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維持する努力が一番難しく思います 4
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先日仕上がったプログラムを納品先に納めた。
昔のプログラムのバージョンアップは三つの言語を組み合わせて作ったコンピュータランゲージに酷くクレームを頂いた。
「これじゃ誰も判らないだろう」
「基本日本語と同じように考えてもらえれば解読できるはずだんだけどな」
「うちは科学を職場とする所なんだ!言語で遊ぶ趣味はない!」
「本気で真面目に開発したのに。いいよ。普通のランゲージに戻すだけだから」
ぽちっとファイルを送信。
「使い方はワードに書いてあるから」
「アヤト、単に俺達をからかいたかっただけだろ」
「文字化けを逆に利用しただけだ。むしろ科学の時間だと思う」
頷きながらPCの隅に小さな映像を映す話し相手はその間にもプログラムを読めるようにしたのか内容を見て口笛を吹いていた。
「相変わらず想像力ぶっとんでるな」
言いながらもモニターの相手は俺ではなく画面に釘付けのようで
「使えるようならそこの金額振り込んでもらえばいいから。後は適当にバージョンアップよろしく」
「相変わらず交渉とはほど遠い交渉だな」
「まぁ、それなりにがんばったけど?
いらなかったら処分するだけだし?」
「その潔さも相変わらずだな」
「まあね。
卒業後の進路を考えれば他の企業でも買ってもらえるし?当てもあるし?
今は学生の身分だからびっくり価格だけど卒業したらちゃんと企業を立ち上げればそのビックリ価格に丸を一つ二つ増やしても妥当だと思うし?」
「いつの間に人脈を作ったんだか。
一応これは上と相談するよ。これでも新作を首を長くして待ってたくらいなんだから」
「前回もかなり独特で突破できそうになかったんだけどな」
「悪いな。内部でやられたらどうしようもないんだ」
「こわーい」
何て男がやってどうよと思うように可愛らしくキャラキャラと笑って見せる。
実際は笑い事ではないくらいの莫大な金額の被害が出ているのだろうがそこまでは俺の管轄ではない。
寧ろ十年も前に作ったプログラムがまだ瀕死ながらも生きている方が不思議なのだから。とっくに中身解明されて役に立たなくなっていてもおかしくない物を画面の小さなモニターの相手が生かし続けてくれたのだ。日々細かなバージョンアップを重ねて堅牢なガーディアンとなって維持していたがやはり限界はある。外よりも中が弱いと言うどうしようもない弱点に前々から依頼を受けていたがそう簡単にできるわけがないと断り続けていたけどカレッジに進みそれなりに学ぶ事もあったので重い腰を上げる様に一年前ぐらいから製作に取り掛かったが思う様に仕上がらなかったものの家に戻って座り慣れた椅子に納まった事で一気に何かが爆発する様に作り上げたソフトは大暴走してると言っても良いだろう。
とりあえず翻訳ソフトも送ったのでもう問題はないだろ。
「悪いけどそろそろ落ちるから」
「ああ、悪いな。近いうちにまた連絡入れる」
「よろしくー」
何て俺の英語の先生の顔が見えなくなった所であくびを零して家を出る。
まだ薄暗い黎明の時。
だけど霧が深く暗い世の中を半分眠りながら烏骨鶏ハウスへと向かい
「朝だぞー」
何て扉を開けるもみんなもう朝?と言う様にくー、くーと文句を言ってきた。
日の出時間ではなくやはり太陽の光量で寝起きする鳥タイムには付き合いきれない俺の今の眠気。
仕方がないと好きな時に出られるように扉を開けた後は身に付いた習慣と言う様に山水を引き込んで冷たい水で顔を洗う。
とりあえず徹夜明けのお腹はすいたので畑に行ってトマトとキュウリをもいで水で洗って食べるだけの朝食。その前にいつもより水は少なめだけど水門を閉ざすのはこの後雨が降るだろうと予測した物。
くあっ、っとあくびを零し
「寝よう」
水のペットボトルを手にしてベットに潜り込めば次に目が覚めたのは
「綾人ー!
烏骨鶏出しっぱなしで寝ちゃだめじゃん!」
なぜか宮下に起こされて時計を見ればさっき寝たはずの時間。
「……」
「母さんから蕎麦打ったから持って行けって来たけど車から降りたら烏骨鶏が寂しがって集まってきて身動き取れなくって大変だったんだからね」
その証拠と言わんばかりにズボンの裾には烏骨鶏の真っ白な羽が引っ付いていた。
と言うかおばさんが朝っぱらから蕎麦を打っていたと言う方が緊急事態だ。
「おばさん何かあったの?」
「うちの母さんが何かあったら蕎麦を打つって言うの止めて」
本当に単に打ったと言う話しだったらしい。
「おばさんの蕎麦好きだから良いけど。お昼に貰うから冷蔵庫に入れといて」
「温かい蕎麦にして食べるなら作るよ?」
朝からそんなにもと考えるけど
「作ってくれるなら食べるー」
「作らす気だったくせに」
「上げ膳据え膳が最強に美味いって言うのは身に染みているので」
「わかるー。一人暮らし経験すると本当にありがたいよね」
「特に先生がうちに居座るとありがたさ倍増!」
「ほんと先生役に立たないからね」
「それー」
居れば居たで役に立つが、それに支払う物が多すぎだろうとレートの合わない先生を出てけとは言えないのが先生の人徳なのだろう。人徳か?
まあいい。
「先生もたまには実家に帰って親孝行してくるっていうから今回のお見合いの失敗談を楽しみにしよう」
「相変わらずお見合い好きな家だよね。兄貴にも誰か紹介してほしい」
事故物件しかないのにいいのかよと思うもその前にだ。
「宮下は誰か相手いないのか?
依頼先に行った時の家の人とか、香奈とか?」
「何で香奈ちゃん」
笑うあたり本当に未だ脈なしかと思えば香奈哀れと言うしかない。
「宮下の知り合いの中から香奈しか思い浮かばないからな」
「香奈ちゃんに失礼だよ。あんなに綺麗になったんだから恋人の一人や二人いてもおかしくないよ」
「いや、二人は問題だろう」
そんなビッチな子に育ってたら圭斗が泣くぞと言いたいが
「今はまだ長沢さんから教えてもらう事がいっぱいでそう言う事まで手が回らないかな。
まあ、長沢さんが生きている間に良い縁があればいいんだけどね。長沢さんにベビーベット作ってもらうんだ」
そこまで未来を描いておいて相手がいないと言う理由を教えてもらいたい。
俺なんかそういった相手を考えた事ないからそんな事も考え付かないのでへーなんてスルーする位だけど
「圭斗は?」
「相変わらず陸を無事育て上げるまでは考えないって言ってる」
呆れたよな溜息。
「つか、育て上げるってどこまでがゴール?」
「結婚して子供が出来るまでとか?」
先長すぎだろう。せめて香奈までにしておけと言いたいが藪蛇を突きそうなので黙っておくも
「そう言う綾人は向こうで良い出会いないの?」
好奇心満載に聞いてきた宮下に俺は急に現実に戻った。
「デアイ、ナイ。オンナノコ、シラナイイキモノ……」
もう思考が止まったと言う様に片言になった言葉にぎょっとした宮下は
「綾人今はもう何も考えないで!
ごめんね!変な事聞いて!もう忘れて良いからお蕎麦食べようね!!!」
「烏骨鶏の卵絡ませた奴が良い」
「おつゆで割ってあげるからご飯にしようね!」
「うん。顔洗ってくる」
まる一日爆睡した身体は軽いを通り越えて逆に水分不足からか重くてずるずると縁側を歩いてトイレに直行。
そのまま隣の部屋でごろごろしてれば宮下が暖かなお蕎麦とざるそばを用意してくれた。お蕎麦をお蕎麦で食べる不思議な食卓だけど食べてる間に切っただけのトマトやキュウリが彩りを添えてくれる夏の定番の食卓はあっという間に終わるそれが朝食。
宮下は相変わらず優しい事に洗いものまでしてくれる事に感謝して、エネルギーを補充した事でやっとしっかりと目を覚ました。
「もう大丈夫そうだね?」
「悪いな。それより仕事は大丈夫か?」
時計を見ればまだまだ早いだろう時間だけど
「麓の家の掃除をしなくちゃ。先生がいないうちに二階を片付けないとね」
「あの教師は相変わらずか」
溜息を零しながら俺の家だぞと主張するも
「でも、最近はちゃんと食べた物は流しに持ってくるようになったんだ」
言い続けたかいがあったよなんて言う宮下を少しだけ尊敬してみた。
昔のプログラムのバージョンアップは三つの言語を組み合わせて作ったコンピュータランゲージに酷くクレームを頂いた。
「これじゃ誰も判らないだろう」
「基本日本語と同じように考えてもらえれば解読できるはずだんだけどな」
「うちは科学を職場とする所なんだ!言語で遊ぶ趣味はない!」
「本気で真面目に開発したのに。いいよ。普通のランゲージに戻すだけだから」
ぽちっとファイルを送信。
「使い方はワードに書いてあるから」
「アヤト、単に俺達をからかいたかっただけだろ」
「文字化けを逆に利用しただけだ。むしろ科学の時間だと思う」
頷きながらPCの隅に小さな映像を映す話し相手はその間にもプログラムを読めるようにしたのか内容を見て口笛を吹いていた。
「相変わらず想像力ぶっとんでるな」
言いながらもモニターの相手は俺ではなく画面に釘付けのようで
「使えるようならそこの金額振り込んでもらえばいいから。後は適当にバージョンアップよろしく」
「相変わらず交渉とはほど遠い交渉だな」
「まぁ、それなりにがんばったけど?
いらなかったら処分するだけだし?」
「その潔さも相変わらずだな」
「まあね。
卒業後の進路を考えれば他の企業でも買ってもらえるし?当てもあるし?
今は学生の身分だからびっくり価格だけど卒業したらちゃんと企業を立ち上げればそのビックリ価格に丸を一つ二つ増やしても妥当だと思うし?」
「いつの間に人脈を作ったんだか。
一応これは上と相談するよ。これでも新作を首を長くして待ってたくらいなんだから」
「前回もかなり独特で突破できそうになかったんだけどな」
「悪いな。内部でやられたらどうしようもないんだ」
「こわーい」
何て男がやってどうよと思うように可愛らしくキャラキャラと笑って見せる。
実際は笑い事ではないくらいの莫大な金額の被害が出ているのだろうがそこまでは俺の管轄ではない。
寧ろ十年も前に作ったプログラムがまだ瀕死ながらも生きている方が不思議なのだから。とっくに中身解明されて役に立たなくなっていてもおかしくない物を画面の小さなモニターの相手が生かし続けてくれたのだ。日々細かなバージョンアップを重ねて堅牢なガーディアンとなって維持していたがやはり限界はある。外よりも中が弱いと言うどうしようもない弱点に前々から依頼を受けていたがそう簡単にできるわけがないと断り続けていたけどカレッジに進みそれなりに学ぶ事もあったので重い腰を上げる様に一年前ぐらいから製作に取り掛かったが思う様に仕上がらなかったものの家に戻って座り慣れた椅子に納まった事で一気に何かが爆発する様に作り上げたソフトは大暴走してると言っても良いだろう。
とりあえず翻訳ソフトも送ったのでもう問題はないだろ。
「悪いけどそろそろ落ちるから」
「ああ、悪いな。近いうちにまた連絡入れる」
「よろしくー」
何て俺の英語の先生の顔が見えなくなった所であくびを零して家を出る。
まだ薄暗い黎明の時。
だけど霧が深く暗い世の中を半分眠りながら烏骨鶏ハウスへと向かい
「朝だぞー」
何て扉を開けるもみんなもう朝?と言う様にくー、くーと文句を言ってきた。
日の出時間ではなくやはり太陽の光量で寝起きする鳥タイムには付き合いきれない俺の今の眠気。
仕方がないと好きな時に出られるように扉を開けた後は身に付いた習慣と言う様に山水を引き込んで冷たい水で顔を洗う。
とりあえず徹夜明けのお腹はすいたので畑に行ってトマトとキュウリをもいで水で洗って食べるだけの朝食。その前にいつもより水は少なめだけど水門を閉ざすのはこの後雨が降るだろうと予測した物。
くあっ、っとあくびを零し
「寝よう」
水のペットボトルを手にしてベットに潜り込めば次に目が覚めたのは
「綾人ー!
烏骨鶏出しっぱなしで寝ちゃだめじゃん!」
なぜか宮下に起こされて時計を見ればさっき寝たはずの時間。
「……」
「母さんから蕎麦打ったから持って行けって来たけど車から降りたら烏骨鶏が寂しがって集まってきて身動き取れなくって大変だったんだからね」
その証拠と言わんばかりにズボンの裾には烏骨鶏の真っ白な羽が引っ付いていた。
と言うかおばさんが朝っぱらから蕎麦を打っていたと言う方が緊急事態だ。
「おばさん何かあったの?」
「うちの母さんが何かあったら蕎麦を打つって言うの止めて」
本当に単に打ったと言う話しだったらしい。
「おばさんの蕎麦好きだから良いけど。お昼に貰うから冷蔵庫に入れといて」
「温かい蕎麦にして食べるなら作るよ?」
朝からそんなにもと考えるけど
「作ってくれるなら食べるー」
「作らす気だったくせに」
「上げ膳据え膳が最強に美味いって言うのは身に染みているので」
「わかるー。一人暮らし経験すると本当にありがたいよね」
「特に先生がうちに居座るとありがたさ倍増!」
「ほんと先生役に立たないからね」
「それー」
居れば居たで役に立つが、それに支払う物が多すぎだろうとレートの合わない先生を出てけとは言えないのが先生の人徳なのだろう。人徳か?
まあいい。
「先生もたまには実家に帰って親孝行してくるっていうから今回のお見合いの失敗談を楽しみにしよう」
「相変わらずお見合い好きな家だよね。兄貴にも誰か紹介してほしい」
事故物件しかないのにいいのかよと思うもその前にだ。
「宮下は誰か相手いないのか?
依頼先に行った時の家の人とか、香奈とか?」
「何で香奈ちゃん」
笑うあたり本当に未だ脈なしかと思えば香奈哀れと言うしかない。
「宮下の知り合いの中から香奈しか思い浮かばないからな」
「香奈ちゃんに失礼だよ。あんなに綺麗になったんだから恋人の一人や二人いてもおかしくないよ」
「いや、二人は問題だろう」
そんなビッチな子に育ってたら圭斗が泣くぞと言いたいが
「今はまだ長沢さんから教えてもらう事がいっぱいでそう言う事まで手が回らないかな。
まあ、長沢さんが生きている間に良い縁があればいいんだけどね。長沢さんにベビーベット作ってもらうんだ」
そこまで未来を描いておいて相手がいないと言う理由を教えてもらいたい。
俺なんかそういった相手を考えた事ないからそんな事も考え付かないのでへーなんてスルーする位だけど
「圭斗は?」
「相変わらず陸を無事育て上げるまでは考えないって言ってる」
呆れたよな溜息。
「つか、育て上げるってどこまでがゴール?」
「結婚して子供が出来るまでとか?」
先長すぎだろう。せめて香奈までにしておけと言いたいが藪蛇を突きそうなので黙っておくも
「そう言う綾人は向こうで良い出会いないの?」
好奇心満載に聞いてきた宮下に俺は急に現実に戻った。
「デアイ、ナイ。オンナノコ、シラナイイキモノ……」
もう思考が止まったと言う様に片言になった言葉にぎょっとした宮下は
「綾人今はもう何も考えないで!
ごめんね!変な事聞いて!もう忘れて良いからお蕎麦食べようね!!!」
「烏骨鶏の卵絡ませた奴が良い」
「おつゆで割ってあげるからご飯にしようね!」
「うん。顔洗ってくる」
まる一日爆睡した身体は軽いを通り越えて逆に水分不足からか重くてずるずると縁側を歩いてトイレに直行。
そのまま隣の部屋でごろごろしてれば宮下が暖かなお蕎麦とざるそばを用意してくれた。お蕎麦をお蕎麦で食べる不思議な食卓だけど食べてる間に切っただけのトマトやキュウリが彩りを添えてくれる夏の定番の食卓はあっという間に終わるそれが朝食。
宮下は相変わらず優しい事に洗いものまでしてくれる事に感謝して、エネルギーを補充した事でやっとしっかりと目を覚ました。
「もう大丈夫そうだね?」
「悪いな。それより仕事は大丈夫か?」
時計を見ればまだまだ早いだろう時間だけど
「麓の家の掃除をしなくちゃ。先生がいないうちに二階を片付けないとね」
「あの教師は相変わらずか」
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