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第二章
ワンダーボーイ その⑤
しおりを挟むそこはパッシブ・サンルームという造りの部屋であった。
四方を窓ひとつない厚い隔壁に囲まれているが、天井部分には透明な強化ガラスが用いられ、そこから陽光が室内に降りそそぐ構造になっている。
広さは和室に換算して二十畳ほど。観葉植物の鉢や数種類の熱帯魚が泳ぐ水槽などが部屋の壁際に配置され、それらに囲まれるように革張りのソファーやオットマン椅子、大理石造りの応接テーブルなどが部屋の中央に置かれてある。
ここはクラブハウスの二階にある応接室である。
そこでは今、豪奢な造りの応接テーブルをはさんで世代の異なる四人の男女がソファーに座っていた。
「……というわけなんだが、どうだろう?」
簡単な説明を終えると、磯部はテーブルの上のコーヒーカップを手に取った。
その磯辺の隣には葉巻をくわえた愛木がでんと腰をおろし、応接テーブルをはさんだ向かいのソファーには、差し出されたジュースとケーキを口にする涼と蘭がいた。
蘭の察したとおり、磯部の話というのはやはり涼とプロ契約を結びたいというものだった。
自分のカンのよさに内心でほくそ笑む蘭であったが、すぐに気持ちを切りかえ、突然の契約話に戸惑う涼にかわり磯辺に質問をぶつけた。
「ねえ、ゼネラルマネージャーのおじさん。ちょっと訊きたいんだけど」
「うん、なんだい?」
「ここってビッグクラブなの? サンパウロFCくらいの名門チームなの?」
「……サンパウロFC?」
聞きなれない語彙に愛木はそれまで吹かしていた葉巻を口から離すと、「何だ、それは?」と言いたげに磯部を見やった。
「サンパウロFCというのはブラジルのプロサッカークラブのひとつで、過去、世界一に何度も輝いたことがある名門チームです。彼はそこの下部組織の出身なんですよ」
そう磯辺は説明したが、説明したところで国内のチームさえろくに知らない愛木にブラジルのサッカーチームがわかるはずないのだが、そこは生来の見栄っ張り屋。
「おおっ、あの名門チームの出身だったのか。そいつはすごい!」
などと、とっさに「サッカー通」を気取るあたりが磯部には笑止だった。
調子の良すぎる愛木に内心で舌を出すと、磯辺はゆっくりと蘭に向き直った。
「残念ながら、うちはそんなに大きいクラブじゃないんだ。まだ創設されて10年ちょっとの新興のチームだからね。でも人気と実力は着実についてきているし、将来的にはビッグクラブになりうる有望チームとして評価をうけているよ」
「うむ、そのとおり」
満足そうにうなずく愛木の横で、磯部は心にもない自分の台詞に舌を噛み切りたい気分になった。
毎年のようにリーグ降格と資金難という「ダブル危機」に直面している弱小チームが、言うに事欠いて「ビッグクラブになりうるチーム」とは、ほとんど詐欺だよなと磯部は思わずにいられなかったが、愛木の手前ではどうしようもない。
深刻なため息を胸の中で漏らすと、磯部は涼を見やった。
「ともかく、うちとしてはぜひ久住君とプロ契約を結びたい。どうだろうか?」
「そうねえ……悪くない話だけどね」
そう応じたのは涼ではなく蘭である。
ストローでジュースをすすりながら、熱帯魚が泳ぐ水槽をなぜともなく見つめているその姿は、一見、応否を決めかねているように見えるが、じつのところ、蘭の中ではすでに「もちろんイエスよ。イエスに決まっているじゃないの!」という結論が出ていた。
にもかかわらず、あたかも決断がつかない態をよそおっているのは、ひとえにクラブ側から有利な条件を引き出すためである。
涼はまったく知らぬことだが、じつは蘭は将来、プロサッカー選手となった涼の「代理人・兼・個人マネージャー」となって、自身もサッカー界で活躍することを密かに夢見ているのだ。
そうである以上、異例の申し出とはいえほいほいと契約に応じては、「敏腕代理人」を志す者としてあまりに芸がなさすぎるというもの。
ここは涼のためにも、少しでもいい条件を引き出すまで駆け引きするにかぎる。そう蘭は考えていたのだ。
時間にして約一分ほど。黙したまま思惑と打算のツインエンジンをフル回転させていた蘭は、持っていたジュースのグラスをテーブルにおいて磯辺に向き直った。
「ねえ、おじさん。ゼネラルマネージャーをやっているくらいだから、試合を見て涼のレベルの高さがわかったでしょう?」
「もちろん。とても高校生とは思えなかったよ」
「でしょう。30メートルの距離を、ボレーシュートで正確にゴールを狙える選手がここにいる?」
「いや、ちょっといないな」
「じゃあ、幻のシュートといわれるナックルシュートを打てる選手がここにいる? マルセイユ・ルーレットを、実戦であれだけあざやかに使いこなせる選手がいる?」
「いや、残念ながら……」
「だったら、それだけの選手にふさわしい条件をまず提示してもらわないとねぇ。契約してほしいとだけ言われても、こちらとしても返答のしようがないわよねぇ」
「は、はあ、たしかに……」
応じた磯辺の声が微妙にくぐもった。
たしかに蘭の言うとおり、交渉事の順序が逆であったことに遅まきながら気づいたこともあるが、それ以上に磯部の声と表情に翳りをもたらしたのは、およそ子供の弁舌とは思えない、プロの代理人もかくやと思えるほどの蘭の巧みな話しぶりに面食らってしまったからだ。
事実、磯部はコーヒーを何度も口に運んだり、とくに暑いわけでもないのにハンカチで額をやたらぬぐったりと、妙に落ちつきがない。
「もちろん、うちは出すものは出すぞ」
そんな磯辺を見かねたのか、隣の愛木が声をはさんできた。
「新人の年俸相場は300万円だが、おもいきって400万円だそう。どうかね?」
そう言ってこう然と胸を張る愛木の表情は、いかにも「どうだい、太っ腹だろう」とでも言いたげである。
自分の豪気さに感激し、「本当!? おじさんって気前がいいのね!」と喜びはしゃぐ蘭の姿がこのとき愛木の脳裏には浮かんでいた。
ところが、現実には蘭の反応はちがった。
喜びはしゃぐどころか、きょとんとした表情で愛木を見つめている。
なに言っているの、このおじさん? その表情はあきらかにそう主張していた。
さすがの愛木もそのことを敏感に感じとったのであろう。
予想外の冷めた蘭の反応にそれまでの鷹揚とした態度から一転、そのいかつい顔はみるみるうちにこわばった。
「よ、400万では不満なのか……?」
ようやく発せられたその声も、やはり硬いものだった。
「ねえ、社長さん。悪いけど円じゃなくてレアルか、せめてUSドルで提示してくれない? 私たち、ブラジル暮らしのほうが長いから円で言われても価値がよくわからないのよね」
時間にして10秒間ほどの沈黙の後、愛木は真顔で磯部にささやいた。
「おい、磯部君。400万円をUSドルに直して、彼らに提示したまえ」
「い、いきなり言われましても、私にはちょっと……」
唐突すぎる愛木の指示に、磯部は困惑のあまり顔をゆがませた。
為替トレーダーじゃあるまいし、そんなことすぐにわかるわけないだろう。愛木の「ムチャ振り」に、磯部は心底から吐き捨てずにはいられなかった。
「あの、ちょっといいですか?」
それまで一同の中でただ一人だけ無言を保っていた涼が、初めて声を発した。
合わせて六本の視線がその顔に注がれる。
「なにかな、久住君?」
「契約のことなんですが、返事は少し待ってもらってもかまいませんか?」
磯部に応えた涼の一語はなにげないものだったが、蘭、愛木、磯辺の三人にあたえた衝撃ははかりしれなかった。
三人は同時に絶句し、目をみはり、顔をゆがませ、静かにジュースを飲む涼の顔に三方からレーザー光線のような視線を注ぐ。
それも当然で、立場や思惑はそれぞれ異なるとはいえ、涼がふたつ返事で契約に応じるという点では一致していたからだ。
それだけに三人ともその理由を質さずにはいられず、まずは蘭が隣の席からぐっと身を乗りだして、
「どうしてよ。プロ選手になりたくないの!?」
続いて愛木が、口と鼻と耳から葉巻の煙を蒸気のように噴きださせて、
「ほかに誘われているチームや希望するチームでもあるのかね!?」
最後に磯部が、なにやら申し訳なさそうな表情と消えるような細い声で、
「し、新人の相場が450万円ということを知っていたのかい?」
「そういうことけじゃなくて……」
涼は小さく頭を振り、
「ユースの契約ならともかくプロ契約ともなると、親と相談してからでないと自分一人では勝手に決められませんから」
「お、親……?」
その瞬間、蘭、愛木、磯部の三人は同じつぶやきを漏らすと、たちまち沈黙の淵に沈んでしまった。
涼の言葉に納得したからではない。自分たちのうかつさに気づき、気恥ずかしさのあまり沈黙せざるをえなかったのだ。
プロ契約に対する涼の返答がイエスかノーかについては、三人にしてみれば明白かつ決まりきったことと勝手に思いこんでいたので、本来、もっとも考慮しなければならない点――涼が未成年の高校生で契約には親の承諾が必要という事実――に思考がまるで至らなかった。
遅まきながら三人は、涼の一語でそのことに気づいたのである。
しばしの時間、気まずい沈黙とそれが生むわだかまるような静寂が応接室をつつみこんだが、やがて笑い声まじりの蘭の声がそれを破った。
「そ、そうよね。まずはお父さんたちに相談しなくちゃね。いくらレベルが高くてもまだ高校生なんだからね。そうでしょう、社長さんにゼネラルマネージャーのおじさん?」
いきなり意見を求められて愛木と磯部はぎょっと目玉をむいたが、そこは社会的地位のある大人の男。平静をよそおってまず愛木が応えた。
「お、おお、もちろんだとも。まずは親御さんの承諾を得ることがなにより大事だ。なんといってもまだ高校生なんだからね、彼は。そうだろう、磯部君?」
「え、ええ、そのとおりです。やはり未成年である以上、親御さんの承諾は契約上、必要不可欠ですからね。私が具体的な契約内容を提示しなかったのもそういう理由からなんですよ。ははは……」
ぎこちない笑い声をあげる三人を、涼は黙然と眺めやっただけで声に出しては何も言わず、手にするグラスを静かにテーブルに戻した。
三人が胸の内で「うまくごまかせた……」と安堵の声を漏らしたことに、むろん涼は気づいていない。
ともかく涼の意向もあり、今日のところはとりあえず話だけということで、ひとまず契約に関する交渉は終わった。
出されたケーキとジュースをきれいに平らげた涼と蘭が、「じゃあ、帰ろうか」とソファーから立ちあがったとき、愛木が思いだしたように磯部に声を向けた。
「そうだ、磯部君。たしか次の試合のチケットがあっただろう。この子たちにあげたまえ」
ほどなく磯部から手渡されたのは、今週の土曜日に開催されるラバーズのホームゲームのチケットだった。
それも数種類ある客席の中でも、もっとも料金の高いメインスタンドS席のチケットである。
磯部にしてみれば別に見栄を張ったのではなく、手もとにこのチケットしかなかったのだ。
「うちの戦いぶりを直接その目で見てくれたまえ。きっと気にいるはずだ」
自信満々の態でそう口にする愛木の横で、「逆効果になりませんかね?」と言いたげな表情をつくる磯部に愛木はてんで気づいていない。
気づいたのは涼のほうで、複雑な表情を浮かべる磯部を無言で見つめている。
愛木の言葉とそれに対する磯部の表情から、あるていどの「チーム事情」を涼は察したようであったが、声にはむろん顔にもそれとわかる表情は出さなかった。
かわりに声を発したのは蘭だ。
それまで手にするチケットを興味深そうに見つめ、裏を見たり照明にすかしたりしていたのだが、ふいに顔をあげて愛木に向き直り、
「ねえ、社長さん。このチケット、あと二枚もらえない? 友達も誘いたいの」
蘭のいう友達というのが、例の二人の女子高生であることは涼にはすぐにわかった。
やがて都合四枚のチケットを手にして応接室を後にした二人は、クラブハウスの正面玄関を出てすぐにグラウンドから引き上げてきたスタッフの一団と出くわした。
その中に蘭が伊原を見つけたのはほぼ同時のことである。
その突出した長身は、集団の中にあってもやはり目立つ。
「あっ、キーパーのおじさん!」
「よお、お二人さん」
涼と蘭に向かって、伊原は軽く手をあげた。
「あれぇ、もうテストは終ったの?」
「ああ、ついさっきな。今日のところは一次テストまでで、次の二次テストに参加できる選手には、後日、チームのほうから連絡がいくことになっている。もっとも……」
言いさして言葉を切ると、伊原は涼を見やり、
「どうやら君には、連絡する必要がないみたいだけどな」
「はあ……」
返答に窮する涼にかわり、得意顔で応じたのはもちろん蘭だ。
「フフフ、そうよ、おじさん。うちのチームと契約してほしいって社長さんから直に頼まれたのよ。どう、すごいでしょう?」
「……やっぱり」
予想どおりの展開に、伊原はつい苦笑を漏らした。
その笑いが何を意味するものなのか。涼と蘭はむろん知るよしもない。
「それにしても、おじさん。なかなかやるじゃないの」
唐突に賞されて、伊原は軽く両目をしばたたいた。
「うん、何のことだ?」
「涼のナックルシュートを止めるなんて、なかなかできることじゃないわ。もう引退したって聞いたけれど、まだまだ代表チームでもプレーができるんじゃない?」
「そ、そうかい? ありがとう」
クラブチームの選手としてはともかく、代表選手としてのピークがとっくに過ぎていることは伊原自身が誰よりも承知していたが、褒められて悪い気はしなかった。
「じゃあ、俺たちも帰ろうか。契約のことを父さんたちに話さないといけないからな」
「あっ、そうね。早く教えてあげなくちゃね」
蘭は伊原に向き直り、
「じゃあね、おじさん。また会いましょうね」
「おう、気をつけてな」
ウェアのポケットに入れてあった伊原の携帯電話が鳴ったのは、二人と別れ、クラブハウスに入ろうと玄関の階段に足をかけたときである。
「おっと……」
伊原はポケットから携帯電話を取り出した。妻の百合子からの電話だった。
「ああ、今、終わったよ。これからテストの総括やらミーティングやらがあるから、そうだな、六時頃には帰れると思うけど……えっ、美和子に代わるって?」
電話口に美和子が出てきた。
「あっ、美和子かい? お父さん、六時頃には家に帰れ……えっ、いい選手は見つかったかって? ははっ、そうだな……」
言いさして口を閉じた伊原は視線を転じた。
施設の正門へと続く場内の並木道を、言葉を交わしながら歩く涼と蘭の姿が見つめる先にある。
徐々に小さくなる二人の姿を眺めやりつつ、伊原は微笑をたたえて娘に答えた。
「ああ、とびっきりの選手がね」
帰宅時間を約束して携帯電話を切ると、伊原はふたたび二人の姿を目で追ったが、視線の先に涼と蘭の姿を見つけることはできなかった。
おそらく並木道の角を曲がったのであろう。そこまで行けば正門まではすぐだ。
伊原は携帯電話を折りたたみ、ポケットの中にしまいこんだ。
正面玄関のガラス扉から顔を覗かせた二十代の若手スタッフが、伊原に声を放ってきたのは直後のことだ。
「伊原さん、澤村コーチが呼んでいます。ミーティングを始めたいそうですよ」
「わかった、すぐに行くよ」
片手をあげて応えると、伊原はなにげなく空を見あげた。
練習場にやってきた正午過ぎとかわらない、はぐれ雲ひとつない突きぬけるような青空が広がっていたが、そのことに伊原は奇異感のようなものをおぼえた。
すでに時刻は午後四時半をまわり、陽も西の空に大きく傾いているにもかかわらず、空は朱色がかった暮色をたたえるどころか、いまだ真昼のような青さと明るさを保っているのだ。
まだまだ日暮れの早いこの時期にあっては、不思議としか言い様のない光景だった。
不思議なことといえば、伊原にはもうひとつ思いあたることがあった。古傷である自身の右膝がまったく痛まないのだ。
いつもであれば、練習ないし試合を終えた後は、必ずといっていいほど痛みや違和感が膝を襲っていた。酷い状態のときは、マッサージをうけないと帰宅することもままならないときもあるほどだ。
ところが今日にかぎってはどういうわけか、テストとはいえ二試合も連続でこなしたにもかかわらず、痛みはおろか違和感すら感じない状態が今も続いている。
とりわけ第一試合では、驚異のプレーを見せる涼からゴールを守るため、公式戦さながらの激しいセービングを繰り返したというのにだ。
痛みを発しない右膝。
季節はずれの陽気。
練習場内の早い桜の開花。
刻限をむかえても明るさを保つ空。
そして、驚異的なサッカーセンスを持った少年の出現……。
なにやら伊原には、自身も含めてこの東京ラバーズというチームに吉兆めいたものを感じずにはいられなかった。
それは変化の兆しと言ってもいいかもしれない。むろん望ましい方向への変化だ。
何かが変わろうとしているのではないか。
そんな漠然とした期待を胸の内で膨らませながら、伊原はガラス扉を押してクラブハウスの中へ消えていった……。
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