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指輪の代わりにどうぞ
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マダムにルヴィ様と共に置いて行かれて人の歩みより圧倒的に早い馬車を見送ってから私は荷物のバスケットを持ってルヴィ様を見上げた。
多分、マダムは感謝を述べるには今このタイミングでしょうと思って置いて行ってくれたのだろう。
だけど先日の事件もあって……
二人っきりなんて心の準備がまだ出来てないよーーー!!!
馬車を見送りながら置いて行かないでえええ!!!と心の中で絶叫するもルヴィ様はコホンと咳払いを一つ。
私は緊張しながらルヴィ様を見上げる前に何度かすーはーと深呼吸してルヴィ様に向き合う。
「この度はアーヴィンの屋敷を買い取ってくださって本当にありがとうございます」
深々と体を九十度に折ってお礼を言えばルヴィ様は苦笑して「これくらいお安いご用よ」とセレブ発言をしてくれた。
侯爵家のベルリオーズ家なら金貨千枚何て安い物だろうと言うのかもしれないけど、私にとってというか世間の大半にとっても大金と言うべき金額だ。
それを私の為にポンとさしだしてくれてどんなお礼をすればいいのだろうかと、ベルリオーズ邸を片付けるだけでは返しきれない恩にどうすれば報えるだろうかと考えてしまう。
「メルたんの家を取り戻すなんて大した事じゃないわよ。
それに巻き上げたお金でじゅー分買い取れる金額だったしね?」
からからと自分の太っ腹発言と共にルヴィ様は笑うけど
「それでもお母様達からお金を取り戻すのも爵位を譲ってもらうのも全部ルヴィ様が準備して下さって初めて取り戻せたのです。
私には思いつかなかった事でした」
「まあね。
俺様みたいに裁判ばっかりに縁があると無駄に賢くなっちゃうからねぇ」
こんな大人になっちゃだめよとなでなでと頭を撫で始めて、子供扱いされて妙に恥ずかしくなって俯いてしまう。
距離も近い。
ふと落ちた陰にそっと視線を上げれば柔らかくほほ笑んでいるルヴィ様が居て慌ててまた視線を落してしまう。
だけど無駄な抵抗と言う様に話はまだあると頬をルヴィ様の手のひらで持ち上げられてしまう。
「それに俺様だって下心があってこの家を買ったんだ」
何を言い出すのか怖くて、そして私の考えている事と違ったらそれこそ怖くて、でも都合の良いことばかりが頭を駆け巡って恥ずかしくて目の前のルヴィ様を見ないようにぎゅーっと目を瞑ってしまう。
「メリッサに喜んでもらいたくて、笑ってもらいたくて……」
言うも何か言葉を探すように黙ってしまったと思えば影が離れた。
こんなにも嬉しい事をしてくれているのに目を瞑ってうつむいてばかりの私に呆れられたのかと思ってそーっと目を開ければ
「メリッサ、結婚しよう。そして一緒に暮らそう。
時々このアーヴィンの家に俺を招待して欲しい。
メリッサの淹れるお茶で沢山話をしよう。
ああ、沢山の使用人に囲まれて今までの苦労を今度は楽しみに変えてもらっても良い。
ただ、俺達が居て、そのうち子供も居ればいいなって思うんだ。
俺様一人っ子だったから兄弟には憧れた。
子供達が庭で遊ぶ姿を見守るそんな平凡な家庭が欲しい」
そんな夢物語のような未来の話しに頭がショート寸前な位に思考が追いつかなくて
「そんな些細な願いをメリッサ、一緒に叶えてほしい」
俯きがちになる顔をそっと顎を掬い取られる。
「どうか私の妻になって欲しい」
「は……はぃ、ん……」
なけなしの思考で辛うじて返事の命令を出してくれた。
まだ出会って一月も経ってないのに、沢山の親切と沢山の優しさで明日さえどうにかなるのかしらと不安におびえていた心を救ってくれた人も沢山の悲しみを抱えていて、だけど当たり前のような幸せを私と一緒に掴もうと言ってくれたのだ。
大きな胸の中に抱きしめられて顎を掬われて上を向いた姿勢のまま口づけをかわして、持っていたバスケットを落してしまった。
その代りに暖かくて逞しい男性の、優しい腕の中に閉じ込められて恥ずかしさから嬉しさに変った心がもう離さないでほしいと言う様にしがみついてしまう。
一度二度、優しく触れた唇は三度四度と深く交わして行き……
私ルヴィ様にこんなにも愛されていたんだ……
そんな喜びが胸いっぱいに広がって暫くの間その腕の中でトクトク……と早く打つ心臓の音を聞いてルヴィ様も同じように、いやそれ以上に緊張していた事を知り、それもまた幸せだと教えてくれるのだった。
「きゅるる、くるるるる……」
そんな一時の甘い時間を邪魔するような声を聴いた。
ふと足元を見れば真っ白の、ここに居てはいけない奴。
「メルちゃん、これ、何でここに……」
「私達のお家です。ですから家族のフェズにも教えたくって」
顔を真っ赤にして、でもとんでもない事をメルたんは恥ずかしそうにおっしゃってくれた。
俺様の幸せ家族にこの毛玉爬虫類はお呼びじゃない。
思わずしゃがみ込んでフェズを持ち上げて
「今夜は鳥の唐揚げが良いな。
プリンプリンの幼体の肉なら柔らかくてうんまそうじゃなあい?」
凍てつくような視線に震えるまでの恐怖を覚えたフェズは全力でメリッサに助けてと懇願する。
キュルルキュルルと喉を震わせてルヴィの腕から逃れたい、助けて!と訴えるも
「やあね、この子はきゅうに甘えん坊になって。
これからここでも暮らすんだから自分の足で歩いて覚えなさい」
ルヴィからの腕から脱出は出来たもののポイッと放り投げられて羽を動かす前に全身で大地を抱きしめていた。
ざまあ、ルヴィは鼻で笑いメルの腰に手を回す。
途端に体が凍りつくのは真っ赤な顔から緊張している事を可愛いなあと鼻の下が伸びてしまうも徐に投げ捨てたフェズを拾い上げて抱きしめていた。
メルちゃんそれはどうよとちょっぴり何だか寂しくなってしまう俺様だったけど、力一杯抱きしめられて意識を半分失いかけているフェズの姿にまあ良いかと妥協するのだった。
多分、マダムは感謝を述べるには今このタイミングでしょうと思って置いて行ってくれたのだろう。
だけど先日の事件もあって……
二人っきりなんて心の準備がまだ出来てないよーーー!!!
馬車を見送りながら置いて行かないでえええ!!!と心の中で絶叫するもルヴィ様はコホンと咳払いを一つ。
私は緊張しながらルヴィ様を見上げる前に何度かすーはーと深呼吸してルヴィ様に向き合う。
「この度はアーヴィンの屋敷を買い取ってくださって本当にありがとうございます」
深々と体を九十度に折ってお礼を言えばルヴィ様は苦笑して「これくらいお安いご用よ」とセレブ発言をしてくれた。
侯爵家のベルリオーズ家なら金貨千枚何て安い物だろうと言うのかもしれないけど、私にとってというか世間の大半にとっても大金と言うべき金額だ。
それを私の為にポンとさしだしてくれてどんなお礼をすればいいのだろうかと、ベルリオーズ邸を片付けるだけでは返しきれない恩にどうすれば報えるだろうかと考えてしまう。
「メルたんの家を取り戻すなんて大した事じゃないわよ。
それに巻き上げたお金でじゅー分買い取れる金額だったしね?」
からからと自分の太っ腹発言と共にルヴィ様は笑うけど
「それでもお母様達からお金を取り戻すのも爵位を譲ってもらうのも全部ルヴィ様が準備して下さって初めて取り戻せたのです。
私には思いつかなかった事でした」
「まあね。
俺様みたいに裁判ばっかりに縁があると無駄に賢くなっちゃうからねぇ」
こんな大人になっちゃだめよとなでなでと頭を撫で始めて、子供扱いされて妙に恥ずかしくなって俯いてしまう。
距離も近い。
ふと落ちた陰にそっと視線を上げれば柔らかくほほ笑んでいるルヴィ様が居て慌ててまた視線を落してしまう。
だけど無駄な抵抗と言う様に話はまだあると頬をルヴィ様の手のひらで持ち上げられてしまう。
「それに俺様だって下心があってこの家を買ったんだ」
何を言い出すのか怖くて、そして私の考えている事と違ったらそれこそ怖くて、でも都合の良いことばかりが頭を駆け巡って恥ずかしくて目の前のルヴィ様を見ないようにぎゅーっと目を瞑ってしまう。
「メリッサに喜んでもらいたくて、笑ってもらいたくて……」
言うも何か言葉を探すように黙ってしまったと思えば影が離れた。
こんなにも嬉しい事をしてくれているのに目を瞑ってうつむいてばかりの私に呆れられたのかと思ってそーっと目を開ければ
「メリッサ、結婚しよう。そして一緒に暮らそう。
時々このアーヴィンの家に俺を招待して欲しい。
メリッサの淹れるお茶で沢山話をしよう。
ああ、沢山の使用人に囲まれて今までの苦労を今度は楽しみに変えてもらっても良い。
ただ、俺達が居て、そのうち子供も居ればいいなって思うんだ。
俺様一人っ子だったから兄弟には憧れた。
子供達が庭で遊ぶ姿を見守るそんな平凡な家庭が欲しい」
そんな夢物語のような未来の話しに頭がショート寸前な位に思考が追いつかなくて
「そんな些細な願いをメリッサ、一緒に叶えてほしい」
俯きがちになる顔をそっと顎を掬い取られる。
「どうか私の妻になって欲しい」
「は……はぃ、ん……」
なけなしの思考で辛うじて返事の命令を出してくれた。
まだ出会って一月も経ってないのに、沢山の親切と沢山の優しさで明日さえどうにかなるのかしらと不安におびえていた心を救ってくれた人も沢山の悲しみを抱えていて、だけど当たり前のような幸せを私と一緒に掴もうと言ってくれたのだ。
大きな胸の中に抱きしめられて顎を掬われて上を向いた姿勢のまま口づけをかわして、持っていたバスケットを落してしまった。
その代りに暖かくて逞しい男性の、優しい腕の中に閉じ込められて恥ずかしさから嬉しさに変った心がもう離さないでほしいと言う様にしがみついてしまう。
一度二度、優しく触れた唇は三度四度と深く交わして行き……
私ルヴィ様にこんなにも愛されていたんだ……
そんな喜びが胸いっぱいに広がって暫くの間その腕の中でトクトク……と早く打つ心臓の音を聞いてルヴィ様も同じように、いやそれ以上に緊張していた事を知り、それもまた幸せだと教えてくれるのだった。
「きゅるる、くるるるる……」
そんな一時の甘い時間を邪魔するような声を聴いた。
ふと足元を見れば真っ白の、ここに居てはいけない奴。
「メルちゃん、これ、何でここに……」
「私達のお家です。ですから家族のフェズにも教えたくって」
顔を真っ赤にして、でもとんでもない事をメルたんは恥ずかしそうにおっしゃってくれた。
俺様の幸せ家族にこの毛玉爬虫類はお呼びじゃない。
思わずしゃがみ込んでフェズを持ち上げて
「今夜は鳥の唐揚げが良いな。
プリンプリンの幼体の肉なら柔らかくてうんまそうじゃなあい?」
凍てつくような視線に震えるまでの恐怖を覚えたフェズは全力でメリッサに助けてと懇願する。
キュルルキュルルと喉を震わせてルヴィの腕から逃れたい、助けて!と訴えるも
「やあね、この子はきゅうに甘えん坊になって。
これからここでも暮らすんだから自分の足で歩いて覚えなさい」
ルヴィからの腕から脱出は出来たもののポイッと放り投げられて羽を動かす前に全身で大地を抱きしめていた。
ざまあ、ルヴィは鼻で笑いメルの腰に手を回す。
途端に体が凍りつくのは真っ赤な顔から緊張している事を可愛いなあと鼻の下が伸びてしまうも徐に投げ捨てたフェズを拾い上げて抱きしめていた。
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