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冬場は雪から家を守る為に動かずにいれば冬眠と言われるなんて知らないと思ったら大間違いだ! 3
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本日は珍しく山を下りる決心をした。
なんとクリスマスパーティにお呼ばれされているのだ。
ホストは凛ちゃんwithご両親。
保育園のクリスマスパーティーをおうちでもしたいと言う可愛らしいお願いに俺達が招集されたわけだ。
保育園のお友達は?みなさんのご両親さん達が忙しくて保育園に通学と言う。
ちょっと悲しいと言うか、まあ、だから保育園なんだよなと納得しながら山間の小さな街の友好関係を心配しておく。
折り紙の輪っかを繋げて部屋を飾り、部屋の片隅には本物のモミの木で作った本格クリスマスツリーが鎮座している。オーナメントはクッキーが飾ってあって、所々齧った痕があるのがご愛嬌。ゲストにはお友達の熊のぬいぐるみがツリーを囲んでいて、俺達が到着すると可愛らしいサンタさんのコスを着た凛ちゃんがお出迎えに来てくれたのだ。お父さんとお母さんは頭にトナカイのカチューシャをしていて全力で盛り上げようとしているのが微笑ましい。むしろ違和感が無くて馴染み過ぎてる気がする。
まあ、蒼トナカイさんのガラが悪くてなんだけど。
ちなみに今回はクリスマスだからと言って髪は緑色に染めてモミの木をイメージしたとか意味わからん。でも一応なんかしらテーマを持って染めているようなので心の中で髪は長い友達だぞと訴えておくに留めている。
やがて宮下、圭斗、園芸部に浩志と集まる。お爺ちゃん達と浩太さんはプレゼントをクリスマスツリーの下に置いてもらって不参加。若者でどうぞと言う事らしい。ちなみに凛ちゃんの推しと言うか初恋の燈火は本日もお仕事なので不参加となっている。プレゼントはもちろんツリーの下にある。気になるのかずっとそわそわしている姿にみんなにこにことした顔で見守っていた。
ちなみに推しの理由は保育園の帰り道に燈火の店のお庭の掃除のお手伝いをしてジュースを貰って帰るから。まだまだちょろ…… 可愛らしいと和んでしまうのは常連さんも同様だ。
「凛ちゃんメリークリスマス」
「あやちゃんメリークリスマス!」
舌っ足らずだけどだいぶ発音がはっきりする中俺の手を引いて案内してくれる凛ちゃんはもううきうしててハイテンション。
「今夜熱が上がらないといいのだけどね」
何てお母様は心配する。
既に圭斗と園芸部と浩志が来ていて、俺の到着からすぐに宮下も来た。
「綾人も無事来れたんだ」
「新雪が厄介だったけどゆっくり来たから大丈夫だよ」
何せ宮下の家の前の道路に出るまでが私有地だ。私有地は除雪してもらえないので自力で移動するしかないし、何かあっても見つけてもらえない所か野生動物に見つかる方が早い我が家の事情。絶対事故りたくないので安全運転ぜったいが合言葉だ。
「宮下は新居の手入れ?」
「うん。先週みんなに手伝ってもらって天井側に断熱材入れたんだ。壁と床にはまだ入れてないから全然寒いけどね」
「ちゃんとリフォーム進んでるな」
「ありがたいのかどうかわからないけど仕事が少ない時期だからね」
とは言っても多少はある。年末なので襖を張り替えたいとか障子を張り替えたいとか依頼が舞い込むと言う。
障子ぐらい自分で張り替えろよと思ってしまうもこの地域の家は古い家が多いので障子の枚数が半端ない家が結構ある。
『もう目が見えにくいからねえ』
正真正銘の老眼は余分な障子紙を切り落とすのがしんどいそうなのでお願いする事にすると言うそうだ。
そう言われると仕方がないと思いながらそういや俺も障子貼りかえる事が出来るのもバアちゃんにやらされたからだよなとやっぱりあれはバアちゃんも老眼が辛かったんだなと今頃になってやっと気が付いた。
全員そろった所で俺達は凛ちゃんお手製のパーティの帽子をかぶらされている。
画用紙を円錐型に作ったアレ。
お星さまの切り抜きがぺたぺたとノリで貼りつけてあってどれだけ気合を入れていたのか、ご両親の努力が涙ぐましかった。
それはさておき、クリスマスの一大イベントと言えばクリスマスケーキ。
サンタさんとトナカイさんの蝋燭に火をつけて息を吹き付ける役目は勿論凛ちゃん。
「ふーするね!」
気合を入れてフーッ吐息を吹き付けてもなかなか消えないのが蝋燭。
「ふーっ!ふーっ!」
何度かの気合を入れて息を吹き付ける様子は思わず応援をしてしまい、やっと消えた所で誰ともなく拍手をしてしまうのは顔を真っ赤にしてやりきった顔をしている凛ちゃんの凛々しい姿をしていたからだ。
その後は蒼さんがジュースを入れてくれて、実桜さんがケーキを切り分けてくれた。
俺はぼんやりとだけどその光景をどこか不思議そうに眺めていた。
隣の席に座る圭斗に
「クリスマスってこう言う感じなの?」
俺の知るクリスマスは夕食の時にプレゼントを渡されてカットされたクリスマス仕様のケーキを各自食べたいタイミングで食べるだけ。勿論蝋燭なんてない。
他所様の家の様子を知らないのでなんとなく聞けば
「さあ?あの親がクリスマスなんてやると思うか?」
聞いた相手が悪かった。
思わずさっと視線を反らせた横に居た浩志に
「浩志の所のクリスマスってこんな感じ?」
聞けば何を言われてるのかわからないと言う顔で
「こんなもんじゃないの?
蝋燭の火を消すのを出しぬいたり、ケーキのあの人形美味しくないのに欲しいとか、チョコレートのプレートが欲しいとか、切り分けたケーキが少しでも大きい方が欲しいとかそう言う感じじゃない?」
まだ普通の家庭を過ごしていた時の記憶はまさに幸せ家族だったのかと感心をしながらも姉と弟の仲の一面が見えて本当に何で一家崩壊までたどり着いてしまったのかと思っていれば
「さあ、ケーキをどうぞ」
スライスしたイチゴとチョンと乗せられたイチゴを飾る真っ白のケーキを実桜さんから受けとれば何だか突如思い出す。
「昔水野にケーキ切らせたら人数分に切れなかった事件を思い出した」
「あったねー」
さすがに宮下も覚えていたあの笑劇の事件にそんな事があるのかと園芸部や蒼さん達も驚く横で幸せそうにイチゴを頬張る凛ちゃんにこの先ずっとこんな幸せなクリスマスを体験できますようにとケーキの飾りの黄色いお星さまのチョコレートに祈って食べた。
なんとクリスマスパーティにお呼ばれされているのだ。
ホストは凛ちゃんwithご両親。
保育園のクリスマスパーティーをおうちでもしたいと言う可愛らしいお願いに俺達が招集されたわけだ。
保育園のお友達は?みなさんのご両親さん達が忙しくて保育園に通学と言う。
ちょっと悲しいと言うか、まあ、だから保育園なんだよなと納得しながら山間の小さな街の友好関係を心配しておく。
折り紙の輪っかを繋げて部屋を飾り、部屋の片隅には本物のモミの木で作った本格クリスマスツリーが鎮座している。オーナメントはクッキーが飾ってあって、所々齧った痕があるのがご愛嬌。ゲストにはお友達の熊のぬいぐるみがツリーを囲んでいて、俺達が到着すると可愛らしいサンタさんのコスを着た凛ちゃんがお出迎えに来てくれたのだ。お父さんとお母さんは頭にトナカイのカチューシャをしていて全力で盛り上げようとしているのが微笑ましい。むしろ違和感が無くて馴染み過ぎてる気がする。
まあ、蒼トナカイさんのガラが悪くてなんだけど。
ちなみに今回はクリスマスだからと言って髪は緑色に染めてモミの木をイメージしたとか意味わからん。でも一応なんかしらテーマを持って染めているようなので心の中で髪は長い友達だぞと訴えておくに留めている。
やがて宮下、圭斗、園芸部に浩志と集まる。お爺ちゃん達と浩太さんはプレゼントをクリスマスツリーの下に置いてもらって不参加。若者でどうぞと言う事らしい。ちなみに凛ちゃんの推しと言うか初恋の燈火は本日もお仕事なので不参加となっている。プレゼントはもちろんツリーの下にある。気になるのかずっとそわそわしている姿にみんなにこにことした顔で見守っていた。
ちなみに推しの理由は保育園の帰り道に燈火の店のお庭の掃除のお手伝いをしてジュースを貰って帰るから。まだまだちょろ…… 可愛らしいと和んでしまうのは常連さんも同様だ。
「凛ちゃんメリークリスマス」
「あやちゃんメリークリスマス!」
舌っ足らずだけどだいぶ発音がはっきりする中俺の手を引いて案内してくれる凛ちゃんはもううきうしててハイテンション。
「今夜熱が上がらないといいのだけどね」
何てお母様は心配する。
既に圭斗と園芸部と浩志が来ていて、俺の到着からすぐに宮下も来た。
「綾人も無事来れたんだ」
「新雪が厄介だったけどゆっくり来たから大丈夫だよ」
何せ宮下の家の前の道路に出るまでが私有地だ。私有地は除雪してもらえないので自力で移動するしかないし、何かあっても見つけてもらえない所か野生動物に見つかる方が早い我が家の事情。絶対事故りたくないので安全運転ぜったいが合言葉だ。
「宮下は新居の手入れ?」
「うん。先週みんなに手伝ってもらって天井側に断熱材入れたんだ。壁と床にはまだ入れてないから全然寒いけどね」
「ちゃんとリフォーム進んでるな」
「ありがたいのかどうかわからないけど仕事が少ない時期だからね」
とは言っても多少はある。年末なので襖を張り替えたいとか障子を張り替えたいとか依頼が舞い込むと言う。
障子ぐらい自分で張り替えろよと思ってしまうもこの地域の家は古い家が多いので障子の枚数が半端ない家が結構ある。
『もう目が見えにくいからねえ』
正真正銘の老眼は余分な障子紙を切り落とすのがしんどいそうなのでお願いする事にすると言うそうだ。
そう言われると仕方がないと思いながらそういや俺も障子貼りかえる事が出来るのもバアちゃんにやらされたからだよなとやっぱりあれはバアちゃんも老眼が辛かったんだなと今頃になってやっと気が付いた。
全員そろった所で俺達は凛ちゃんお手製のパーティの帽子をかぶらされている。
画用紙を円錐型に作ったアレ。
お星さまの切り抜きがぺたぺたとノリで貼りつけてあってどれだけ気合を入れていたのか、ご両親の努力が涙ぐましかった。
それはさておき、クリスマスの一大イベントと言えばクリスマスケーキ。
サンタさんとトナカイさんの蝋燭に火をつけて息を吹き付ける役目は勿論凛ちゃん。
「ふーするね!」
気合を入れてフーッ吐息を吹き付けてもなかなか消えないのが蝋燭。
「ふーっ!ふーっ!」
何度かの気合を入れて息を吹き付ける様子は思わず応援をしてしまい、やっと消えた所で誰ともなく拍手をしてしまうのは顔を真っ赤にしてやりきった顔をしている凛ちゃんの凛々しい姿をしていたからだ。
その後は蒼さんがジュースを入れてくれて、実桜さんがケーキを切り分けてくれた。
俺はぼんやりとだけどその光景をどこか不思議そうに眺めていた。
隣の席に座る圭斗に
「クリスマスってこう言う感じなの?」
俺の知るクリスマスは夕食の時にプレゼントを渡されてカットされたクリスマス仕様のケーキを各自食べたいタイミングで食べるだけ。勿論蝋燭なんてない。
他所様の家の様子を知らないのでなんとなく聞けば
「さあ?あの親がクリスマスなんてやると思うか?」
聞いた相手が悪かった。
思わずさっと視線を反らせた横に居た浩志に
「浩志の所のクリスマスってこんな感じ?」
聞けば何を言われてるのかわからないと言う顔で
「こんなもんじゃないの?
蝋燭の火を消すのを出しぬいたり、ケーキのあの人形美味しくないのに欲しいとか、チョコレートのプレートが欲しいとか、切り分けたケーキが少しでも大きい方が欲しいとかそう言う感じじゃない?」
まだ普通の家庭を過ごしていた時の記憶はまさに幸せ家族だったのかと感心をしながらも姉と弟の仲の一面が見えて本当に何で一家崩壊までたどり着いてしまったのかと思っていれば
「さあ、ケーキをどうぞ」
スライスしたイチゴとチョンと乗せられたイチゴを飾る真っ白のケーキを実桜さんから受けとれば何だか突如思い出す。
「昔水野にケーキ切らせたら人数分に切れなかった事件を思い出した」
「あったねー」
さすがに宮下も覚えていたあの笑劇の事件にそんな事があるのかと園芸部や蒼さん達も驚く横で幸せそうにイチゴを頬張る凛ちゃんにこの先ずっとこんな幸せなクリスマスを体験できますようにとケーキの飾りの黄色いお星さまのチョコレートに祈って食べた。
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