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しおりを挟む私の願いとは裏腹に、ホテルに行く前に寄ったドラッグストアで坂木さんが買ったのはLサイズの避妊具だった。
最初はすぐ近くのコンビニに行ったのだけどLサイズのモノは置いていなかったから、少し離れた薬局まで足を運んだのだ。
「本当はもう一回り大きいのがあったら良かったんだけど」
ボソリと恐ろしいことを呟いた坂木さんは、呆然としている私を残してローションと共にレジに向かったのだった。
※
ホテルで初対面した坂木さんのモノは、それは立派であった。
「え……。絶対入らな……」
シャワーを浴び、備え付けのバスローブを着ていた私はベッドの上で後退りする。そんな私にバスローブを脱ぎ捨てて一糸まとわぬ姿になっていた坂木さんは笑った。
「挿れるかどうかは置いとこうか、一旦。それよりも……」
坂木さんはすっと低い声になる。
「触っていい? 山本さん……いや奈緒さん」
坂木さんに名前を呼ばれた私は、それだけでゾクッとして上擦った声で、はい、と答えたのだった。
キスから始まった坂木さんとのプレイ。私は10分も経たない内にイヤらしい声をあげさせられていた。
「やぁ……坂木さ……んっ!!」
ベッドの真ん中でペタリと座り込んでいる私の声を塞ぐように坂木さんに唇を重ねられる。片手で後頭部をつかまれながらされたキスは、舌を絡める濃厚なやつだ。逃げる私の舌を器用に捉えると先っぽでツンツンと突いたかと思うと、ベロンと舐め上げてくる。
空いている左手は、バスローブの隙間から私の右乳首を捉えていた。もちろん、クネクネと捏ねることを忘れない。優しく摘まれたと油断していたら、時折ギュッと潰されて、私の身体は勝手に跳ねる。
抵抗しようにも岩のように逞しい坂木さんに組み敷かれている私は逃げることも出来ない。いや、逃げるつもりはなかったけれど、まだプレイが始まって間もないのに私の身体は快感に支配されていた。
正直私は、不感症気味だと思っていた。キスは好きだけど胸を揉まれても、濡れそぼった秘所に指や男性のモノを入れられても気持ちよさよりも不快感や違和感を感じることが多かったのだから。
下の口の近くについている淫乱な豆こそ快感を拾うけれど、彼氏に触られるよりも自分で触ったほうが100倍気持ちいい。なのに、私は今、坂木さんの指でそこを弄って欲しくて堪らなくなっていた。
ここに来る時に繋いでいた手で坂木さんの指の感触は知っていた。
太くてゴツゴツしていて、それでいて温かい手。今乳首をこねくり回しているように、明らかに自分とは違う男の人だと分かる指で淫らな豆を摘んで欲しかった。
私は、初めてセックスで欲情していた。
「さか……きさんっ……。胸ばっか……やぁっん!!」
「絢斗。奈緒さん、坂木さんじゃなくて、絢斗だよ」
耳に直接注ぎ込まれる坂木さんの言葉に、私の背筋はゾクゾクする。下の名前を、それもさん付けで呼ばれると、今まで記号でしかなかった奈緒っていう名前が、特別な響きを持つのだ。
「やぁっ! 坂木さん! 名前、呼ばない…………んっひゃん!!」
もう口は塞がれていない。喉から漏れる自分の甘い声も興奮させる材料の一つだった。それは私だけでなく、坂木さんにとってもそうだったようで、私が喘いだ瞬間、ぎゅっと乳首を強く摘まれた。先端を伸ばすように引っ張る坂木さんの指の動きに、私の身体の奥からぎゅーんとした快感が昇ってきて、胸の奥で弾けた。
「んっ……ひゃん!! あぁっ……」
ドンと突き上げられた後、身体に力が入らなくなる。ハァハァと肩で息をしながら余韻でボーっとする私に坂木さんは囁いた。
「乳首だけでイけた? 感度いいね」
「やぁ……違うの、坂木さん」
「だから絢斗だって」
「ひぁんん!!」
坂木……ううん、絢斗さんは、今まで放置していた左の乳首を捻り上げる。先ほど達したばかりの右の乳首は、爪でカリカリと引っ掛けながら。
「やぁっん!! 絢斗さんっ!! だめっ!! またきちゃっ!! んんっ!!」
「そう、俺の名前呼びながらそのまま気持ちいいの、追いかけて」
絢斗さんの言葉に誘導された私の脳は、勝手に乳首の刺激を求め始める。
「ひゃ……んんっ!! 絢斗さんっ! あや……とさっ!! んんんっ!!」
2回目が来るのは思いの外、早かった。
彼の名前を呼びながら左右で違う刺激を受けている私は、既に乳首で達していることもあり、いとも簡単に頂に登らされた。
ガクッと力が抜けた私を、絢斗さんはゆっくりとベッドの上に横たえた。乱れきってぐちゃぐちゃな状態で身体に巻きついていたバスローブを解くと、絢斗さんは私に確認した。
「下着、脱がすよ」
「あ……」
くちゅ、と水音が響いた。
自分でも分かっていた。私の下着は用をなさないくらい濡れそぼっていた。
「すご……。いつもこんなに濡らしているの?」
「違っ……んっ!!」
絢斗さんの指が私の秘所――クリトリスの上を這う。それだけで私は身悶えしてしまうのだ。
今までの男性との行為はそれほど好きじゃなかったのに。絢斗さんの指や唇で触れられると、なぜかビリビリとした快感が襲ってくるのだ。
「だよね。奈緒さん、あまり男に身体弄られたことないでしょ。っていうか付き合う男が良くない。女の子の身体は気持ちよくなるためにあるようなものなのに。しっかりと段階を踏めばこんなに……」
絢斗さんは私のクリトリスを上からぎゅっと潰した。
「ふぁ……あんっ!!」
「感度良好なのに」
イッてはいない。けれど私は自分でするよりも強い快感を感じていた。
「ねぇ、奈緒さん。どれくらい挿れられたらOK?」
絢斗さんの質問で私は我に返る。身体を半分起こし、改めて絢斗さんを眺めると、そこには変わらず――いや、屹立しているから先ほどよりも立派になった――男根が存在を主張していた。
「やぁ……、そんなん入んな……」
「入るよ」
絢斗さんは苦笑する。そして私のへその横あたりをクルクルと指先でなぞった。じれったいその感触ですら、私の身体は勝手に快楽と変換するようで、小さく、ん、と声を漏らしてしまった。
「さすがに全部は無理だろうけどね。先端だけでもOK? それとも半分くらいは必要?」
「絢斗さんのサイズ、絶対無理だから。先っぽだけでも。……だって私、普通のサイズでもローション使わないと入らないくらい……」
「狭いって?」
絢斗さんの言葉に私は首を縦に振る。絢斗さんは確かめるように私のナカに指を押し込んだ。ぬぷっという音と共に私の秘部は、太い絢斗さんの指をなんなく飲み込んだ。
そのことにも驚きだが、それよりも私は。
「ひゃあ!! あっ!! なっ……なにこれっ!! 全然違っ……んんっ!! ふぁっ!!」
今までと全然異なる膣内の感覚に腰を震わせた。
「やぁう!! んっ!! んあっ!!」
私の様子をしばらく観察していた絢斗さんは、何か嬉しいことに気づいたかのように笑った。
「自分で擦り付けてるね。そんなにいい? 俺の指」
「ちがっ……んんっ!! ふぁっ!! あ……ああんっ!!」
「そう?」
絢斗さんは、私のナカで指を曲げる。また違った感覚が身体を走り抜け、私は彼の指をぎゅっと締め付ける。それもまた刺激になるから困ったものだけど。
「気持ち……悪いっのに!! 圧迫されて、お腹の中、ぐっと押されて……んっ!! うにうにされて苦しいのにぃ……。変な声っ……んふぁん!! 出ちゃっ!!」
私のセリフに絢斗さんは一人納得したように頷いた。
「そうだった。奈緒さんは、男に気持ちいいこと教えられていないんだった。それなら……」
絢斗さんは放置していた私のクリトリスを反対の指で摘んだ。それだけで私はひっ、と声を上げる。
「同時に弄るから、ナカでも気持ちよくなって」
直後、絢斗さんは先ほど私の乳首をこねくり回したのと同じ動きをクリトリスでも再現する。あまり敏感じゃないはずの乳首でも、絶頂に押し上げられたくらいの手技だったのだ。これまで唯一快感を得ることが出来ていた敏感な豆は、一瞬で絢斗さんの指が与える快感を享受する。
「ひゃあ!! イッ!! イッちゃ……!!」
「うん、いいよ」
絢斗さんは、親指と人差し指でクリトリスのコリをほぐすように左右からクニクニと弄ぶ。自分でする時は指の腹で上下に擦るだけのクリトリスに、その刺激は強すぎた。
「あっ……あぁっ!! ……んくぅ!!」
私が来る絶頂に備え腹筋に入れた瞬間、絢斗さんはナカに挿れていた指を折り曲げたところにある膣壁を押したのだ。
ちょうどクリトリスの裏側辺りである。そして、またクリトリスも摘まれながらグイッと身体の方に押し潰される。
「んふぁん!! あっ!! ああぁんっ!! わかんないっ!! こんなっ!! 知らな……あんんんっ!!」
外と中、両方からクリトリスを潰された私は今まで感じたことのない絶頂に強制的に導かれる。
「やぁっ!! イッたのにぃ!! 全然ひかなっ……あぁんんん!!」
「うん、気持ちいいよね。男に誘導されてナカと外、同時にイくと」
絢斗さんが耳元で囁く。
そうか、これが本当の絶頂ってことなのか。
絢斗さんの言葉を受けて、脳が勝手に反応する。私は絢斗さんにしがみつきながら、本能のままの言葉を発した。
「うんっ!! 気持ちいいっ!! もっと!! もっとしてっ!! んあっ!!!」
絢斗さんは嬉しそうに笑うと、ぎゅっとクリトリスを潰したのだった。
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