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1話
しおりを挟むここはファールミル王国
大陸で1番大きな国だ。この国が大陸で1番大きくなることができたのにはある騎士団が存在していたからだ。
この国でその騎士団を知らない者はいない
大人や子供たちにとってまさに憧れの存在
子供は「大きくなったらその騎士団に入るんだ!」とみんなが夢にするほど
その名はリントブルム騎士団
所属人数は約50名
この騎士団完全実力派で構成されており、貴族から孤児まで色々な出生の人たちがいる
もちろんそのことを良いと思わない貴族たちもいる
そのリントブルム騎士団は今、戦争のまっただ中にあった。
敵国のアンチュー帝国は2番目に大陸で大きな国でとても好戦的な国だ。何かと理由をつけては攻撃し、数々の小国を取り込むことで成長してきた。
リントブルム騎士団の野営地
「ギムル団長ー!」
「どうしたロキ」
ロキという男、リントブルム騎士団の副団長である
「飯です!飯の時間です!」
「ん? そうか、飯はできたのか?」
「ええ、今日はステーキだそうです!」
「なに!?ステーキか、まさか戦場でステーキが食べられるとは思ってもいなかった。よし、他の者達にも飯だと通達しろ」
「了解です!」
暫くしてガヤガヤと野営地の中心に人が集まってきた
天幕から料理人がでてきて一言
「えーと、今日はステーキとパンです。力を出すにはやっぱり肉だと思いまして狩ってきました。」
「「おぉー!!」」
皆驚きの声を上げている
それもそう、普通なら王国から離れた戦場などでは生物はすぐに腐ってしまうので干し肉など乾燥させた物やとても硬い黒パンなどが一般的である。
「はい、はーい1人1枚ちゃんとあるので並んでください」
みんなきちんと並んでステーキとパンをもらう
みんなに配ったところで料理人が前に出てきて
「それでは食材に感謝して…いただきます!」
「「いただきます!」」
「う、うめぇー!」
「なんだ、このやわらかさ!」
「肉汁やべー」
「我が家でもこのようなステーキなど食べたことがない」
「美味しそうでなによりです」
と、料理人 名前はキオ
「キオ、なんだこの肉は」
団長が聞いた
「はい、少し離れた所にドラゴンが居たので狩りました。まぁ、小さかったですけど」
「っ!…ど、ど、ドラゴンだと~!?」
そう、ドラゴンといえば世界最強の種族であり1頭でも小さな国であれば一瞬にして破壊してしまうほどの力をもっている
「ええ、ドラゴンです。ドラゴンステーキです。」
そんな、もはや天災レベルの生物の肉なんて普通の人、いや王族ですら一生食べることができないほど価値。丸々1頭で小さくても国家予算レベルの価値がつく。
もちろん肉だけではない、ドラゴンの鱗はどんな金属よりも固く適度な柔軟性があり熱を通さないと言われている代物1枚売るだけでも数年は遊んで暮らせるだろう
そんなドラゴンをさらっと1人で狩ってきましたとかいうものだから驚くのはしかたない。
「お、お前その事誰かに言ったか?」
「いえ、誰にも言ってませんが」
「このことは俺と副団長のロキと各隊長しか話してはならんぞ」
「あ、はい。わかりました。」
本当にわかっているのだろうかコイツは
「ところで鱗とか骨はどうした?」
「そのへんに埋めときました」
「そ、そうか。まぁ、それでいいだろう」
数十年後、孤児だった少女が怪我をした犬を助けた。その犬が吠えている所で穴を掘るとドラゴンの鱗や骨が見つかった。それを資金に世界中に孤児院を建てたり貧しい人達を救い聖女と呼ばれるまでになった。その聖女は亡くなる前に「あれは、神が私に与えてくださった祝福です。」と言い残したらしい
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