かみさまなんていない

風慈月

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かみさま、どうして?

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小学生の頃だ。




特別、天気が良くもなく悪くもなかった日だったと思う。
家に帰ると、母が泣いていたんだ。



察しはついていた。


毎月出張に行くような稼ぎの良い父。


連絡もなく、夜中に帰ってきたと思えば、

「飯は食ってきた。」

普通の父ではなかったんだ。



普段から運転は荒いし、周りが止めても飲酒運転をするような腐った人間だった。

正直、代理運転を頼むに困るような懐では無いだろうし、免許のない母と、小学生の私にしたら、

怖かった。



だが、私や母が飲酒を止めたって、父方の祖母や祖父が止めないんだ。

本当に終わってる人間達だと思う。


そう思う思考は、母方に似たのだろう。



まぁ、そんな父でも、私が幼い頃は、

おむつを取り替えたり、動物園や水族館に連れていってくれたり、自分から私の面倒を見る、普通の父だったという。


父は男だけの三人兄弟で、その長男だった。

三人共に、相当な負けず嫌いで、何の科目の成績も文句無しだったらしい。


そんな父は、凄く頭が良くないと入れない大学にも一回で合格し、なんの事はなくストレートで卒業し、知らない人は居ない有名会社に入った。 


次男も三男も同じように、ストレートで大学に入学、卒業したという、祖父祖母にとっては自慢の三兄弟だったらしい。


父本人の口からは聞いたことが無いが、母が口にしていたのを聞いたことがある。



それに比べて、自慢の息子の娘で、祖父祖母にとって初孫である私は、


勉強も中の下から、下の下。

体が弱くて運動は出来ない。

人見知りで、うまく話しが出来ない。



かみさまは、私に要らない産物を詰め込んだ。



父や父方の祖父祖母は、そんな私が恥だったのだろう。


運動会で、肺をヒューヒュー鳴らしながら走ったが、ビリだった私に対して、


「一人っ子だから負けん気が足りない」

「また駄目だった」

「見てて恥ずかしいね」

「もっと頑張れよ?」



そんな言葉ばかりだった。

嫁の母にはもっと酷い言葉がかけられていただろう。



だからなのだろうか。

私が恥だっただからなのだろうか。



帰宅時から泣いていた母に、どうしたのかと訊ねた。









「離婚しようと思う。パパはね、他の綺麗な女の人との間に、子供が出来たんだって。」







かみさま、どうして?


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