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やっぱり生家は必要です
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「私はメルちゃんがお家に戻るの賛成だわぁ。
出来たら私も一緒に行きたいんだけどぉ?」
マダムが紙面から視線を外してペンを置く。
「ルヴィに報告が遅れてたんだけど、メルちゃんちの庭師が私の情報網を駆使してもどうしても引っかからないのよぉ」
「ほう?」
きらりと視線を光らせるのはスコット様。ヴァレリーさんは黙々とご飯も食べずにお茶を飲んでるだけだった。この人何しに来たんだろうと思うもルヴィ様がこっそりとまだ頭寝てるみたいだからほっとけばいいとおっしゃってくれた。
「うちの情報網に引っかからない、となると探す場所は国外もしくはメルちゃんのお家だけになるの。
メルちゃんちの使用人の家に当っても知らないって言うし、メルちゃんの家関連で立ち入る事が出来ないのはもうそれぐらいなのよ」
難しい顔をするマダムに
「何だったらメルちゃんの実家買い戻しちゃう?」
ルヴィ様はとんでもない事を言い始めた。
「因みに金貨千枚ほど。巻き上げたお金で十分足りるわよ?」
マダムの返答に涙も枯れた状態で追い出されたのにあっさりと買い物する事が出来ると言う言葉にルヴィ様を見上げでその腕を両手でつかんでしまう。
帰れるものなら帰りたい、親にどれだけ苦労させられとんでもない目にあってきた家だけど、そんな家だからこそ愛着が刻まれているのだ。
それに何より生まれ育った家なのだ。
苦しい事も楽しい事も私の総てがそこで育まれた特別な場所なのだ。
もう一度あの家に行く事が許されるのなら
「お家に帰れるのなら帰りたい」
幼い子供のようにルヴィ様に縋ってお願いして居るうちに涙さえ溢れて来てしまった。
ひっく、ひっく、なんて本当に子供みたいにしゃくりあげていてそんな私の頭をルヴィ様は優しくなでてくれた。
「突然帰る家がない、手に持つ鞄が全財産だった物ね。
良いわよ。おっさんメルちゃんのお家買い戻してあげる」
「あ、ありがとうございます!!!」
涙にぬれた酷い顔で不細工な笑顔になってしまったけど
「でも一つおっさんと約束」
「?」
何だろうと、ぐしぐしと涙を拭ってルヴィ様を見上げれば
「お家を取り戻してもおっさんの家に働きに来る事。
約束の一カ月はまだまだ先よ?」
「は、はい。勿論お願いします!」
「あと、おっさんがおっさんの物としてあの家を買うわ。
当然メルちゃんが好きなように暮しても良いけど、おっさんはメルちゃんのお父さんとお母さんが家に入れる事は絶対に許さないから。あとあのおじさんもね。
それに暮すには必要な物を買わないといけないから巻き上げたお金はその為に使いなさい。」
「その、もちろんそのつもりです。ご配慮ありがとうございます」
また家族三人であの家で暮す事がメリッサの最初の夢だったが、昨日のあの様子を見て二度と無理と言うか心が拒絶しているのだ。私の家族はもう居ない、と……
「そんな顔しないの。女の子一人で暮すのはおっさんも心配だからとりあえずここを中心に休みを家で過ごす、そんな生活をしてみない?
そうねぇ、三日働いて一日家で過ごす。勿論メルちゃんの好きなスケジュールで良いし、天気が悪けりゃ帰るのをさぼってもいいのよ」
俺様ってすごく良心的な雇用主じゃない?とヴァレリーさんに言うも
「でしたら私がメリッサの家の管理人をしましょう」
意外な意見と共に手を上げた。
「どちらにしても誰も住んでいないと言うのは物騒です」
「まぁ、確かに空家にすると家ってすぐ痛むものねぇ?」
マダムも窓だけでも開けて換気したいわねと言う。
「それに一度家は売り払われていると世間で認知され師匠がお買い求めになった。廃墟が出来上がる不安とそれに伴う価値の下落に不動産屋はもちろん周辺の住人も不安がります」
「確かに」
「スコットお前な……
この家だって昨日今日でこうなったわけじゃないのよ?
父と母の死からと言うながーい歴史があるんだから」
ルヴィは反論するも誰もがそれにしては完成が早いと笑い
「あと、私の城住い問題も解決されます」
「城住い?」
なにそれとメルはルヴィを見上げるも
「ある程度の地位になると城に部屋を持つ事が出来るのよ。
だけどこいつったら学校の寄宿舎からそのまま城の俺の部屋に住み着いた挙句に部屋を貰ったから帰る家がないのよ」
「え?じゃあ、ご家族は……」
気まずそうにメルは聞くも
「ヴァレリーの家は王都から遠く馬車で五日ほど行った先の山の中の集落に在るわよ。
そう意味で帰るに帰れないって言う事情だし、家はお兄さんが継いでいるのよね?つまり帰っても居場所がないって奴よ」
「安心しろ、年に一度は手紙を書いている」
「それはまた……」
何と言えばいいだろうか。便りがないのが元気な証拠と言う奴だろうかと悩んでいるうちに
「だったら早速使いを出すわ!
ルヴィ、私が代理で買いに行ってくるわね☆」
「さっすがクイン頼りになるわぁ!」
イエーイと何故かハイタッチ。
この二人のノリは今ひとつわからない。
だけど言える事はただ一つ。
やっとあの家に、生まれ育った家に帰れるんだと胸いっぱいに喜びが広がる。
「じゃあおっさん達仕事に行くから、メルちゃんは今日は仕事が手に就かないから好きなように過ごしなさい」
「はい!でしたらフェズと一緒にフェズのご飯を調達してます!」
つまり屋敷内で魔物狩りだ。
「うーん、女の子の好きな事っておっさんよくわかんなーい」
「あたしならおしゃれして化粧して遊ぶけど、メルちゃんは違うみたいねぇ」
あたしもわっかんなーいとさじを投げながらテラスに出て玄関前まで馬車が乗り入れれるようになった場所で待たせていた馬車に乗り各向かう先へと馬車を走らせるのだった。
が、全員クインの馬車に乗っていた。
広いとはいえども居住性抜群の馬車に三人の男と一番いいガタイのオカマが膝を突き詰めて
「不思議な話なのよ。
メルちゃんの家の使用人達に話を聞いた所メルちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんが亡くなった後、使用人は全員解雇されているの」
長いまつげを伏せさせながらのクインの報告に誰もが思考を止める。
「だが、メルは庭師や料理を教えてくれた人がいたと……」
ルヴィはどう言う事だと言わんばかりに眉間を狭めて色々な事を想像するも
「一度メルの両親に合う必要が出来たわぁ」
「でしたら内密に、私自らすぐに面会を取りつけ話しを聞いてまいりましょう」
スコットの提案に全員が静かに頷いた。
出来たら私も一緒に行きたいんだけどぉ?」
マダムが紙面から視線を外してペンを置く。
「ルヴィに報告が遅れてたんだけど、メルちゃんちの庭師が私の情報網を駆使してもどうしても引っかからないのよぉ」
「ほう?」
きらりと視線を光らせるのはスコット様。ヴァレリーさんは黙々とご飯も食べずにお茶を飲んでるだけだった。この人何しに来たんだろうと思うもルヴィ様がこっそりとまだ頭寝てるみたいだからほっとけばいいとおっしゃってくれた。
「うちの情報網に引っかからない、となると探す場所は国外もしくはメルちゃんのお家だけになるの。
メルちゃんちの使用人の家に当っても知らないって言うし、メルちゃんの家関連で立ち入る事が出来ないのはもうそれぐらいなのよ」
難しい顔をするマダムに
「何だったらメルちゃんの実家買い戻しちゃう?」
ルヴィ様はとんでもない事を言い始めた。
「因みに金貨千枚ほど。巻き上げたお金で十分足りるわよ?」
マダムの返答に涙も枯れた状態で追い出されたのにあっさりと買い物する事が出来ると言う言葉にルヴィ様を見上げでその腕を両手でつかんでしまう。
帰れるものなら帰りたい、親にどれだけ苦労させられとんでもない目にあってきた家だけど、そんな家だからこそ愛着が刻まれているのだ。
それに何より生まれ育った家なのだ。
苦しい事も楽しい事も私の総てがそこで育まれた特別な場所なのだ。
もう一度あの家に行く事が許されるのなら
「お家に帰れるのなら帰りたい」
幼い子供のようにルヴィ様に縋ってお願いして居るうちに涙さえ溢れて来てしまった。
ひっく、ひっく、なんて本当に子供みたいにしゃくりあげていてそんな私の頭をルヴィ様は優しくなでてくれた。
「突然帰る家がない、手に持つ鞄が全財産だった物ね。
良いわよ。おっさんメルちゃんのお家買い戻してあげる」
「あ、ありがとうございます!!!」
涙にぬれた酷い顔で不細工な笑顔になってしまったけど
「でも一つおっさんと約束」
「?」
何だろうと、ぐしぐしと涙を拭ってルヴィ様を見上げれば
「お家を取り戻してもおっさんの家に働きに来る事。
約束の一カ月はまだまだ先よ?」
「は、はい。勿論お願いします!」
「あと、おっさんがおっさんの物としてあの家を買うわ。
当然メルちゃんが好きなように暮しても良いけど、おっさんはメルちゃんのお父さんとお母さんが家に入れる事は絶対に許さないから。あとあのおじさんもね。
それに暮すには必要な物を買わないといけないから巻き上げたお金はその為に使いなさい。」
「その、もちろんそのつもりです。ご配慮ありがとうございます」
また家族三人であの家で暮す事がメリッサの最初の夢だったが、昨日のあの様子を見て二度と無理と言うか心が拒絶しているのだ。私の家族はもう居ない、と……
「そんな顔しないの。女の子一人で暮すのはおっさんも心配だからとりあえずここを中心に休みを家で過ごす、そんな生活をしてみない?
そうねぇ、三日働いて一日家で過ごす。勿論メルちゃんの好きなスケジュールで良いし、天気が悪けりゃ帰るのをさぼってもいいのよ」
俺様ってすごく良心的な雇用主じゃない?とヴァレリーさんに言うも
「でしたら私がメリッサの家の管理人をしましょう」
意外な意見と共に手を上げた。
「どちらにしても誰も住んでいないと言うのは物騒です」
「まぁ、確かに空家にすると家ってすぐ痛むものねぇ?」
マダムも窓だけでも開けて換気したいわねと言う。
「それに一度家は売り払われていると世間で認知され師匠がお買い求めになった。廃墟が出来上がる不安とそれに伴う価値の下落に不動産屋はもちろん周辺の住人も不安がります」
「確かに」
「スコットお前な……
この家だって昨日今日でこうなったわけじゃないのよ?
父と母の死からと言うながーい歴史があるんだから」
ルヴィは反論するも誰もがそれにしては完成が早いと笑い
「あと、私の城住い問題も解決されます」
「城住い?」
なにそれとメルはルヴィを見上げるも
「ある程度の地位になると城に部屋を持つ事が出来るのよ。
だけどこいつったら学校の寄宿舎からそのまま城の俺の部屋に住み着いた挙句に部屋を貰ったから帰る家がないのよ」
「え?じゃあ、ご家族は……」
気まずそうにメルは聞くも
「ヴァレリーの家は王都から遠く馬車で五日ほど行った先の山の中の集落に在るわよ。
そう意味で帰るに帰れないって言う事情だし、家はお兄さんが継いでいるのよね?つまり帰っても居場所がないって奴よ」
「安心しろ、年に一度は手紙を書いている」
「それはまた……」
何と言えばいいだろうか。便りがないのが元気な証拠と言う奴だろうかと悩んでいるうちに
「だったら早速使いを出すわ!
ルヴィ、私が代理で買いに行ってくるわね☆」
「さっすがクイン頼りになるわぁ!」
イエーイと何故かハイタッチ。
この二人のノリは今ひとつわからない。
だけど言える事はただ一つ。
やっとあの家に、生まれ育った家に帰れるんだと胸いっぱいに喜びが広がる。
「じゃあおっさん達仕事に行くから、メルちゃんは今日は仕事が手に就かないから好きなように過ごしなさい」
「はい!でしたらフェズと一緒にフェズのご飯を調達してます!」
つまり屋敷内で魔物狩りだ。
「うーん、女の子の好きな事っておっさんよくわかんなーい」
「あたしならおしゃれして化粧して遊ぶけど、メルちゃんは違うみたいねぇ」
あたしもわっかんなーいとさじを投げながらテラスに出て玄関前まで馬車が乗り入れれるようになった場所で待たせていた馬車に乗り各向かう先へと馬車を走らせるのだった。
が、全員クインの馬車に乗っていた。
広いとはいえども居住性抜群の馬車に三人の男と一番いいガタイのオカマが膝を突き詰めて
「不思議な話なのよ。
メルちゃんの家の使用人達に話を聞いた所メルちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんが亡くなった後、使用人は全員解雇されているの」
長いまつげを伏せさせながらのクインの報告に誰もが思考を止める。
「だが、メルは庭師や料理を教えてくれた人がいたと……」
ルヴィはどう言う事だと言わんばかりに眉間を狭めて色々な事を想像するも
「一度メルの両親に合う必要が出来たわぁ」
「でしたら内密に、私自らすぐに面会を取りつけ話しを聞いてまいりましょう」
スコットの提案に全員が静かに頷いた。
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