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どこかで俺達戻って来る連絡を聞いたのか侍女達がやって来たので、これからグランデルさんの邸でお世話になるからとハウゼンさんにご挨拶したいからと呼んでもらうのだった。
「お呼びでしょうか?」
ハウゼンさんが来る間グランデルさんとお茶を頂きながら待っていれば現われたハウゼンさんは相変わらず隙のないきちりとした身なりで静かに立っていた。それだけで他の侍女達さえ緊張するかのように呼吸さえ聞こえない錯覚に陥る物の
「ええと、これからこちらのグランデル騎士団団長の家でお世話になる事が決まりまして、短い間ですがお世話になりましてありがとうございました」
「はい、お話はお聞きしております。ご婚約おめでとうございます」
さっと頭を下げるものの、おかげで彼女の背後の侍女の驚く顔と絶望、そして嫉妬の睨みつける視線に理不尽だと嘆いてしまう。
「でしたらこちらのお部屋はもう片づけても宜しいのでしょうか?」
俺ではなくグランデルさんに問えば
「はい。もし城にお邪魔する事があれば今後は私の部屋の方へ案内するので大丈夫です」
城に部屋があるんだ。そりゃあるんだろうな騎士団団長さんだしとふーんと聞いていればどこだろうかと考えればぱっと目の前に地図が現れて、この現在地からの通路まで描かれていた。
便利なのかなんというか、この機能は城の安全面から考えたら絶対まずい奴で、とりあえずもういいよと思っていれば地図は目の前から消えた。なんとなくオンオフの切り替えが判ったような気がしたけど自動で起動するのは勘弁してくれと思ってしまう。
地図に翻弄される合間に二人の間では話が進み
「なので、ナナセの荷物を頂きにまいりました」
「それでしたらクローゼットの方にお預かりしております」
静かに床まで届くロングスカートを少しだけ揺らしながらクローゼットに案内された。一応退屈だったのでルームツアーをしたのだが、このクローゼット……
俺が住んでいた家のリビング並みにでかいんだ。
住ませてもらってた部屋も大きかったけど、このクローゼットの大きさは正直ショックを覚えるくらいの広さだったが何がショックかと言えば、この巨大なクローゼットに俺のスーツが一式と数日の着替えがチョンと片隅にあるだけなのだ。
なんて言う罰ゲームかと両手で顔を隠して嘆いていれば、それを見てしまったグランデルさんの顔を逆に見れなくなってしまった。
「持ち物はこれだけ?着替えも?」
驚きを上げる声にハウゼンさんはハッと何かに気が付いてそれから周囲を伺い、申し訳なさそうに頭を下げる。背後の侍女さんの顔色の悪さに横領があったようで
「申し訳ありません」
と言うだけ。男性物ですよ?あ、売ればいいだけかと納得すればいいお小遣いにはなったのだろう。食事の事もあったので俺が知らない所で何かあったのか。でも気が付かなかったからまあいいやとスルーして俺の荷物を持ち
「この服はお返ししないといけないなら着替えますので」
ハウゼンさんとグランデルさんにクローゼットから出てもらって着替えようかと思うも
「お手伝いさせていただきます」
当然と言う様にきりっとした顔のハウゼンさんと
「私の事は気にしなくていい」
この場に居るのが当然と言うような二人にこれ以上何かを言うのはやめて、洗ってもらったせいでごわごわになってしまったスーツを持ってバスルームに行くのは俺だって立派な成人男性。着替えを手伝って貰う年齢でもなければ着替えを観察される趣味もない。
二人をクローゼットに残して、丁寧に扉を閉めれば護衛の人達はやれやれと頭を振っていた。
護衛の人達からどこか憐れんだ視線を受け止めながらもバスルームで着替えて脱いだ衣類をたたんで籠の中に置いておく。
久しぶりに着たスーツに背筋がピシッとなる物の、水洗いをして洗剤でごしごしと洗ってれたのか変な皺が寄ってしまっていた。スラックスの前のプレスされたラインも消えてしまったし、寧ろあれをどうやって消したのか教えてほしい。
胸の内ポケットにスマホを入れようとすればいつの間にかバッテリーが100%になっていた。
「何で?!」
叫びそうになった口を慌てて押さえこんでマジマジとバッテリーのマークを見てしまう。何コレ怖いーなんて思うべきなんだろうけど正直言えばラッキーと言うべきか。こうなると電源は何かと考えるよりも使えて良かったー何んて思う方が上回る。とりあえず大切に胸ポケットに片づけて慣れた重みにホッとしていればブ、ブーと着信音。 さすがにぎょっとしつつもアップデートのお知らせとあり、どこに回線飛んでるんだよ?!スマホ普及してるのかよ?!なんてありえない事は判っててもつっこんでしまう。
とりあえずお知らせバナーにはアプリの追加と言う強制イベントが発生してたらしい。
「勝手にアプリが増える何て勘弁してくれー……」
仕方がなく少し気味が悪い物の何がインストールされたのかちゃんとチェック。
ありがたい事にNEWの文字のアイコンが付いていて、よくわからないイラストが描かれていたけどタップすればその胡散臭さへの警戒何て吹っ飛んでいた。
「わ、マジ?ショップ?!
なに買えるの?え、食品、服屋、薬屋、酒屋、武器屋……」
酒屋までは理解できたけど最後の武器屋ってなんだよ。その上
「質屋、魔法店、奴隷商店……」
引いた。どん引きだ。人材派遣ではなく人材は物資として取り扱われるのかとこのアイコン消しておくべきかなんて思ったけどだ。
ついつい見てしまうのがショップの恐ろしい所。
服屋を見れば俺が切望する俺愛用の三枚千円のボクサータイプのパンツがあるし、忘れがたきポテトチップスも当然のようにラインナップとして用意されている。使い慣れたワックスや歯磨き粉もある。ただし表記されてる金額は見た事ない物。後で教えてもらえば問題なし。
何でも買ってもらえそうな旦那さんが出来たのでちょっとおねだりしてみよう。
「お呼びでしょうか?」
ハウゼンさんが来る間グランデルさんとお茶を頂きながら待っていれば現われたハウゼンさんは相変わらず隙のないきちりとした身なりで静かに立っていた。それだけで他の侍女達さえ緊張するかのように呼吸さえ聞こえない錯覚に陥る物の
「ええと、これからこちらのグランデル騎士団団長の家でお世話になる事が決まりまして、短い間ですがお世話になりましてありがとうございました」
「はい、お話はお聞きしております。ご婚約おめでとうございます」
さっと頭を下げるものの、おかげで彼女の背後の侍女の驚く顔と絶望、そして嫉妬の睨みつける視線に理不尽だと嘆いてしまう。
「でしたらこちらのお部屋はもう片づけても宜しいのでしょうか?」
俺ではなくグランデルさんに問えば
「はい。もし城にお邪魔する事があれば今後は私の部屋の方へ案内するので大丈夫です」
城に部屋があるんだ。そりゃあるんだろうな騎士団団長さんだしとふーんと聞いていればどこだろうかと考えればぱっと目の前に地図が現れて、この現在地からの通路まで描かれていた。
便利なのかなんというか、この機能は城の安全面から考えたら絶対まずい奴で、とりあえずもういいよと思っていれば地図は目の前から消えた。なんとなくオンオフの切り替えが判ったような気がしたけど自動で起動するのは勘弁してくれと思ってしまう。
地図に翻弄される合間に二人の間では話が進み
「なので、ナナセの荷物を頂きにまいりました」
「それでしたらクローゼットの方にお預かりしております」
静かに床まで届くロングスカートを少しだけ揺らしながらクローゼットに案内された。一応退屈だったのでルームツアーをしたのだが、このクローゼット……
俺が住んでいた家のリビング並みにでかいんだ。
住ませてもらってた部屋も大きかったけど、このクローゼットの大きさは正直ショックを覚えるくらいの広さだったが何がショックかと言えば、この巨大なクローゼットに俺のスーツが一式と数日の着替えがチョンと片隅にあるだけなのだ。
なんて言う罰ゲームかと両手で顔を隠して嘆いていれば、それを見てしまったグランデルさんの顔を逆に見れなくなってしまった。
「持ち物はこれだけ?着替えも?」
驚きを上げる声にハウゼンさんはハッと何かに気が付いてそれから周囲を伺い、申し訳なさそうに頭を下げる。背後の侍女さんの顔色の悪さに横領があったようで
「申し訳ありません」
と言うだけ。男性物ですよ?あ、売ればいいだけかと納得すればいいお小遣いにはなったのだろう。食事の事もあったので俺が知らない所で何かあったのか。でも気が付かなかったからまあいいやとスルーして俺の荷物を持ち
「この服はお返ししないといけないなら着替えますので」
ハウゼンさんとグランデルさんにクローゼットから出てもらって着替えようかと思うも
「お手伝いさせていただきます」
当然と言う様にきりっとした顔のハウゼンさんと
「私の事は気にしなくていい」
この場に居るのが当然と言うような二人にこれ以上何かを言うのはやめて、洗ってもらったせいでごわごわになってしまったスーツを持ってバスルームに行くのは俺だって立派な成人男性。着替えを手伝って貰う年齢でもなければ着替えを観察される趣味もない。
二人をクローゼットに残して、丁寧に扉を閉めれば護衛の人達はやれやれと頭を振っていた。
護衛の人達からどこか憐れんだ視線を受け止めながらもバスルームで着替えて脱いだ衣類をたたんで籠の中に置いておく。
久しぶりに着たスーツに背筋がピシッとなる物の、水洗いをして洗剤でごしごしと洗ってれたのか変な皺が寄ってしまっていた。スラックスの前のプレスされたラインも消えてしまったし、寧ろあれをどうやって消したのか教えてほしい。
胸の内ポケットにスマホを入れようとすればいつの間にかバッテリーが100%になっていた。
「何で?!」
叫びそうになった口を慌てて押さえこんでマジマジとバッテリーのマークを見てしまう。何コレ怖いーなんて思うべきなんだろうけど正直言えばラッキーと言うべきか。こうなると電源は何かと考えるよりも使えて良かったー何んて思う方が上回る。とりあえず大切に胸ポケットに片づけて慣れた重みにホッとしていればブ、ブーと着信音。 さすがにぎょっとしつつもアップデートのお知らせとあり、どこに回線飛んでるんだよ?!スマホ普及してるのかよ?!なんてありえない事は判っててもつっこんでしまう。
とりあえずお知らせバナーにはアプリの追加と言う強制イベントが発生してたらしい。
「勝手にアプリが増える何て勘弁してくれー……」
仕方がなく少し気味が悪い物の何がインストールされたのかちゃんとチェック。
ありがたい事にNEWの文字のアイコンが付いていて、よくわからないイラストが描かれていたけどタップすればその胡散臭さへの警戒何て吹っ飛んでいた。
「わ、マジ?ショップ?!
なに買えるの?え、食品、服屋、薬屋、酒屋、武器屋……」
酒屋までは理解できたけど最後の武器屋ってなんだよ。その上
「質屋、魔法店、奴隷商店……」
引いた。どん引きだ。人材派遣ではなく人材は物資として取り扱われるのかとこのアイコン消しておくべきかなんて思ったけどだ。
ついつい見てしまうのがショップの恐ろしい所。
服屋を見れば俺が切望する俺愛用の三枚千円のボクサータイプのパンツがあるし、忘れがたきポテトチップスも当然のようにラインナップとして用意されている。使い慣れたワックスや歯磨き粉もある。ただし表記されてる金額は見た事ない物。後で教えてもらえば問題なし。
何でも買ってもらえそうな旦那さんが出来たのでちょっとおねだりしてみよう。
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