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ランチをどうぞ
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昨日の今日、俺は城へと呼ばれていた。
俺を呼びだしたのは聖華ちゃん。
さすがに昨日のアレは無いわとやり直しを昨日の帰りがけに要求された。
うん。
話は半分も出来なかったし、ぶっちゃけた所なのでどんどんお互いの情報を擦り合わせたい。
特に俺のバッドエンド回避について。
その為に聖華ちゃんに献上する物は決めてある。
本日はランチを一緒にと言う約束。
アレックスは残念な事に予定が詰まっているので城の重鎮達とランチ会議らしい。
何でそんな事を知っているのかという理由は簡単。クラエスもお呼ばれされていて、本来ならお休みの日なのに今朝ももふを連れて
「ランチ会議なんて何が楽しい!
会議が長くなるからランチを食べながら会議室に缶詰めだなんて陛下が逃げ出さないための理由なんてクソくらえだっ!!!」
意外と言葉遣いが悪いようだ。
って言うか、アレックスに脱走癖があるんだと言う方がへーと思ってしまうも多分俺とのランチもその一環なのだろう。
俺としてはクラエスが会議に行くのは大いに結構。
クラエスが休みの日と言えば大体寝室に籠ると言う不健康さながらの新婚の蜜月を実行するのだ。
一日中セックス三昧。精液のこもる部屋で裸でいちゃついている時に容赦なく食事の準備やお酒やおつまみを運ばれてくる時の居た堪れなさ。死にたい……
こればかりはなれないとシーツを頭からすっぽりかぶるあたりメイドさん達からも可愛らしいと笑われている。
一体いつまで続くのだろうかと思いながら亭主留守で元気が良い、よく言った物だと本当に思う。
クラエスともふがいつものように肩車スタイルで出勤するのを見送ってから俺も準備をして城に向かう。
今回のランチの趣旨は持ちよりランチ、いわゆるお互い料理を持参するスタイルだ。
こちらは移動の為にスープ類は出せないので飲み物合わせてお願いする。
被らないようにパンとデザート、そして俗にいうサイドメニュー。サラダは持って行きませんとだけ招待状を頂いた時の返事には書いておいた。
それをヒントに聖華ちゃんには用意してもらおうと思う。
料理長から渡されたバスケットの中にはパンとチーズ、肉料理と彩りに生野菜が入っているがサラダとしてノーカンだ。あと俺が料理長に頼んで作ってもらった故郷の料理とピクルスも用意してもらった。
とても二人では食べきれない量を用意して今回もハウゼンさんを連れて城へ向かう。
ほら、聖華ちゃん一応聖女じゃない?
むやみやたらと男性を近づけたくないのでセリムは家で留守番をしてもらうのだった。
そして始まったランチタイム。
給仕の関係からいつもの庭園ではなく庭園を望むテラスでのランチとなるのだった。
俺が持ち寄ったバスケットはハウゼンさんが持つのを合わせて二つもある。
その量に驚く聖華ちゃんはちゃんと適量を用意してくれていた。
あわあわとする彼女に
「あまったら皆さんで食べてもらって構わないから。良かったらだけど」
すっかり餌付け完了している侍女さん達のどこかそわそわと言った様子にハウゼンさんの咳払いが静かに響く。
あまりいじめてあげないでねと苦笑しながらサラダを始め、スープにハーブの薫ローストチキンなどがテーブルを彩って行く。
ランチとしては優秀なメニューだ。
だけど俺はそれにニヤリと笑い、ハウゼンさんがバスケットから取り出したパンやデザートのアップルクランブルを並べる横で紙で包んだ物をプレートの上に並べるのだった。
ハウゼンさんはそのようなもの用意したかしらと小首かしげるも口を挟まないのはさすが侍女の鏡。
だけど聖華ちゃんはその紙で包まれた物を穴が開くほどガン見していた。
そりゃそうだ。
この世界にはないMの字マークがおなじみのアレ。
当然ながら細長いヤツも黒色のしゅわしゅわのヤツもよういしてならべれば
「あ、天鳥さん、コレっ!!!」
「まあ、百聞は一見に如かず。見るよりも食べてごらんあれ」
なんて言うよりも早く包みを開けて閉じ込められた香りが溢れ出すのを心まで吸い込み、周囲がまぁ……なんて驚く間もないうちに大きな口を開けてかぶりつくのだった。
まあ、はしたない。
そう言いたそうな周囲の視線もものともせず二口、三口と進めて瞬く間に食べきってしまった。口元に付いたソースを親指で拭ってぺろりと舐めた所でやっと落ち着いたと言う様に
「これで悔いなく死ねる!」
「こんな事で死なないでください!」
高校生男児もびっくりな男前な食べ方に正直ビビってしまったけど、聖華ちゃんはストローでコーラを飲み、ものすごい勢いでポテトを食べるのをハウゼンさんを含めて周囲の侍女さん達は顔を青くして黙って見守っていた。
俺を呼びだしたのは聖華ちゃん。
さすがに昨日のアレは無いわとやり直しを昨日の帰りがけに要求された。
うん。
話は半分も出来なかったし、ぶっちゃけた所なのでどんどんお互いの情報を擦り合わせたい。
特に俺のバッドエンド回避について。
その為に聖華ちゃんに献上する物は決めてある。
本日はランチを一緒にと言う約束。
アレックスは残念な事に予定が詰まっているので城の重鎮達とランチ会議らしい。
何でそんな事を知っているのかという理由は簡単。クラエスもお呼ばれされていて、本来ならお休みの日なのに今朝ももふを連れて
「ランチ会議なんて何が楽しい!
会議が長くなるからランチを食べながら会議室に缶詰めだなんて陛下が逃げ出さないための理由なんてクソくらえだっ!!!」
意外と言葉遣いが悪いようだ。
って言うか、アレックスに脱走癖があるんだと言う方がへーと思ってしまうも多分俺とのランチもその一環なのだろう。
俺としてはクラエスが会議に行くのは大いに結構。
クラエスが休みの日と言えば大体寝室に籠ると言う不健康さながらの新婚の蜜月を実行するのだ。
一日中セックス三昧。精液のこもる部屋で裸でいちゃついている時に容赦なく食事の準備やお酒やおつまみを運ばれてくる時の居た堪れなさ。死にたい……
こればかりはなれないとシーツを頭からすっぽりかぶるあたりメイドさん達からも可愛らしいと笑われている。
一体いつまで続くのだろうかと思いながら亭主留守で元気が良い、よく言った物だと本当に思う。
クラエスともふがいつものように肩車スタイルで出勤するのを見送ってから俺も準備をして城に向かう。
今回のランチの趣旨は持ちよりランチ、いわゆるお互い料理を持参するスタイルだ。
こちらは移動の為にスープ類は出せないので飲み物合わせてお願いする。
被らないようにパンとデザート、そして俗にいうサイドメニュー。サラダは持って行きませんとだけ招待状を頂いた時の返事には書いておいた。
それをヒントに聖華ちゃんには用意してもらおうと思う。
料理長から渡されたバスケットの中にはパンとチーズ、肉料理と彩りに生野菜が入っているがサラダとしてノーカンだ。あと俺が料理長に頼んで作ってもらった故郷の料理とピクルスも用意してもらった。
とても二人では食べきれない量を用意して今回もハウゼンさんを連れて城へ向かう。
ほら、聖華ちゃん一応聖女じゃない?
むやみやたらと男性を近づけたくないのでセリムは家で留守番をしてもらうのだった。
そして始まったランチタイム。
給仕の関係からいつもの庭園ではなく庭園を望むテラスでのランチとなるのだった。
俺が持ち寄ったバスケットはハウゼンさんが持つのを合わせて二つもある。
その量に驚く聖華ちゃんはちゃんと適量を用意してくれていた。
あわあわとする彼女に
「あまったら皆さんで食べてもらって構わないから。良かったらだけど」
すっかり餌付け完了している侍女さん達のどこかそわそわと言った様子にハウゼンさんの咳払いが静かに響く。
あまりいじめてあげないでねと苦笑しながらサラダを始め、スープにハーブの薫ローストチキンなどがテーブルを彩って行く。
ランチとしては優秀なメニューだ。
だけど俺はそれにニヤリと笑い、ハウゼンさんがバスケットから取り出したパンやデザートのアップルクランブルを並べる横で紙で包んだ物をプレートの上に並べるのだった。
ハウゼンさんはそのようなもの用意したかしらと小首かしげるも口を挟まないのはさすが侍女の鏡。
だけど聖華ちゃんはその紙で包まれた物を穴が開くほどガン見していた。
そりゃそうだ。
この世界にはないMの字マークがおなじみのアレ。
当然ながら細長いヤツも黒色のしゅわしゅわのヤツもよういしてならべれば
「あ、天鳥さん、コレっ!!!」
「まあ、百聞は一見に如かず。見るよりも食べてごらんあれ」
なんて言うよりも早く包みを開けて閉じ込められた香りが溢れ出すのを心まで吸い込み、周囲がまぁ……なんて驚く間もないうちに大きな口を開けてかぶりつくのだった。
まあ、はしたない。
そう言いたそうな周囲の視線もものともせず二口、三口と進めて瞬く間に食べきってしまった。口元に付いたソースを親指で拭ってぺろりと舐めた所でやっと落ち着いたと言う様に
「これで悔いなく死ねる!」
「こんな事で死なないでください!」
高校生男児もびっくりな男前な食べ方に正直ビビってしまったけど、聖華ちゃんはストローでコーラを飲み、ものすごい勢いでポテトを食べるのをハウゼンさんを含めて周囲の侍女さん達は顔を青くして黙って見守っていた。
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