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裏庭に潜む罠には飛び込むのが礼儀 4
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エドガーはそんな俺達を見ないようにしている中、俺もわざと反らせた視線を見ないようにして
「エドガー、彼はセシル・デューリー氏。事務所から派遣されてオリヴィエのマネージャーをしてくれる事になった。
ディーリー、彼はエドガー・ベクレル氏。この城にはこのコーヒーを淹れてくれたオリオールも同じエドガーと言う名前だけど彼は親しみを込めてエドガーと呼んでほしいそうなので親しみを込めてエドガーと呼んで貰えるとこちらも混乱しなくてすむ」
なんという手抜きな紹介を介してもエドガーは苦笑するだけで、二人はビジネスストライクと言う様に握手してスマホでお互いの連絡先を交換していた。
その合間に今朝こっちに戻って来る時に飯田さんにお願いしたフィナンシェを頂く事にする。まだ熱も籠りバターの甘い香りとサクッとした食感に笑みが浮かんでしまう。
「無性に飯田さんのフィナンシェが食べたくて帰ってきました」
と言えばオリオールを背後に置いた飯田さんは文句を言いたそうな顔でもそう言われたらかなわないと言う様に無言でキッチンに籠ってこうやって二人にお土産を渡せるくらいに大量に作ってくれるのだった。オリオールもどこかおかしそうに笑いながら手伝いをしてくれて来客予定時間に合わせて焼き上げてくれる腕にはもうサイコーですと言うしかない。
ちなみに先日から試運転も兼ねて初めてたオリオールの動画『ダイニングオリオール』の本日の動画はこのフィナンシェ作りで、チャンネル数も多い料理系なのに既に登録者が一万人に達しているあたり嫉妬するしかない。だけどそこは俺も大人なのでいくつも受賞したような人と比べようとはせず、眼を瞑って慣れ親しんだ飯田さんのフィナンシェを堪能する。
日持ちもするバターケーキだが焼き立てを食べるのもまた格別。香ばしい小麦の香りと焦がしたバターの香りは城中に広がり、一口食べてはコーヒーを飲む最高のコンボが無限に続きそうだった。が、今はお話し中なので一口食べた所でコーヒーを飲めば皆様俺が手にした事でやっと手を伸ばしてくれるのだった。この辺は山に集まる人と言い皆律儀だ。
「それではオリヴィエの私生活の面、動画配信と言った内容にこの城の一角の使用を家賃としてお支払すると言う事で宜しいでしょうか」
俺がうっとりとフィナンシェを堪能している間に進んだそんな契約の内容。
事前に打ち合わせしてあってこちらの妥協点は伝えているし、最低限のラインさえ超えなければお任せしますと言う事になっている。うっとりと飯田さんの料理を堪能していても当然話は聞いている。向こうもオリヴィエを食いつぶすつもりはなく、こちらを下に見るような事もしない。終始穏やかに話が進んでいくので俺の役目は一切ない。素晴らしきことだ。
「とりあえず今回のオリヴィエの引っ越しの初期費用は俺達の動画の再生数からの広告費で賄ってます。もともとオリヴィエの応援のつもりだったのでここは譲るつもりはありません。足は出ますがそれは今後の再生の見込み、と言う事にしましょう。元が取れなかったらそれは俺達の見込みが甘かった、それでいいでしょうか?」
その提案にすぐにディーリーはお願いしますと言う横でエドガーが書類として認めてくれた。パソコンでだけど。
「ねえ綾人、ひょっとしてあの部屋で揃えた物って高くついたの?」
不安そうなオリヴィエだが
「広告収入は足りなくてもオリヴィエが住む事で家賃収入が発生する。二十歳ぐらいでここを出て行いくとなると逆に十分結婚祝いを用意できるくらいになるからな。
しっかり働けばオリヴィエが金銭的な負担を一切感じる理由は一つもない。寧ろ俺の方がもうからせて悪いなぁって話しだ」
お金で苦労して来たからか金銭的な負担を一切感じなくていいと言えばほっとした顔を見せるが、顔を上げずに少し俯いている。まだ何か負担があるのだろうかと思うも話は進む。
「そしてこの城のルールとしてですが、部屋にご友人をお泊めするのは構いません。ですが、食べ物の持ち込みは良くてもオリオール氏に食事の要求はみとめません。親族が遊びに来る事までは良くても、宿泊はご遠慮お願いします。室内の私物に関してはは個人の所有物になりますが、城内の共用スペースの物に関しては吉野氏の所有物となります。勝手な売買、譲渡と言った行為は犯罪になります。ご注意ください。宿泊に関してはダイニングに掲げたスケジュールに書きこむ事で共通認識とする。更に……」
エドガーの説明は尚も続く。オリヴィエはたくさん覚える事があり明文化した書類を追いかけるように読んでいても目を回しているがディーリーはさすが秘書をしていただけあって事前に用意した書類と口頭の内容に目を通しながら一つ一つエドガーと確認をしていく。勿論それはどの範囲でとかそう言った疑問にも答えて行き、練習をかねてオリオールを雇う時と同じ内容で問門しただけあって話はスムーズに進んでいく。
片や長年培った経験と片や信頼を預かる身となった立場からの視点はこんなにも見方が変わるのかと綾人も勉強になると口を挟まずに黙って見守っていた。
書類も終わりの頃になればコーヒーも減り、おなかもすいて来たので隣に座る飯田さんにお昼の準備をしてもらった。
少し早いが親睦をかねてこの契約の締結(仮)のお祝いの場をお願いしていた。少し華やかな昼食と言うレベルだが、今日の日の為にリベットとオラスが応援に駆けつけて来てくれた。なので飯田さんは必要ないとキッチンから追い出された事にも少し拗ねているが、こうやって俺の世話をしながらもこの話し合いの中お菓子の追加をしたりミネラルウォーターを用意したり、会議の進行をグラスを変えたりするタイミングで報告したりとメートル的な仕事も兼ねているので十分お役になっている。
とにかくエドガーとディーリーは話が合うと言う様にサクサクと俺を無視して内容の難しさに目を回しているオリヴィエに一つ一つちゃんと噛み砕きながら説明して確認を取り話を進めてくれているので俺も安心して見ていられると言う様にこの様子を記憶しておく。
そして満足げな二人の顔は
「アヤト、後日正式な書類を作って事務所の方にサインを書いてもらうがこれで問題ないか?」
プリンターから仮の書類を見せてもらい目を通してスペルミスがないかもチェックする。
「悪くないね。
じゃあ本契約の有効期限はは九月一日から有効期限一年とし、以後自動更新とする。
これは今後のオリヴィエの活躍の広がりを予測して、逆に足かせにならない為に一度見直す機会を入れておくとの提案に問題が無ければこれを持って完成としよう」
それにエドガーもディーリーも納得すれば、最後に一文を加えた物を再度プリントアウトしてお互いそれを持つ。
「オリヴィエもオリオールにご飯を作ってもらうんだからマイヤーの家に行って夕飯が間に合わないとか外でご飯を食べる時は必ず連絡をする事。ご飯を無駄にするような奴を俺は面倒見る気はないからな」
「うん。オリオールのご飯を無駄に何て出来ないよ。オリオールのおかげで俺好き嫌いもだいぶ減ったんだよ」
「この贅沢者め!」
思わず小突いてオリオールのご飯を毎食食べれる幸せにディーリー以外羨ましがるのを彼は不思議そうな顔をしていたが、でもそれから数分後には納得せずにはいられなかった。
「綾人さんテラスにランチを用意して頂きました。
皆さんも移動お願いします」
飯田さんの明るい声が響けば漂ってくるか折りに誰ともなく口角が上がる。
ここ数日天気も良いし夏とは言えテラスの影は心地よく、オリヴィエが古いカウチを発見してシーツをかけて昼寝をしようとしたらちゃっかり先生が昼寝したりと奪い合うくらいの大人気の場所にはどこで見つけてきたのか古いテーブルと椅子に真っ白なクロスを置いてプレートやグラスが既に揃えられていた。
「エドガー、彼はセシル・デューリー氏。事務所から派遣されてオリヴィエのマネージャーをしてくれる事になった。
ディーリー、彼はエドガー・ベクレル氏。この城にはこのコーヒーを淹れてくれたオリオールも同じエドガーと言う名前だけど彼は親しみを込めてエドガーと呼んでほしいそうなので親しみを込めてエドガーと呼んで貰えるとこちらも混乱しなくてすむ」
なんという手抜きな紹介を介してもエドガーは苦笑するだけで、二人はビジネスストライクと言う様に握手してスマホでお互いの連絡先を交換していた。
その合間に今朝こっちに戻って来る時に飯田さんにお願いしたフィナンシェを頂く事にする。まだ熱も籠りバターの甘い香りとサクッとした食感に笑みが浮かんでしまう。
「無性に飯田さんのフィナンシェが食べたくて帰ってきました」
と言えばオリオールを背後に置いた飯田さんは文句を言いたそうな顔でもそう言われたらかなわないと言う様に無言でキッチンに籠ってこうやって二人にお土産を渡せるくらいに大量に作ってくれるのだった。オリオールもどこかおかしそうに笑いながら手伝いをしてくれて来客予定時間に合わせて焼き上げてくれる腕にはもうサイコーですと言うしかない。
ちなみに先日から試運転も兼ねて初めてたオリオールの動画『ダイニングオリオール』の本日の動画はこのフィナンシェ作りで、チャンネル数も多い料理系なのに既に登録者が一万人に達しているあたり嫉妬するしかない。だけどそこは俺も大人なのでいくつも受賞したような人と比べようとはせず、眼を瞑って慣れ親しんだ飯田さんのフィナンシェを堪能する。
日持ちもするバターケーキだが焼き立てを食べるのもまた格別。香ばしい小麦の香りと焦がしたバターの香りは城中に広がり、一口食べてはコーヒーを飲む最高のコンボが無限に続きそうだった。が、今はお話し中なので一口食べた所でコーヒーを飲めば皆様俺が手にした事でやっと手を伸ばしてくれるのだった。この辺は山に集まる人と言い皆律儀だ。
「それではオリヴィエの私生活の面、動画配信と言った内容にこの城の一角の使用を家賃としてお支払すると言う事で宜しいでしょうか」
俺がうっとりとフィナンシェを堪能している間に進んだそんな契約の内容。
事前に打ち合わせしてあってこちらの妥協点は伝えているし、最低限のラインさえ超えなければお任せしますと言う事になっている。うっとりと飯田さんの料理を堪能していても当然話は聞いている。向こうもオリヴィエを食いつぶすつもりはなく、こちらを下に見るような事もしない。終始穏やかに話が進んでいくので俺の役目は一切ない。素晴らしきことだ。
「とりあえず今回のオリヴィエの引っ越しの初期費用は俺達の動画の再生数からの広告費で賄ってます。もともとオリヴィエの応援のつもりだったのでここは譲るつもりはありません。足は出ますがそれは今後の再生の見込み、と言う事にしましょう。元が取れなかったらそれは俺達の見込みが甘かった、それでいいでしょうか?」
その提案にすぐにディーリーはお願いしますと言う横でエドガーが書類として認めてくれた。パソコンでだけど。
「ねえ綾人、ひょっとしてあの部屋で揃えた物って高くついたの?」
不安そうなオリヴィエだが
「広告収入は足りなくてもオリヴィエが住む事で家賃収入が発生する。二十歳ぐらいでここを出て行いくとなると逆に十分結婚祝いを用意できるくらいになるからな。
しっかり働けばオリヴィエが金銭的な負担を一切感じる理由は一つもない。寧ろ俺の方がもうからせて悪いなぁって話しだ」
お金で苦労して来たからか金銭的な負担を一切感じなくていいと言えばほっとした顔を見せるが、顔を上げずに少し俯いている。まだ何か負担があるのだろうかと思うも話は進む。
「そしてこの城のルールとしてですが、部屋にご友人をお泊めするのは構いません。ですが、食べ物の持ち込みは良くてもオリオール氏に食事の要求はみとめません。親族が遊びに来る事までは良くても、宿泊はご遠慮お願いします。室内の私物に関してはは個人の所有物になりますが、城内の共用スペースの物に関しては吉野氏の所有物となります。勝手な売買、譲渡と言った行為は犯罪になります。ご注意ください。宿泊に関してはダイニングに掲げたスケジュールに書きこむ事で共通認識とする。更に……」
エドガーの説明は尚も続く。オリヴィエはたくさん覚える事があり明文化した書類を追いかけるように読んでいても目を回しているがディーリーはさすが秘書をしていただけあって事前に用意した書類と口頭の内容に目を通しながら一つ一つエドガーと確認をしていく。勿論それはどの範囲でとかそう言った疑問にも答えて行き、練習をかねてオリオールを雇う時と同じ内容で問門しただけあって話はスムーズに進んでいく。
片や長年培った経験と片や信頼を預かる身となった立場からの視点はこんなにも見方が変わるのかと綾人も勉強になると口を挟まずに黙って見守っていた。
書類も終わりの頃になればコーヒーも減り、おなかもすいて来たので隣に座る飯田さんにお昼の準備をしてもらった。
少し早いが親睦をかねてこの契約の締結(仮)のお祝いの場をお願いしていた。少し華やかな昼食と言うレベルだが、今日の日の為にリベットとオラスが応援に駆けつけて来てくれた。なので飯田さんは必要ないとキッチンから追い出された事にも少し拗ねているが、こうやって俺の世話をしながらもこの話し合いの中お菓子の追加をしたりミネラルウォーターを用意したり、会議の進行をグラスを変えたりするタイミングで報告したりとメートル的な仕事も兼ねているので十分お役になっている。
とにかくエドガーとディーリーは話が合うと言う様にサクサクと俺を無視して内容の難しさに目を回しているオリヴィエに一つ一つちゃんと噛み砕きながら説明して確認を取り話を進めてくれているので俺も安心して見ていられると言う様にこの様子を記憶しておく。
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「アヤト、後日正式な書類を作って事務所の方にサインを書いてもらうがこれで問題ないか?」
プリンターから仮の書類を見せてもらい目を通してスペルミスがないかもチェックする。
「悪くないね。
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これは今後のオリヴィエの活躍の広がりを予測して、逆に足かせにならない為に一度見直す機会を入れておくとの提案に問題が無ければこれを持って完成としよう」
それにエドガーもディーリーも納得すれば、最後に一文を加えた物を再度プリントアウトしてお互いそれを持つ。
「オリヴィエもオリオールにご飯を作ってもらうんだからマイヤーの家に行って夕飯が間に合わないとか外でご飯を食べる時は必ず連絡をする事。ご飯を無駄にするような奴を俺は面倒見る気はないからな」
「うん。オリオールのご飯を無駄に何て出来ないよ。オリオールのおかげで俺好き嫌いもだいぶ減ったんだよ」
「この贅沢者め!」
思わず小突いてオリオールのご飯を毎食食べれる幸せにディーリー以外羨ましがるのを彼は不思議そうな顔をしていたが、でもそれから数分後には納得せずにはいられなかった。
「綾人さんテラスにランチを用意して頂きました。
皆さんも移動お願いします」
飯田さんの明るい声が響けば漂ってくるか折りに誰ともなく口角が上がる。
ここ数日天気も良いし夏とは言えテラスの影は心地よく、オリヴィエが古いカウチを発見してシーツをかけて昼寝をしようとしたらちゃっかり先生が昼寝したりと奪い合うくらいの大人気の場所にはどこで見つけてきたのか古いテーブルと椅子に真っ白なクロスを置いてプレートやグラスが既に揃えられていた。
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