吉備大臣入唐物語

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休憩所

登場人物振り返り

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 この「吉備大臣入唐物語」をここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!
 皆様の応援が励みとなり、今日も作者は楽しい小説ライフを満喫しております。

 さて、ちょっとこの辺で今までの登場人物を改めて紹介させて頂きたいと思います!
 休憩がてらにさらっと見ていただければ幸いです。


『登場人物紹介』

下道真備しもつみちのまきび
 改名後の名前である吉備真備として有名。吉備国(現在の岡山県)に生まれ第九次遣唐留学生として唐に渡ったが、その才能を妬まれて高楼に閉じ込められてしまった。とても真面目な性格だが機知には富んでおり、集中力や記憶力もピカイチな好青年。
 高楼で出会った赤鬼である阿倍仲麻呂は信頼のおける親友だと思っている。

阿倍仲麻呂あべのなかまろ
 唐での名前は朝衡ちょうこう。しかし、友人の王維や儲光羲たちには親しみを込めて晁衡ちょうこうと呼ばれている。彼は第九次遣唐留学生として唐に渡り、最難関国家試験である科挙に合格。秀才、美男子、性格良し。おまけに皇帝陛下の側近という凄まじい器量の持ち主だが、そのせいで彼ら科挙系の反対勢力である李林甫に目をつけられ、殺されかけた。
 しかし餓死寸前という所で一命を取り留め、現在は赤鬼の姿で生きている。ただし、月明かりがあれば一時的に人間の姿に戻ることは可能。真備のことは信頼と共に尊敬もしている。

王維おうい
 朝廷に仕える詩人で、仲麻呂と儲光羲の友人。彼もまた天才、美人、性格良しの三コンボ持ち。おまけに絵画センスや絶対音感までついてきたハイスペック人間である。仲麻呂と共に科挙に合格しており、それがきっかけで親しい仲に。仏教を信じ、仏のような性格をしているために「詩仏」とも呼ばれるが、実は意外とおちゃめだったりする。李白という知り合いがいるらしい。

儲光羲ちょこうぎ
 朝廷に仕える詩人であり、仲麻呂と王維の友人である。王維と同じく自然を謳う詩を得意としており、若くして科挙にも及第した。ちなみに仲麻呂のことをべた褒めしている詩を詠んだのは彼である。
 そして何やら仲麻呂を人間に戻す糸口を見つけたようで······?

李林甫りりんぽ
 皇帝陛下に頼りにされている高官。貴族率いる門閥派の筆頭であり、張九齢を筆頭とする秀才揃いの科挙派の人間と対立している。そして真備と仲麻呂を高楼に閉じ込めた張本人である。
 柔和な微笑みと甘い言葉で相手からの信頼を得た後に裏で思いっきり蹴り飛ばすという悪賢さを持っており、後に「口に蜜あり腹に剣あり」と例えられた人物だ。

安禄山あんろくざん
 本名はロクシャンといい、ソグド人系の血を引く大男である。安史の乱で有名だが今の彼はまだまだ若い。彼は貴族でも科挙合格者でもないが、その愛嬌と機知で皇帝陛下に目を止められた。現在は力の強い門閥系の李林甫側についている。肥満体質ではあるが軽快な踊りを得意としており、顔も整っている。

*囲碁の名人
 真備と対局をした長安一の囲碁の名人。厳しそうな人ではあるが、日本人には恩があるらしく真備のことを高く評価している。そしてどうやら彼は囲碁だけではなく双六なども嗜んでいるらしい。

李隆基りりゅうき(玄宗皇帝)
 当時の唐の皇帝陛下、楊貴妃の夫として有名なあのお方である。最近のお気に入りは安禄山で、柔和で気の合う李林甫を頼りにしている(彼の裏の顔は知らない)。
 真備が唐を傾けようとしている悪人だという噂を信じ込み、現在は李林甫に援助中。そして二ヶ月ほど前から行方不明になっている仲麻呂を気にかけているが、未だにめぼしい知らせは届いていないようだ。

趙玄黙ちょうげんもく
 遣唐留学生達に基礎教育を施している教師であり、仲麻呂と真備も彼に学んだ。彼らの才能をいち早く見つけ、それを上手く引き出してくれたのも彼である。
 
白猪真成しらいのまなり
 真備と同じ四文学で勉強していた遣唐留学生。唐では井真成せいしんせいと名乗っている。その後も真備とは交流を続けていたが、突然彼と音信不通になったので心配している様子。明るいお調子者だが、一方で勉学に対して真面目で日々熱心に勉強をしている。

宝志ほうし
 密法を行う僧。真備の後ろ盾として仲麻呂がいることに気がついた李林甫が、彼の腕を見込んでとある仕事を依頼したようで······。

李白りはく
 王維の元にちょくちょく遊びに来ているらしい詩人。酒が大好きで鋼の肝臓を持っている。王維曰く、その才能は天才的だがかなりの変人だとか何とか。


 さて、長くなりましたが登場人物紹介はこのような感じです。ではではまた本編へと戻りましょう。
 絵巻の最後の場面がまだ見つかっていないため、ここからは作者独自の展開や設定も入れつつにはなりますが、『江談抄』の内容も踏まえながら楽しく書き進めてゆこうと思います。

 それでは皆様、大船にのって再び大海原へと出かけましょう。その先で待ち受けるのは友との喜びか、はたまた別れか。
 拙いところも多いかと思いますが、これからもこの作品を楽しんで頂ければ幸いです!




                                                   
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