり目立つタイプではないがしっかり周りの状況判断は上手いし空気を読む能力にも長けている。
この4人だけなら気も合っただろうに。
何も答えない俺に苛立ちを隠さず無視してんじゃねえ、と怒鳴る本田。
「あぁ、すまなかったな、あまりに呆れて物が言えなかった」
「アァ???」
俺の返答が神経を逆撫でしてしまったのだろう。
だが気にする事はない。
こんな年齢に精神が追いついてないガキに怒るというのと無駄な事だ。
「面白いことを言うな、お前ら」
「面白いこと?有難いことの間違いでしょ?」
「俺がいつお前たちのパーティーに入りたいと言った?」
「は?」
「抑俺はこの国の騎士団、団長だ。この国を守ることが俺の仕事。なぜ守るべき国を出ていかなければならない?」
「何言ってんの?国一つより世界を救う方が大切じゃない」
「弱いくせによく吠える」
「はぁ!?!?」
もはやこのバカに割く時間はない。
俺は暇では無いからな。仕事が山ほど残っている。徹には悪いがもうここで案内は終了させてもらう。
机の上に注文した全ての食事が支払えるだけのお金を置いて席を立つ。
「一つ言っておく」
「自分が可愛いなら勇者なんて辞めた方がいいぞ」
「アァ!?」
店を出ると笑ってる顔の人々に心がホッ、とする。
掌に違和感があり、ふとそこを見るとくっきりと掌にあとがついていた。
無意識に拳を握っていたらしい。
「やれやれ、俺も沸点が低いですな」
気を切り替えるために大きく深呼吸をしてアナラスの元へ向かう。
「は?まさかお前こいつをパーティーに加えようっつー考えか?」
「えぇ、いい考えじゃない?」
「ふざけんな!こんなやつ要らねぇ!」
流石に激怒する本田に佐々田は耳元で何かを告げる。恐らく俺を利用する、位のことだろう。
何かを聞いた本田はあぁ、なるほどな、と頬をあげる。
「仕方ねぇ、てめぇを俺らのパーティーに入れてやんよ。せいぜい役に立つことだな」
「クラス一のパーティーに入れるなんて、運がいいわね」
まるで俺が頼み込んでパーティーに入れてもらうような。有難がってるような、そんな言い草だった。
だが一つ言っておこう。
こいつらは何を言っているんだ?
俺は一言も入れて欲しいなどと言った覚えはない。そもそも勇者になるのが嫌で城を出たと言うのになぜ結局勇者のパーティーに入らなければならないのか。なぜその結論に辿り着いたのか。
こいつらには脳みそがないのか?
本日何回目かの溜息を吐く。
疲れるな、こいつら。
盛り上がってるのは本田、佐々田の2人。
他の4人は明らかにこの2人に向け、軽蔑の視線を向けている。
良かった、他の奴らはそれでも普通なんだな。
よく徹がこの2人とパーティーを組んでるな、と感心する。長い付き合いだから分かるが徹はこういったタイプは嫌いなはずだ。自己中心的、短絡的思考、自らを第一に考える姿勢。
佐々田は違うとは思っていたが惚れている徹に関しては猫を被るようだ。
まあ恐らくパーティーは自分たちで組んだのではなく国の方が勝手に力量で組んだのだろう。
そうでなければ納得がいかない。
青木玲奈は一件この2人と同じようにも見えるが全く違う。他人を大事に思い、行動する。キツイ言い方もそれは誰かのためを思い、発言をする。
原田、齋藤もそうだ。2人はあまり目立つタイプではないがしっかり周りの状況判断は上手いし空気を読む能力にも長けている。
この4人だけなら気も合っただろうに。
何も答えない俺に苛立ちを隠さず無視してんじゃねえ、と怒鳴る本田。
「あぁ、すまなかったな、あまりに呆れて物が言えなかった」
「アァ???」
俺の返答が神経を逆撫でしてしまったのだろう。
だが気にする事はない。
こんな年齢に精神が追いついてないガキに怒るというのと無駄な事だ。
「面白いことを言うな、お前ら」
「面白いこと?有難いことの間違いでしょ?」
「俺がいつお前たちのパーティーに入りたいと言った?」
「は?」
「抑俺はこの国の騎士団、団長だ。この国を守ることが俺の仕事。なぜ守るべき国を出ていかなければならない?」
「何言ってんの?国一つより世界を救う方が大切じゃない」
「弱いくせによく吠える」
「はぁ!?!?」
もはやこのバカに割く時間はない。
俺は暇では無いからな。仕事が山ほど残っている。徹には悪いがもうここで案内は終了させてもらう。
机の上に注文した全ての食事が支払えるだけのお金を置いて席を立つ。
「一つ言っておく」
「自分が可愛いなら勇者なんて辞めた方がいいぞ」
「アァ!?」
店を出ると笑ってる顔の人々に心がホッ、とする。
掌に違和感があり、ふとそこを見るとくっきりと掌にあとがついていた。
無意識に拳を握っていたらしい。
「やれやれ、俺も沸点が低いですな」
気を切り替えるために大きく深呼吸をしてアナラスの元へ向かう。
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