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教育とは 2
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社畜根性でお婆ちゃんにも気に入られ、社長夫人と言う転職にも無事順応して今に至り、今では夢の専業主婦ライフを満喫している。裏ではちゃんと社長夫人として暗躍しているけど知らないふりをするのも息子の務めだと思っている。
うん。
俺が一人っ子なのはなんとなく納得できた。
さらに兄弟がいたら絶対お袋ぶっ倒れるという仮定も想像できてしまう。
愛とは何なんだろうと考えながらも今となればいろんな意味で平和だからいいけど。
「それよりめったにここには近寄らないのになんで来たんだ?
書類を持ってくるだけなら桂司に渡してさっさと帰るくせに」
略せば珍しいなとうざいくらいに遠回しな言い方をする親父さんよ。机の中からおやつのブ〇ックサンダーを取り出して俺に渡そうとするのは止めてくれ。
ほら、タイミング悪く秘書さんがお茶を持ってきた所で見られたぞと言う事を突っ込めばいいのかスルーすればいいのか難しい選択をさせないでくれと言う中でも秘書さんはお茶と茶菓子を置いてすっと消えてくれた心遣いほんとうにありがたいというか慣れているなとは言わせないでくれ親父よ。
だけど一応会社経営している一族の長。
この程度では動揺せずさらに柿〇種などを出してくれる。
一度その机の中身をチェックしたいと思うも用意してもらったコーヒーをブ〇ックサンダーで頂く俺。
「せっかく美味しい茶菓子があるのにこれに違和感を持たない秘書さんの様子だと食べなれてる感満載だな」
「母さんが好きだからな。父さんも二十数年かけてこれが普通になってしまったよ」
なんて俺を庶民派嗜好で育てたお袋は親父の味覚まで教育し直していて……
今となれば駄菓子屋に連れて行ってもらったのはいい思い出だ。
とは言えコーヒーを飲み、ブ〇ックサンダーを食べながら親父は先ほどの書類に目を通していた。
「まあ、この程度出来て当然だな」
誉めもせずいかにもと言う言葉にムッとすれば
「何だ? 物足りなかったか?」
「別に。全然余裕だし?」
「いつだったか翻訳のバイトをしていた時を思えば数日程度で終わる量は物足りないだろ。
あれほどとは言わないがちゃんと報酬ぐらい払うからアパートの子供たちにしっかりご飯を食べさせてやりなさい」
「分かってるよ。
って言うか、やっぱり親父から見てもあの量は異常だったか」
「就職に外務省を選んだのかと思ったぐらいだぞ」
「ずずずっ……」
全然興味ないしという様にわざと音を立ててコーヒーを飲んで
「とりあえず次の仕事貰ったら帰るけど?」
そんな珍しい息子のやる気に親父は意外にも思わないようにごく当たり前の作業という様に書類を俺に差し出した。
「そう思って用意しておいたよ。ネットを通して頼めない奴だ」
「社外に持ち出すことは良いのかよ」
なんてぼやくも
「このあとお前が遊ぶ友人なんて居ないだろ?
ここに来るのなら晩御飯の仕込みは既にしてあるだろうし、まっすぐ帰る以外の選択を書類を受け取った以上しないだろうし」
「ムカつく!」
言って差し出された書類を奪い取るように引き受ければその勢いで俺は部屋の外へと向かう。
「何か聞きたいことがあったら浩司に連絡をしてくれ」
どこか楽しそうな親父に憤慨しまうもまたのせられてしまったという事を考えてしまう。今日こそどこか寄り道でもしようかと思うもこの書類の紛失で社員がリストラに遭う事を考えればそこはぐっと我慢をして
「早く帰るか」
寄り道せずに帰りなさいと親父の遠回しな嫌がらせなのだろう。
まあ、いいけどス〇バでドライブスルーぐらいはさせてもらうよ。
なんて考えながらエレベーターを降りれば秘書の方が車をエントランスの前まで回していてくれて……
「ほんとセキュリティが不安だな」
親父からもらった車とは言え渡した覚えのない鍵で車を他人に運転させられる恐怖、たぶんありがたいというより俺のこの気持ちの方が正しいと思う。
やっぱりス〇バに寄るのはやめてまっすぐ帰ろう。
なんとなく親父の言わんとする言葉をここで理解した。
うん。
俺が一人っ子なのはなんとなく納得できた。
さらに兄弟がいたら絶対お袋ぶっ倒れるという仮定も想像できてしまう。
愛とは何なんだろうと考えながらも今となればいろんな意味で平和だからいいけど。
「それよりめったにここには近寄らないのになんで来たんだ?
書類を持ってくるだけなら桂司に渡してさっさと帰るくせに」
略せば珍しいなとうざいくらいに遠回しな言い方をする親父さんよ。机の中からおやつのブ〇ックサンダーを取り出して俺に渡そうとするのは止めてくれ。
ほら、タイミング悪く秘書さんがお茶を持ってきた所で見られたぞと言う事を突っ込めばいいのかスルーすればいいのか難しい選択をさせないでくれと言う中でも秘書さんはお茶と茶菓子を置いてすっと消えてくれた心遣いほんとうにありがたいというか慣れているなとは言わせないでくれ親父よ。
だけど一応会社経営している一族の長。
この程度では動揺せずさらに柿〇種などを出してくれる。
一度その机の中身をチェックしたいと思うも用意してもらったコーヒーをブ〇ックサンダーで頂く俺。
「せっかく美味しい茶菓子があるのにこれに違和感を持たない秘書さんの様子だと食べなれてる感満載だな」
「母さんが好きだからな。父さんも二十数年かけてこれが普通になってしまったよ」
なんて俺を庶民派嗜好で育てたお袋は親父の味覚まで教育し直していて……
今となれば駄菓子屋に連れて行ってもらったのはいい思い出だ。
とは言えコーヒーを飲み、ブ〇ックサンダーを食べながら親父は先ほどの書類に目を通していた。
「まあ、この程度出来て当然だな」
誉めもせずいかにもと言う言葉にムッとすれば
「何だ? 物足りなかったか?」
「別に。全然余裕だし?」
「いつだったか翻訳のバイトをしていた時を思えば数日程度で終わる量は物足りないだろ。
あれほどとは言わないがちゃんと報酬ぐらい払うからアパートの子供たちにしっかりご飯を食べさせてやりなさい」
「分かってるよ。
って言うか、やっぱり親父から見てもあの量は異常だったか」
「就職に外務省を選んだのかと思ったぐらいだぞ」
「ずずずっ……」
全然興味ないしという様にわざと音を立ててコーヒーを飲んで
「とりあえず次の仕事貰ったら帰るけど?」
そんな珍しい息子のやる気に親父は意外にも思わないようにごく当たり前の作業という様に書類を俺に差し出した。
「そう思って用意しておいたよ。ネットを通して頼めない奴だ」
「社外に持ち出すことは良いのかよ」
なんてぼやくも
「このあとお前が遊ぶ友人なんて居ないだろ?
ここに来るのなら晩御飯の仕込みは既にしてあるだろうし、まっすぐ帰る以外の選択を書類を受け取った以上しないだろうし」
「ムカつく!」
言って差し出された書類を奪い取るように引き受ければその勢いで俺は部屋の外へと向かう。
「何か聞きたいことがあったら浩司に連絡をしてくれ」
どこか楽しそうな親父に憤慨しまうもまたのせられてしまったという事を考えてしまう。今日こそどこか寄り道でもしようかと思うもこの書類の紛失で社員がリストラに遭う事を考えればそこはぐっと我慢をして
「早く帰るか」
寄り道せずに帰りなさいと親父の遠回しな嫌がらせなのだろう。
まあ、いいけどス〇バでドライブスルーぐらいはさせてもらうよ。
なんて考えながらエレベーターを降りれば秘書の方が車をエントランスの前まで回していてくれて……
「ほんとセキュリティが不安だな」
親父からもらった車とは言え渡した覚えのない鍵で車を他人に運転させられる恐怖、たぶんありがたいというより俺のこの気持ちの方が正しいと思う。
やっぱりス〇バに寄るのはやめてまっすぐ帰ろう。
なんとなく親父の言わんとする言葉をここで理解した。
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