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騎士団と双子と志津江
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「というわけでシヅエさん、ぜひ貴女の力を貸していただきたいのです!」
アドニスさんの話によれば、護衛の為に乗った列車の巡回中、最後部の車両に入った時に事が起こったらしい。
部下と乗客を人質に取られ、あの大男に一際念入りに縛られていたのだとか。
(護衛が必要な人物がこの列車には乗っている、と。王様とか?いや、考えても仕方ないか。まずは情報収集ができる環境を整えないと)
「私は有事のことはまるで素人ですが大丈夫ですか?」
「ええ、貴女は格闘に関しては相当すごい腕の持ち主と見えます。お恥ずかしながら我が隊で貴女より強い者は居ないでしょう」
また、とアドニスさんは続けた。
「貴女は戦闘中も一般の乗客を終始庇い続けていましたね。そんなあなたを信頼することに決めたのです」
「良いんですか?」
「もちろん!私は人を見る目を買われて隊長になったのですから」
アドニスさんはむしろ心配になるほど爽やかな笑みを見せた。
そして私の心配が伝わったかのように付け足した。
「それに自慢じゃないですが、十分責任が取れるほど私は強いですよ?」
(なるほど。確かに隙もない。あながち冗談ってわけではないのか。それに私の戦い方や今の表情も良く見られている)
「それは立派な自慢ですね」
「え!気分を害されましたか!?」
「いいえ。でも私もアドニスさんを信用することに決めました。よろしくお願いします」
「ありがとうございますシヅエさん!では、詳細をお伝えします」
アドニスさんの説明を聞いていると、騎士団のナンバー2らしき男性が列車に入ってきた。服がなんとなく豪華で、その眉間には縦じわがしっかりと刻まれている。
その人は他の乗客の混乱を収めてくれたいたようだ。
「ケリー!こっちだ」
アドニスさんが部下、もといケリーさんを呼んだ。
呼ばれたケリーさんは私を見留めると警戒の色濃くなった。
それもそうだ。
自分の騎士団長が見慣れぬ格好の年若い女に頭を下げているのだ。怪訝に思うのも無理はない。
「どなたですか?」
一見口調は丁寧なのに態度が不遜で『誰だこいつ』というケリーさんの副音声が聞き取れる。
父の次くらいに気難しそうだ。
アドニスさんはそんなケリーさんに慣れっこなのか気にした様子もなく、にこにこと私にケリーさんを紹介してくれた。
「彼は私の部下でケリーと言います。視力がとても良く遠距離銃が得意で、記憶力も良いんですよ」
ケリーさんは、自分の質問を後回しにされたにもかかわらず私に一応のお辞儀をしてくれた。
「ケリー。こちらはシヅエさんだ。非常に強く今回の作戦の戦闘員として協力をお願いすることにした」
「なるほど?」
アドニスさんの説明で、ケリーさんは一応了承の返事をした。
がまだ疑っていることを隠そうともせず、不安そうな視線を私に送ってきていた。
とりあえず慣れない愛想笑いを返しておく。
「お前は見ていなかったから知らないかもしれないが、ケリー。シヅエさんはお前より腕力もおそらく体力もあるぞ」
あの大男を倒したのは彼女だよ、とアドニスさんが言うとケリーさんは目を丸くしていた。
こうしてケリーさんの信用を得られたところで私はアドニスさん達と、列車救出作戦を決行することになった。
アドニスさんにこの列車の詳しい編成を聞くと、先頭が特上車両、二番車両が上級車両、三番車両から六番車両(私達が居たのは五番車両)が一般車両、七番車両と八番車両が荷物置き場となっているらしい。
護衛対象の人は特上車両に居り、本来であればアドニスさんも一緒に特上車両のはずだった。
しかし巡回中の部下さんが強盗に襲われ、後部車両まで様子を見に行った。
すると各車両に紛れていた強盗たちが一斉に行動を開始し、身動きが取れなくなった。
「この強盗団の頭は用意周到で頭の切れる人物だと思われます。また今回の事件にお金も掛けている」
「ただの強盗とは言い切れないですね」
「そうですね。内部情報も漏れているようです」
厳しい顔でアドニスさんは足早に車両を進んでいく。
「銃器所持の男が女性を人質にしています!」
ドアの隙間から三番車両の様子を見ていたケリーさんが振り返って教えてくれた。
私とアドニスさんも目を覗かせる。
確かに下卑た顔つきの男がきれいな女性を羽交い締めにし、その頭に拳銃を突きつけているのが見えた。
男は私達に気づいていないようだ。
「女を好きにして金までもらえるなんてな。これだから強盗はやめられねえぜ」
これは長くは見ていられそうもない。
「最低なやつだな。男の風上にもおけない」
思わず丁寧な口調が崩れるアドニスさんに、ケリーさんが冷静に続けた。
「重要そうな独り言も言ってますね」
「女としてこれ以上待てないのでやっつけてきます」
私は立ち上がると拳に力を込めた。
「男としてもこれ以上は待てませんね」
アドニスさんも立ち上がった。
「生け捕りで」
ケリーさんの指示に私達はこくり、と頷いた。
「なんで俺様が人間の強盗なんかに大人しく捕まらないといけないんだ!聞いてんのか、シェンユ!」
「お静かになさって、キリウ。私達は今魔力を使うわけにはいかないのよ」
二番車両のコンパートメントの一室で、まだあどけなさが残る男女の双子がささやき合っていた。
少年キリウは静かにするのも限界なようで、妹のシェンユに嗜められている。
「かったるい!面倒くさい!龍に変身できればこんな事にならずに済んだんだ!」
「まあ、キリウ。それではすぐ見つかって連れ戻されるわ。それでは私達の悲願も果たせぬというもの」
「わかってるってーの!」
見目好い双子は何やら相談しているようだ。
そして。
「キリウ、あそこの窓が空いていましてよ」
「本当だ。確か変化は魔法と認識されないんだったよな?」
「ええ、スキル判定よ」
ボン、という音を立てて双子は小さなコウモリに変身すると、コンパートメントの窓の隙間から出ていった
第三車両を取り戻し終えた私とアドニスさんたちは、第二車両を伺っていた。
「ここからは上級車両となり、車内の作りが変わります」
ケリーさんが言った通り、ドアの隙間から覗くと狭く短い廊下が見えた。
「上級車両はコンパートメントつまり個室が2つ、特上車両にはコンパートメントが3つある作りになています」
「特上車両の方が個室が多いんですか?」
志津枝の問にケリーは頷いて答えた。
「特上車両は貴族や大商人や王族まで乗ることもあります。なのでプライバシーを兼ねて二部屋と直近の護衛が乗るための一部屋が用意されています。そしてその後ろに連なる上級車両には特急車両に乗る客の従事者が乗っていることが多いですね。執事やメイドなどです。主人の格が高ければ彼らもまた上流ですから」
「なるほど」
「上級車両には確かに扉が2つあるね。それぞれの扉の前に見張りがいるみたいだ」
「ということは中はもう制圧済みですか。彼らを倒すにしても特上車両にバレないようにしたいですね」
「そうですね。特上車両に乗っている方たちを人質にでもされたら事ですから」
「そして上級車両の乗員の方にもこれ以上危害が及ばないようにしていただきたいです」
「もちろんだよ、ケリー」
そういうとケリーは懐から小さできらびやかな本を取り出した。
表紙にはいくつもの宝石のようなものが散りばめられている。
「それは?」
「私の魔導書です。性能、威力は一級品ですのでご心配なく」
見た目は好きませんが、と言いつつケリーは短く静音と呟いた。
「コレでこちらの車両とこの上級車両では物音一つたちません」
「魔法なんてあるんですか」
「確かにありふれたものではありませんからね。使える人間も限られていますし。この魔法も10秒間しか効きません」
「充分です。ありがとうございますケリーさん。では私が奥の男を気絶させます」
志津枝はドアを引き破ると、それをそのまま奥の男に叩きつけた。
「豪快でいて正確。そして素早い!さすがシヅエさんですね!」
「嬉しそうにしていないでアドニス団長も行ってきてください」
「もちろん!」
こうして上級車両の制圧はあっという間に終わった。
アドニスさんの話によれば、護衛の為に乗った列車の巡回中、最後部の車両に入った時に事が起こったらしい。
部下と乗客を人質に取られ、あの大男に一際念入りに縛られていたのだとか。
(護衛が必要な人物がこの列車には乗っている、と。王様とか?いや、考えても仕方ないか。まずは情報収集ができる環境を整えないと)
「私は有事のことはまるで素人ですが大丈夫ですか?」
「ええ、貴女は格闘に関しては相当すごい腕の持ち主と見えます。お恥ずかしながら我が隊で貴女より強い者は居ないでしょう」
また、とアドニスさんは続けた。
「貴女は戦闘中も一般の乗客を終始庇い続けていましたね。そんなあなたを信頼することに決めたのです」
「良いんですか?」
「もちろん!私は人を見る目を買われて隊長になったのですから」
アドニスさんはむしろ心配になるほど爽やかな笑みを見せた。
そして私の心配が伝わったかのように付け足した。
「それに自慢じゃないですが、十分責任が取れるほど私は強いですよ?」
(なるほど。確かに隙もない。あながち冗談ってわけではないのか。それに私の戦い方や今の表情も良く見られている)
「それは立派な自慢ですね」
「え!気分を害されましたか!?」
「いいえ。でも私もアドニスさんを信用することに決めました。よろしくお願いします」
「ありがとうございますシヅエさん!では、詳細をお伝えします」
アドニスさんの説明を聞いていると、騎士団のナンバー2らしき男性が列車に入ってきた。服がなんとなく豪華で、その眉間には縦じわがしっかりと刻まれている。
その人は他の乗客の混乱を収めてくれたいたようだ。
「ケリー!こっちだ」
アドニスさんが部下、もといケリーさんを呼んだ。
呼ばれたケリーさんは私を見留めると警戒の色濃くなった。
それもそうだ。
自分の騎士団長が見慣れぬ格好の年若い女に頭を下げているのだ。怪訝に思うのも無理はない。
「どなたですか?」
一見口調は丁寧なのに態度が不遜で『誰だこいつ』というケリーさんの副音声が聞き取れる。
父の次くらいに気難しそうだ。
アドニスさんはそんなケリーさんに慣れっこなのか気にした様子もなく、にこにこと私にケリーさんを紹介してくれた。
「彼は私の部下でケリーと言います。視力がとても良く遠距離銃が得意で、記憶力も良いんですよ」
ケリーさんは、自分の質問を後回しにされたにもかかわらず私に一応のお辞儀をしてくれた。
「ケリー。こちらはシヅエさんだ。非常に強く今回の作戦の戦闘員として協力をお願いすることにした」
「なるほど?」
アドニスさんの説明で、ケリーさんは一応了承の返事をした。
がまだ疑っていることを隠そうともせず、不安そうな視線を私に送ってきていた。
とりあえず慣れない愛想笑いを返しておく。
「お前は見ていなかったから知らないかもしれないが、ケリー。シヅエさんはお前より腕力もおそらく体力もあるぞ」
あの大男を倒したのは彼女だよ、とアドニスさんが言うとケリーさんは目を丸くしていた。
こうしてケリーさんの信用を得られたところで私はアドニスさん達と、列車救出作戦を決行することになった。
アドニスさんにこの列車の詳しい編成を聞くと、先頭が特上車両、二番車両が上級車両、三番車両から六番車両(私達が居たのは五番車両)が一般車両、七番車両と八番車両が荷物置き場となっているらしい。
護衛対象の人は特上車両に居り、本来であればアドニスさんも一緒に特上車両のはずだった。
しかし巡回中の部下さんが強盗に襲われ、後部車両まで様子を見に行った。
すると各車両に紛れていた強盗たちが一斉に行動を開始し、身動きが取れなくなった。
「この強盗団の頭は用意周到で頭の切れる人物だと思われます。また今回の事件にお金も掛けている」
「ただの強盗とは言い切れないですね」
「そうですね。内部情報も漏れているようです」
厳しい顔でアドニスさんは足早に車両を進んでいく。
「銃器所持の男が女性を人質にしています!」
ドアの隙間から三番車両の様子を見ていたケリーさんが振り返って教えてくれた。
私とアドニスさんも目を覗かせる。
確かに下卑た顔つきの男がきれいな女性を羽交い締めにし、その頭に拳銃を突きつけているのが見えた。
男は私達に気づいていないようだ。
「女を好きにして金までもらえるなんてな。これだから強盗はやめられねえぜ」
これは長くは見ていられそうもない。
「最低なやつだな。男の風上にもおけない」
思わず丁寧な口調が崩れるアドニスさんに、ケリーさんが冷静に続けた。
「重要そうな独り言も言ってますね」
「女としてこれ以上待てないのでやっつけてきます」
私は立ち上がると拳に力を込めた。
「男としてもこれ以上は待てませんね」
アドニスさんも立ち上がった。
「生け捕りで」
ケリーさんの指示に私達はこくり、と頷いた。
「なんで俺様が人間の強盗なんかに大人しく捕まらないといけないんだ!聞いてんのか、シェンユ!」
「お静かになさって、キリウ。私達は今魔力を使うわけにはいかないのよ」
二番車両のコンパートメントの一室で、まだあどけなさが残る男女の双子がささやき合っていた。
少年キリウは静かにするのも限界なようで、妹のシェンユに嗜められている。
「かったるい!面倒くさい!龍に変身できればこんな事にならずに済んだんだ!」
「まあ、キリウ。それではすぐ見つかって連れ戻されるわ。それでは私達の悲願も果たせぬというもの」
「わかってるってーの!」
見目好い双子は何やら相談しているようだ。
そして。
「キリウ、あそこの窓が空いていましてよ」
「本当だ。確か変化は魔法と認識されないんだったよな?」
「ええ、スキル判定よ」
ボン、という音を立てて双子は小さなコウモリに変身すると、コンパートメントの窓の隙間から出ていった
第三車両を取り戻し終えた私とアドニスさんたちは、第二車両を伺っていた。
「ここからは上級車両となり、車内の作りが変わります」
ケリーさんが言った通り、ドアの隙間から覗くと狭く短い廊下が見えた。
「上級車両はコンパートメントつまり個室が2つ、特上車両にはコンパートメントが3つある作りになています」
「特上車両の方が個室が多いんですか?」
志津枝の問にケリーは頷いて答えた。
「特上車両は貴族や大商人や王族まで乗ることもあります。なのでプライバシーを兼ねて二部屋と直近の護衛が乗るための一部屋が用意されています。そしてその後ろに連なる上級車両には特急車両に乗る客の従事者が乗っていることが多いですね。執事やメイドなどです。主人の格が高ければ彼らもまた上流ですから」
「なるほど」
「上級車両には確かに扉が2つあるね。それぞれの扉の前に見張りがいるみたいだ」
「ということは中はもう制圧済みですか。彼らを倒すにしても特上車両にバレないようにしたいですね」
「そうですね。特上車両に乗っている方たちを人質にでもされたら事ですから」
「そして上級車両の乗員の方にもこれ以上危害が及ばないようにしていただきたいです」
「もちろんだよ、ケリー」
そういうとケリーは懐から小さできらびやかな本を取り出した。
表紙にはいくつもの宝石のようなものが散りばめられている。
「それは?」
「私の魔導書です。性能、威力は一級品ですのでご心配なく」
見た目は好きませんが、と言いつつケリーは短く静音と呟いた。
「コレでこちらの車両とこの上級車両では物音一つたちません」
「魔法なんてあるんですか」
「確かにありふれたものではありませんからね。使える人間も限られていますし。この魔法も10秒間しか効きません」
「充分です。ありがとうございますケリーさん。では私が奥の男を気絶させます」
志津枝はドアを引き破ると、それをそのまま奥の男に叩きつけた。
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