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春になって心機一転するかどうかはまた別の話し 7
俺の確認不足から迎える事になった新規の入居者さんは北陸の方からいらしたらしい。
「初めまして、海野渉です。
進学に当たりこちらでお世話になる事になりました。よろしくお願いします!」
これが精いっぱいと言わんばかりに両目を瞑っての勢い任せの自己紹介。
「かわいい~。 いかにも一年生って言うかまだ高校感が抜け切れてないって感じだね」
瑞己がニコニコしながら18歳だからコーラねとグラスにコーラを注いていた。
「あ、ありがとうございます!」
「ここでは俺達は兄弟のように、そして大家さんはお父さんのように気楽に接してね。あ、仲良くなれるように名前呼びがここで代々続いているルールだからよろしく」
なんて説明。
「さすがにお父さんはないと思うぞ。
こう見えても25歳だ。せめてお兄さんのつもりで頼むよ」
なんて言えばケラケラと颯也は笑いながら缶ビールを飲んでいた。
「あ、俺渉の一つ上の陽人。ビール飲んでるのが颯也で二度目の三年生。そして同じ年の瑞己は四年生。大家さんは大家さんでも修司さんでもいいけど何かいいあだ名があったら絶賛募集だよ。
って言うかちゃんと食べてる?
修司さんの手作り餃子マジ神だから油断すると一瞬でなくなるよ」
言いながらひょいぱく、ひょいぱくと餃子は飲み物ではありませんという様に陽人の口の中に吸い込まれていく。
「って言うかお前ら食べ方が変だろ?!
今日は渉の進学と入居のお祝いだって言うのになんでお前らが渉以上に食べてんだよ!」
「そりゃ旨いからに決まってます!
って言うかビールによく合う!
あ、渉はまだ18歳だからアルコール禁止な?」
「あ、いえ。飲んだことないので大丈夫です」
「寧ろその歳で飲んだことがないっていう方が問題だと思うけど?」
多少の悪さにもならないだろうと悪い方へと導こうとする陽人に
「ええと、うち、母子家庭なので嗜好品とかそう言うのはちょっと……」
言えば誰ともなくホットプレートの上で次々焼かれていく餃子を奪い合う橋が止まり
「分かる!うちもお金ない家だから大学進学反対されたし!」
「だよなー。大学出たからってまともな就職先がある時代じゃないけど、少なくとも親元から離れられる、親の負担を減らすことが出来るそんな選択もあるからな」
陽人と瑞己が力強く頷き
「代々農家をやって膿家に進化して畑や田んぼを売りながら経営する財産を食いつぶす系の運営だからな。
早く親から田んぼを奪って処ぶ…… 親を引退させて弟と一緒に農業やりたいんだ。まあ、あわよくば畑からアパート経営にシフトチェンジしたいけどその前の資本がな。
うち田舎だけど駅近な所に畑があるから需要はそれなりにあるしね」
なんて颯也も缶ビール飲みながらひょいぱく、ひょいぱくと餃子を吸い込んでいく。
「まあ、緑風荘に厄介になってる時点でみんな訳ありの事情を抱えているから。
とりあえず修司さんの旨い料理を腹いっぱい食べて今晩は寝てしまえ。
そして明日から大学が始まるまでバイト三昧。少しでも稼ぐぞ」
そんな瑞己のアドバイス。
「明日から銭湯のバイト、だけど夕方からだからそれまでのじかん単発のバイトを入れるぞ。もしくは銭湯の後そのまま次のバイトに行く」
スマホを取り出して餃子を食べながらLIMEのルームに登録。さらに単発バイトの会社にも登録。
「明日はコンサートの会場撤退のバイトがあるからそこに潜り込むぞ」
「ええと、今からでも?」
「人手が足りないから」
「えええ……」
なんて引いている間に瑞己はバイトの登録、さらに申し込めばそのまま決まってしまった。
「へー、今時のバイト事情ってこんな事になってるんだ」
思わず俺も見てしまえば瑞己は意外というような目で
「修司さんバイトしたことないんですか?」
「いや、ある事にはあるが……
大体はうちの会社の仕事の手伝いだからな」
「いや、むしろそれ修行でしょ?!
って言うか後継者になりましょう! そして俺を雇ってください!」
「気持ちはわからないでもあるが、どのみち今の俺には会社に対する権限何て生まれて来てからかけらもない。あきらめろ」
言いながら俺も餃子を食べる。
そしてホットプレートに隙間が出来ればすぐに餃子を追加して焼いて、渉の取り皿にも餃子を追加していく。
「小粒とは言え一人50個頭で計算しているから遠慮なく食べていいぞ」
「50個?!」
驚きに目を見開く渉。
この反応は新鮮だなと気分が良くなり
「ご飯もあるぞ?」
「いただきます」
ほっとするその様子にどうやら餃子よりもご飯派のようだった。
どおりで食いつきが悪いなという様にご飯をサービスして盛るも
「ご飯が……」
こんなにもと驚きを超えてドン引きの声なんて俺には届かなかったが
「鬱陶しいぐらい賑やかな所だけどご飯ぐらいは腹いっぱい食べさせてやるから勉強とバイト、社会勉強として頑張れよ」
そんな俺のこの緑風荘に住む学生さん達の対応の仕方はこうやって社会に飛び立てるように導く事。
躓いて転がってここにたどり着いた俺もみんなを見送った後ここから飛び立たなくてはいけないけど……
再び一緒に頑張る仲間がここにいる。
少しだけお婆ちゃんが俺をここを託した理由……
勇気をもらえた。
だけどそれはまだ渉と一緒のレベル。
大丈夫。
これから四年の時間をかけて俺も一緒に育つから。
「そろそろ味変でチーズをかけようか」
言いながら容赦なく餃子にチーズをかける。
すぐにとろりととけて、とけた縁からカリカリに焼けていくその様子に
「やばっ! 修司さん最高!」
「チーズのおかげでビールが進む!」
「うまっ! 修司さんどんどん焼いてください!」
ここに慣れすぎた三人のその様子に緊張していた渉は少しずつ笑みを浮かべ
「俺、餃子にチーズかける奴初めてです!」
「そうか? なら食え喰え!」
俺もビールを片手に餃子を口へ運ぶ。
「あつっ!!!」
「チーズうまっ! 狂暴なぐらい美味しいですね!」
美味しいと言う顔でとろりととろけるチーズを纏う餃子を食べるその笑顔。
その笑顔が続きますようにと俺の残り四年の時間を無駄にしないようにもうふてくされたままでいるのは止めにすることにした。
「初めまして、海野渉です。
進学に当たりこちらでお世話になる事になりました。よろしくお願いします!」
これが精いっぱいと言わんばかりに両目を瞑っての勢い任せの自己紹介。
「かわいい~。 いかにも一年生って言うかまだ高校感が抜け切れてないって感じだね」
瑞己がニコニコしながら18歳だからコーラねとグラスにコーラを注いていた。
「あ、ありがとうございます!」
「ここでは俺達は兄弟のように、そして大家さんはお父さんのように気楽に接してね。あ、仲良くなれるように名前呼びがここで代々続いているルールだからよろしく」
なんて説明。
「さすがにお父さんはないと思うぞ。
こう見えても25歳だ。せめてお兄さんのつもりで頼むよ」
なんて言えばケラケラと颯也は笑いながら缶ビールを飲んでいた。
「あ、俺渉の一つ上の陽人。ビール飲んでるのが颯也で二度目の三年生。そして同じ年の瑞己は四年生。大家さんは大家さんでも修司さんでもいいけど何かいいあだ名があったら絶賛募集だよ。
って言うかちゃんと食べてる?
修司さんの手作り餃子マジ神だから油断すると一瞬でなくなるよ」
言いながらひょいぱく、ひょいぱくと餃子は飲み物ではありませんという様に陽人の口の中に吸い込まれていく。
「って言うかお前ら食べ方が変だろ?!
今日は渉の進学と入居のお祝いだって言うのになんでお前らが渉以上に食べてんだよ!」
「そりゃ旨いからに決まってます!
って言うかビールによく合う!
あ、渉はまだ18歳だからアルコール禁止な?」
「あ、いえ。飲んだことないので大丈夫です」
「寧ろその歳で飲んだことがないっていう方が問題だと思うけど?」
多少の悪さにもならないだろうと悪い方へと導こうとする陽人に
「ええと、うち、母子家庭なので嗜好品とかそう言うのはちょっと……」
言えば誰ともなくホットプレートの上で次々焼かれていく餃子を奪い合う橋が止まり
「分かる!うちもお金ない家だから大学進学反対されたし!」
「だよなー。大学出たからってまともな就職先がある時代じゃないけど、少なくとも親元から離れられる、親の負担を減らすことが出来るそんな選択もあるからな」
陽人と瑞己が力強く頷き
「代々農家をやって膿家に進化して畑や田んぼを売りながら経営する財産を食いつぶす系の運営だからな。
早く親から田んぼを奪って処ぶ…… 親を引退させて弟と一緒に農業やりたいんだ。まあ、あわよくば畑からアパート経営にシフトチェンジしたいけどその前の資本がな。
うち田舎だけど駅近な所に畑があるから需要はそれなりにあるしね」
なんて颯也も缶ビール飲みながらひょいぱく、ひょいぱくと餃子を吸い込んでいく。
「まあ、緑風荘に厄介になってる時点でみんな訳ありの事情を抱えているから。
とりあえず修司さんの旨い料理を腹いっぱい食べて今晩は寝てしまえ。
そして明日から大学が始まるまでバイト三昧。少しでも稼ぐぞ」
そんな瑞己のアドバイス。
「明日から銭湯のバイト、だけど夕方からだからそれまでのじかん単発のバイトを入れるぞ。もしくは銭湯の後そのまま次のバイトに行く」
スマホを取り出して餃子を食べながらLIMEのルームに登録。さらに単発バイトの会社にも登録。
「明日はコンサートの会場撤退のバイトがあるからそこに潜り込むぞ」
「ええと、今からでも?」
「人手が足りないから」
「えええ……」
なんて引いている間に瑞己はバイトの登録、さらに申し込めばそのまま決まってしまった。
「へー、今時のバイト事情ってこんな事になってるんだ」
思わず俺も見てしまえば瑞己は意外というような目で
「修司さんバイトしたことないんですか?」
「いや、ある事にはあるが……
大体はうちの会社の仕事の手伝いだからな」
「いや、むしろそれ修行でしょ?!
って言うか後継者になりましょう! そして俺を雇ってください!」
「気持ちはわからないでもあるが、どのみち今の俺には会社に対する権限何て生まれて来てからかけらもない。あきらめろ」
言いながら俺も餃子を食べる。
そしてホットプレートに隙間が出来ればすぐに餃子を追加して焼いて、渉の取り皿にも餃子を追加していく。
「小粒とは言え一人50個頭で計算しているから遠慮なく食べていいぞ」
「50個?!」
驚きに目を見開く渉。
この反応は新鮮だなと気分が良くなり
「ご飯もあるぞ?」
「いただきます」
ほっとするその様子にどうやら餃子よりもご飯派のようだった。
どおりで食いつきが悪いなという様にご飯をサービスして盛るも
「ご飯が……」
こんなにもと驚きを超えてドン引きの声なんて俺には届かなかったが
「鬱陶しいぐらい賑やかな所だけどご飯ぐらいは腹いっぱい食べさせてやるから勉強とバイト、社会勉強として頑張れよ」
そんな俺のこの緑風荘に住む学生さん達の対応の仕方はこうやって社会に飛び立てるように導く事。
躓いて転がってここにたどり着いた俺もみんなを見送った後ここから飛び立たなくてはいけないけど……
再び一緒に頑張る仲間がここにいる。
少しだけお婆ちゃんが俺をここを託した理由……
勇気をもらえた。
だけどそれはまだ渉と一緒のレベル。
大丈夫。
これから四年の時間をかけて俺も一緒に育つから。
「そろそろ味変でチーズをかけようか」
言いながら容赦なく餃子にチーズをかける。
すぐにとろりととけて、とけた縁からカリカリに焼けていくその様子に
「やばっ! 修司さん最高!」
「チーズのおかげでビールが進む!」
「うまっ! 修司さんどんどん焼いてください!」
ここに慣れすぎた三人のその様子に緊張していた渉は少しずつ笑みを浮かべ
「俺、餃子にチーズかける奴初めてです!」
「そうか? なら食え喰え!」
俺もビールを片手に餃子を口へ運ぶ。
「あつっ!!!」
「チーズうまっ! 狂暴なぐらい美味しいですね!」
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その笑顔が続きますようにと俺の残り四年の時間を無駄にしないようにもうふてくされたままでいるのは止めにすることにした。
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