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そろそろ、という予感はしていた。
3ヶ月前合コンで知り合った坂木さんとは、同じ営業職で日本酒と旅行好きという共通点もあって、すぐに意気投合した。
毎日のように連絡を取り、週一の頻度で会っている坂木さんから告白をされるかも、というのは薄々予感していた。
なのに。
私も坂木さんに好意を抱いていたから純粋に嬉しく思ったのに、すぐに了承の返事が出てこなった。
「付き合うのは厳しい?」
坂木さんは少しだけ眉を下げる。違うと私は首を振った。
「…………から」
「え? なんて言った、山本さん?」
私の声は小さすぎて坂木さんまで届かなかったようだ。聞き返す坂木さんにもう一度言うのは恥ずかしいけれど、私は意を決して口を開く。
「…………入らないから」
「え? 入らないって……何が?」
ピンと来ていない様子の坂木さんに向かって、少しでも小さい声で済むように私は精一杯背伸びをする。坂木さんも気を遣って屈んでくれたから、私は口元を彼の耳に近づける事が出来た。
「……私の背が低いから。…………多分坂木さんの、入らない…………です。だから……」
今度はきちんと伝わったようだ。
150センチしかない小柄な私とは反対に、坂木さんは190センチ近い身長で、柔道でインターハイに行ったこともあるくらいがっちりした体型だ。
仕事柄いつもパンツスーツにヒールを履いている私は、気が強く態度もでかいせいか普段はあまり小柄に見られない。けれど、そういうことを致す時は話が別だ。
体型的もそうだが、元々入り口は狭い方らしい。それでも――私の身体の痛みは置いといて――標準的なモノだったら潤滑油を使い、何とか無理やり咥えることが出来るけれど。
半年前に2週間だけ付き合った元カレが、坂木さん程ではないけれど大柄でそれなりにモノも大きかった。
先っぽすら入らないことで振られた私である。元カレ以上に体格がいい坂木さんのモノはきっと入らない。
いくら好意を持っていても、結局挿入出来ないならまた振られるだけだ。告白が嬉しくて堪らなかったのに、前の男に言われたセリフがトラウマになっていた。
だから、付き合うのに躊躇ってしまうのだと坂木さんに告げた。
坂木さんはビックリしたように黙り、何かを考えるように顎に手を当てた。
思ったよりも長い沈黙だ。気まずくなりつつも、私はじっと坂木さんの言葉を待つ。
「挿れれたら……」
「え?」
「挿れることが出来たら、山本さん的には問題ない?」
「問題ない、……とは?」
「結婚前提として俺と付き合うのに」
私は顔を赤くした。というか、しれっと言葉が増えている。結婚前提ってどういうことだ、と動揺している私に、坂木さんは条件を出す。
「今からホテル行って俺のが無事山本さんのナカに挿入出来たら、付き合えるってことでいいかな?」
イエス・ノー形式で聞いているけれど、言外に断らないよね、という雰囲気を醸し出している坂木さんである。
私は頷いた。
坂木さんに好意を抱いていたのは事実だし、告白された足で身体を重ねることに抵抗があるほど初心な大人でもない。むしろ、楽しい時を過ごしてまた元カレのようにセックスが出来ないからと振られる方がダメージが大きい。それなら身体の相性を確かめた上で付き合う方が合理的だ。
「分かった。……じゃあ行こうか」
坂木さんは私の手を握る。体格に合った大きな手に包まれながら私は、坂木さんのモノが自分に納まるサイズであることを願うのだった。
3ヶ月前合コンで知り合った坂木さんとは、同じ営業職で日本酒と旅行好きという共通点もあって、すぐに意気投合した。
毎日のように連絡を取り、週一の頻度で会っている坂木さんから告白をされるかも、というのは薄々予感していた。
なのに。
私も坂木さんに好意を抱いていたから純粋に嬉しく思ったのに、すぐに了承の返事が出てこなった。
「付き合うのは厳しい?」
坂木さんは少しだけ眉を下げる。違うと私は首を振った。
「…………から」
「え? なんて言った、山本さん?」
私の声は小さすぎて坂木さんまで届かなかったようだ。聞き返す坂木さんにもう一度言うのは恥ずかしいけれど、私は意を決して口を開く。
「…………入らないから」
「え? 入らないって……何が?」
ピンと来ていない様子の坂木さんに向かって、少しでも小さい声で済むように私は精一杯背伸びをする。坂木さんも気を遣って屈んでくれたから、私は口元を彼の耳に近づける事が出来た。
「……私の背が低いから。…………多分坂木さんの、入らない…………です。だから……」
今度はきちんと伝わったようだ。
150センチしかない小柄な私とは反対に、坂木さんは190センチ近い身長で、柔道でインターハイに行ったこともあるくらいがっちりした体型だ。
仕事柄いつもパンツスーツにヒールを履いている私は、気が強く態度もでかいせいか普段はあまり小柄に見られない。けれど、そういうことを致す時は話が別だ。
体型的もそうだが、元々入り口は狭い方らしい。それでも――私の身体の痛みは置いといて――標準的なモノだったら潤滑油を使い、何とか無理やり咥えることが出来るけれど。
半年前に2週間だけ付き合った元カレが、坂木さん程ではないけれど大柄でそれなりにモノも大きかった。
先っぽすら入らないことで振られた私である。元カレ以上に体格がいい坂木さんのモノはきっと入らない。
いくら好意を持っていても、結局挿入出来ないならまた振られるだけだ。告白が嬉しくて堪らなかったのに、前の男に言われたセリフがトラウマになっていた。
だから、付き合うのに躊躇ってしまうのだと坂木さんに告げた。
坂木さんはビックリしたように黙り、何かを考えるように顎に手を当てた。
思ったよりも長い沈黙だ。気まずくなりつつも、私はじっと坂木さんの言葉を待つ。
「挿れれたら……」
「え?」
「挿れることが出来たら、山本さん的には問題ない?」
「問題ない、……とは?」
「結婚前提として俺と付き合うのに」
私は顔を赤くした。というか、しれっと言葉が増えている。結婚前提ってどういうことだ、と動揺している私に、坂木さんは条件を出す。
「今からホテル行って俺のが無事山本さんのナカに挿入出来たら、付き合えるってことでいいかな?」
イエス・ノー形式で聞いているけれど、言外に断らないよね、という雰囲気を醸し出している坂木さんである。
私は頷いた。
坂木さんに好意を抱いていたのは事実だし、告白された足で身体を重ねることに抵抗があるほど初心な大人でもない。むしろ、楽しい時を過ごしてまた元カレのようにセックスが出来ないからと振られる方がダメージが大きい。それなら身体の相性を確かめた上で付き合う方が合理的だ。
「分かった。……じゃあ行こうか」
坂木さんは私の手を握る。体格に合った大きな手に包まれながら私は、坂木さんのモノが自分に納まるサイズであることを願うのだった。
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